18話 二人、ぃっしょ
無理やり茶畑に連れてこられた。
「どうしたの?見せたいものあるの?」
「みせたぃものじゃなぃ。す」
その時、茶畑からイノシシがこっちに向かってやってきてた。
「ふっきゅ!?」
「どうしてここにイノシシがいるんだよ!?!?」
僕は鈴凛さんの手を握り、走り出した。
「しかし、どうしてイノシシがいるんだよぉぉおおお!!!」
(人里にイノシシが出てくるのか!?!?)
その時、目の前に網を持ったおじいさんが立っていた。
「小僧!こっちに走ってこい!」
おじいさんはイノシシを捕まえるために来たらしい。
「走るぞ!!!うおおおおお!!!ってあれ?」
握っているはずの鈴凛さんの手が無かった。
「速いなぁ」
鈴凛さんが前にいた、そして僕の手を掴んでいた。
「急いで逃げないとぉぉ!!!」
そうして僕と鈴凛さんはおじいさんの真横に避け、網はイノシシを捕まえた。
「ふぅ、これで役所に行かないとな……」
「ありがとうございます……」
「いいのいいの、わしは人が困ってたら助けるタイプの人間じゃからの」
そうして鈴凛さんは前のめりにずでーんとこけていた。
「大丈夫?」
「だぁぃじょぉぶ」
鈴凛さんは泣いていた、痛かったのだろう。
「さぁ、家に帰るよ」
僕は鈴凛さんをおんぶして帰った。そして家に帰ったと同時に恵さんにどうしてこんなことになったのかと聞いた。
「茶畑からイノシシが出てきたんだよ」
「イノシシか……仕方ない、しかし、どうやって逃げ切ったのよ」
「おじいさんが網で捕獲してくれたんだ」
「へぇ~」
そう言っている横で鈴凛さんの手当てをしていた。
「擦り傷だけで済んでよかったよ」
「ですね……」
そうして僕は自室に帰った。
(しかし、走ったから疲れたな)
明日は学校、準備を始めた。
「……ぃる?」
「その……ぁの……」
鈴凛さんはもじもじしていた。
「ずっと……二人、ぃっしょ?」
「……ずっとかは分からないけど、どうしたの?」
その答えを聞いた鈴凛さんは泣いて部屋を出ていった。
「……何だったんだろう?」
鈴凛さんは夜の食卓の時も泣いていた。本当にどうしたんだろう。
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