8話 馬鹿の六車
そして乗り換えもすんなりと済み、無事に自宅に帰ってきた。
「鈴凛さんもここに住んでるのか!?」
「鈴凛さんはここに住んでる、そこの因果関係は言うとややこしくなるから言わないけどね」
「どうしてだよぉ~、友だろぉ~」
「人には話したくないこともあるんだよ」
「それはそうか、納得だぜ」
そして僕の部屋に六車くんを案内した。
「さて、勉強をしようか、何が分からないの?」
「数学だなぁ……教えてくれね?」
「いいよ、これがわからないって言うなら、この公式を使うといいよ」
「公式……むむむ……馬鹿だから考えると頭痛がするんだよなぁ~」
「そうなんだ……」
「でも頑張ってやってみる」
そうして僕は六車くんの勉強を教えていった。
「しかし、どうしてここまでやってくれるんだ?俺には不思議だぜ」
「友達なんて、中学の時、いなかったからね」
「そうか、鈴凛さんと仲良くしたらいいのに」
「僕って、目が悪いじゃん、見えてなかったらしい」
「そうか、あんな別嬪さん、お嫁に欲しいが、こんな馬鹿の奴に寄りつく奴なんて、DQNしかいないぞ」
「そうなんだ……」
「それはそうとよ、あの偉そうにしてる女、知り合いか?」
「知らない人、それに椅子を僕に投げつけてくる人」
「そうか、要するに悪い奴ってことかぁ~学校にも変な奴はいるもんだなぁ」
「六車くんはどういう奴なの?」
「俺はもちろん馬鹿だよ~」
そして15分勉強をした後、近くのサービスエリアに向かった。
「しかし、この辺り、スーパーとかないんだなぁ、ションベンとか大変そうだな、もしかして、外でやってるのか?」
「いいや、家にトイレはあるからね……」
「そっか、ならよかった、この近くにコンビニはないよな」
「無いね、近くのコンビニはここから6.4kmぐらいだね」
「ひえぇ~……そんな遠いのか……」
そして僕と六車くんはサービスエリアでゆったりと過ごした。
「抹茶アイス、あるよ」
「そうか、なら買いに行こうかなぁ~」
そう言って六車くんは抹茶アイスを買いに行った。
(しかし、楽しい友達ができたな……)
僕は茶畑を見ていた。
「たそがれてるが、この光景、見たことないのか?」
「いいや、何度も見てる、だけど心が洗われる感じがするんだよね」
「目の保養になるからなのかなぁ~俺はそう思わないけどな」
「六車くんって、中学校の時、ヤンチャしてたの?」
「もちろんヤンチャしていた、勝ち上がってなんぼだ」
「そうなのか……」
そう言って茶畑を見た。
「……この世の中、知らないこと、いっぱいあるのか」
「そうかもな、っと、もう出ないとオカンに叱られる、ほなまた~」
「ああ、じゃーねー」
六車くんは走って帰っていった。
「……この光景、また見たいな」
そうして僕は家に帰った。鈴凛さんは何やらゲームをしていたが、僕には興味が無かった。
「ただいまー」
僕の部屋に入り、そのまま宿題を終わらせていった。
(しかし、疲れたな……)
その時、下から物音がした。
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