93話 二人で一つ
休み時間、鈴凛さんが僕の席に遊びに来た。
「やっほ」
「どうも……」
周りからは恋人なのという声が聞こえてくるが、実際はそうだ。
「どうしたの?」
「いやだってこの二人が並んでるから恋人になったのかなって」
「ふふふ、えっち」
鈴凛さんは照れながら違うのかそうなのかわからない返答をした。
「もうなんなのよ~」
「内緒」
「そういえば鈴凛さんの声、なぜか聴きやすくなったよね」
「そう?」
そして鈴凛さんは僕の机に座り、話し始めた。
「ねーねー、暇じゃない?」
「暇だけど、どうしたんだ?」
「ちょっとトイレで遊ばない?」
「却下します」
「どうしてよー」
「トイレで遊ぶなんて、イカれてるとしか言えないな」
「そんなぁ」
そして鈴凛さんは何か遊ぶものがないかとカバンの中を漁っていた、その隙に僕は教室から抜け出した。
(しかし、鈴凛さんがあんなベタベタに近づいてくるなんて、恋人になったからなのかな?)
「よぉ、鈴凛に惚れられてめんどくさがってる幸君よ」
廊下の端に風月さんが居た。
「さっきの事見てたの?」
「トイレで遊ぶってさ、本当にイカれてるよ、一旦落ち着かせたらどうだ?」
「落ち着かせる……どうやって?」
「ほら、なんかあるだろ」
「なにもないけど」
「そうだ、レモネードをあげたらどうだ?」
「どうしてレモネードなの?」
「しらん」
そうしてチャイムが鳴る1分前に教室に入り、次の時間の準備をした。




