114話 幽かな感触
鈴凛さんが風呂から上がり、僕が入れ違いで入ると何かがぶつかったような感覚があったが何事もなかったかのように通り抜けた。
(今の……なんだ?)
僕は後ろを振り向いたが居たのは鈴凛さんと恵さんだけだった。
(気のせいだな……うん)
僕は風呂に入った、川の臭いを落とすように体をごしごしと洗った。
「ふぅ~やっぱり風呂ってのは気持ちいものだぁ」
僕はゆっくりと湯船に入った。
「ここにみかんやらゆずやらを入れたいなぁ」
ゆず風呂はたしか美肌効果に良いんだっけ、鈴凛さんにお勧めしておこうかな。
「風呂から上がるかぁ」
僕は風呂を上がり、適当に着替えた。
「風呂から上がりましたよーん」
「ごはんあと少しで出来上がるから待ってねー」
「僕たちが風呂から上がるタイミングでご飯を作り終える算段だったでしょ~」
コンロには焼いた肉やみそ汁入りのフライパンや鍋があった。
「ばれたかぁ~」
「それで今は何を作ってるの?」
「内緒、出来てからのお楽しみっていう奴、幸くんは上に上がって待っててなさいよ~」
「はーい」
僕は強制的に僕の部屋に押し込まれることになった、鈴凛さんは僕の帰りを待っていたらしい。
「ただいま~」
「鈴凛さん……それ僕の服」
「また言ってる~」
僕の服を着るのはいいんだけどさ……一言だけ言ってほしいのは内緒にしておこう。ニコニコしている鈴凛さんを見るのが最近の楽しみだから。
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