110話 大金
部屋に戻って数分後、どうやら帰ってもらうことになったらしい。
「すまない、わが娘のわがままな行動でこんなことをさせた」
「いやいいんですよ、なんなら楽しかったです」
僕はそう言ってとにかく南条さんのお父様を安心させた。
「少ないがこれを受け取ってくれないか」
手渡されたのは一つの封筒だった。
「これは鈴凛さんの分」
「ありがとう……これ中何入ってるんだ?」
僕は中身をこっそりと覗いた、入っていたのは1万円札の束だった。
「ゴォォ!?」
「わぁ」
見事に僕たち二人は語彙力を失った。いやだって少ないがって言ってこれだけの札束だと僕は絶対思考停止してしまう。他の人たちもそうする。
「これには100万入っている、有効活用してくれ」
「ああぁ~」
これって返さないと利子でトニとかトゴとかにならないよね!?
「これって返す……」
「返さなくてもいい、迷惑料として受け取ってくれ」
その言葉にますますはてなが強まった。
「それでは、家に向かいますね」
豪華な車で家まで送ってもらうことになった。
「わぁ」
鈴凛さんはわぁしか言えなくなっていた。
「本当にありがとうございます……」
「いいんだ、総資産、わかるか?」
「いえ、わかりませんが……」
「2兆ぐらいだな……」
その言葉でもはや僕の思考はお釈迦になった。
「わぁすごいですねぇ」
「脳が破壊されたんですね……」
「わぁ」
そして話をしながら家に向かって行った、そして帰ってきた時、恵さんが玄関で掃除をしていた。
「おわぁ!?」
そりゃ豪華な車が家の前に停車したんだ、何かあると身構えていた、その姿はもはや滑稽としか言い表せなかった。
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