4話 村を支える茶
僕たちは徒歩で茶畑の方に向かっていた。
「自然の中にこの村があるんですね」
「そうなんだよね、村の標語は{自然が薫り 絆が生きる 自立するむら!みなみやましろ}っていうね、誰が考えたんだろうね、見つけたら最優秀賞をあげたいよ」
「何のグランプリですか……って綺麗だ」
下の方には茶畑があり、上にも茶畑がびっしりと並んでいた。その光景はまるで緑のお花が咲いていると感じた。
「やっぱり、このこぅけぃ、きれぃ」
「だね、下からも見て見よう」
そう言って坂道を下っていった。
「しかし、空気が綺麗で……最高だね」
「幸くん、そうでしょー、もっと褒めなさい」
「いや恵さんに言っているんじゃないですよ」
「そんなぁ~」
「嘘ですよ、スタイルも完璧です」
「だぁ~~」
そんな会話をしていたら下に着いたようだ。道路を挟んで道の駅とホテルが建っていた。道の駅は平日に関わらず人で賑わっていた。
「夕暮れなのに、こんなにいるんだね」
「そうなのよ、観光客が金を落としてくれるから……いいや、何でもない」
「どうしたの?」
「いいや、観光でがっぽりとね……ははは」
恵さんのちょっとした欲が見えた、茶畑の方を見ると……茶畑の隙間から夕陽が差し込み、茶畑が物凄く神々しかった。まるでこの村を支えているかのように。
「すごぃね」
「そうなんだよね、それに、この時期しか、こんなきれいな茶畑、見られないからね」
「そういえば、いつもはどんな仕事をしているんですか?」
「茶畑の管理だね、そして今日はちょっと用具とか買いに行ってたんだよ」
「そうなんですね……」
僕たちはこの光景を見た後、家に帰り、風呂に入った。
「ふぅ……風呂ってのはいいね」
檜風呂に入るなんて、豪華だと思う。
「ふんふんふー……ん」
鈴凛さんは風呂場のドアを開けた。
「ご……ごめん!」
鈴凛さんは急いでドアを閉めた。
「えっちょ!?もしかして……見られた!?」
僕は顔を赤らめた。
「……見られるのって、恥ずかしいな」
そう言って風呂から上がった。
「しかし、どこまで走っていったんだ……って着替えの服もひっくり返してるし……物凄く驚いたんだな」
僕は着替えを拾い、着替えた。
「……どこまで行ったんだろう?」
「ねぇ、幸くん、鈴凛が外に出ていったんだけど、何したの?」
「風呂に入ってたんだけど、のぞいてきて……」
「あら……これも、青春だね」
「やかましいな……ライトある?」
「はいはい、探しに行くんでしょ」
そうして僕はライトと携帯を持ち、鈴凛さんを探しに夜の茶畑に行った。
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