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38話 夏休みの合図がした

時は流れ、1学期の終業式、僕と鈴凛さんの距離感は近くなっていた。

「ねぇ、夏休みってどこに行くの?」

「夏休み……勉強三昧かな」

「少しぐらいさぼっても罰は当たらないよ、海行こうよ、海」

誘ってくる人は南条さんだった。

「それに祭りとか花火とかぁ~あ~今考えたらポンポンと湧き出ちゃう~」

「ちょっと、こうくんに何吹き込んでるの?」

鈴凛さんは最近母音のうの音がしっかりと発音できて来ている。補聴器のおかげで発音がよくなったようだ。

「もー、鈴凛さんは夏休みどこに行くの?」

「うーん、うみかなぁ~?」

「なら幸君を連れて行かない?」

「ぃぃね!ぃこ!」

「鈴凛さんに頼まれたら行くしかないよな……恵さんに聞いてみるか」

僕は電話で恵さんに聞いた。

「ねぇ、夏休み入ったら海に行ってもいい?」

「いいけど……どうしたの?まさか、デート!?」

そう言う後ろで地域のおばあさん連中がコソコソと話している様子が聞こえてきた。

「後ろで噂話されてない?」

「大丈夫よ、だって、青春だもの~」

僕は恥ずかしくて電話を切った、恵さんから鬼電来ているが無視を決め込んだ」

「大丈夫だってよ」

「やった~」

「なら明日、鈴凛さんの家に行っていい?どこの海に行くのか決めようよ」

「だね~」

入学当初、鈴凛さんはクールキャラを決めこんでいたがどんどんと鎖が解けていき、今では家で見せるような感じになった。周りの男からはもう片思いすぎて毎日平均5通ぐらいのラブレターが入っている事もざらだ。ちなみに一度鈴凛さんの上履きが盗まれた時があり、その時はクラスが一致団結で犯人を捜し、生徒指導室に突き出したこともあった。そして入学当初、耳が聞こえないと罵っていた女の人はちょっとだけ障害について学んだらしく、絡んでこなくなった。

「じゃ、明日、朝一で突撃するよー」

そうして夏休みが始まった、しかし、朝一はしんどくないか……?

最後まで見てくれてありがとうございます。

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