53話 エスコート
家の最寄り駅に着き、僕は鈴凛さんの手を引いて電車の外に出た。
「……手をつながなくてもわかるよ」
「いいや、手をつながないといけない気がするんだ……ってこのことは聞こえてないか」
僕は必死に手を離さないように家に連れていった。
「……ぁりがと」
僕と鈴凛さんは無事に家に帰ってきた、そして鈴凛さんは恵さんの元に走っていき、僕は部屋に向かった。
(今日は疲れた……さて、やることリスト……ってかこれってデートじゃないのか?)
僕は必死にノートを探したがどこにも見当たらなかった。
(それに机に誰かが書いたであろう妥協は死っていう付箋が書かれてあるし……何なんだよもう……)
僕はその付箋を剥がし、丸めて捨てようとした。
「いや、待てよ」
僕は付箋を丸める手前で手を広げた。
「……持っておくか」
僕はその付箋をパソコンの横に貼り付けた。
(しかし、あのノートはどこに行ったんだ?)
確か記憶では目の届かない場所にやったんだっけ……
「妥協は死……なんだな」
僕は必死にノートを探した。だが簡単に見つからなかった。
「……クソッ……どこにやったんだ?」
僕はベッドに倒れこんだ。
(どこにやったんだ……本当にどこに……)
そうして僕はベッドの上で悶々としていた。
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