109話 本物の恋敵
何も話さないまま数分が過ぎ、南条さんが鈴凛さんを呼び出した。
「ねぇ、鈴凛さん、ちょっとこっちに来てくださる?」
「なーにー?」
テトテトと小走りで南条さんについて行く鈴凛さん、部外者から見ればカルガモの親子みたいな感じに見えた。
(なんだろうな……もしかして何かスイーツをもっていかせようとしてるのか?なら僕を連れていくはずだ)
僕は鈴凛さんの後を隠れて尾行した、すると話し声が聞こえてきた。
「あの男、鈴凛には釣り合ってないと思うけど」
「いや、仲がいいし……」
「でもさ、いい男って金に釣られるんだよ?」
「……でも金よりも愛じゃないの?」
「それはわかる、凄くわかる。だが金がなければ養えないんだよ?」
「それはそうだけど……」
「それとも愛だけでお腹は膨れるの?」
「……どうしてこんなことを言うの……」
すると鈴凛さんが泣き出した。
「何泣いてるのよ!?顔を拭きなさい!?」
「ちょっと待て!!!さっき話してた内容、なんだ?」
ここで僕が出た、南条さんの顔は度肝を抜かれたように面白かった。
「なんでついてきてるのよ!?」
「どうしてここに連れ出してきたのかが気になってね、南条さんってそんなことを思ってたの?」
「いや違うの幸くん、これは私が嘘をついて……」
「なら愛より重いのはなんだ?」
「もちろん愛が一番重いよ!!」
何故か南条さんが焦りながらこう言った、さっきまでと言っていたことが違う。
「嘘をついているな、南条さん」
「いや嘘なんてついたことないじゃないの」
「なら命より重いのは!?」
「もちろん金……いや愛よ!!」
「なら腹を満たすのは!?」
「食べ物でしょ」
「その食べ物は何処から湧き出てくるんだ!?」
そう言ったとき、南条さんも泣きだしそうになった。そしてこの異常事態に南条さんの父親らしき人がやってきた。
「何をやっている!!!仕事の邪魔だ!!」
「あっ、南条さんのお父様ですよね?」
「そうだ、だが今は仕事中だ」
「南条さんが愛よりも金が大事と言っていたんです」
「それは本当なんだろうな……神楽!!」
「違うんです……幸くんが嘘をついていて……」
「嘘をついたことないんだよなぁこれが」
「なら愛か金か、どっちが大事なんだ」
「もちろん愛ですよお父様」
南条さんのお父様は南条さんの顔を見てむっと顔をしかめた。
「お前は嘘をついている顔をしている。こっちに来い」
「やめてくださいましお父様!!!」
そして南条さんは奥の通路に連れていかれた、そして数分後、南条さんのお父様が戻ってきた。
「この度はわが娘の失態について謝らせてくれ……誠に申し訳ない」
すると土下座をしてきた。
「えっ……顔をあげて!?」
「そうだよ!?」
「純粋無垢な子に育てたはずなのに……どうしてこんなことになったのだ……?」
南条さんのお父様が土下座をしている姿を南条さんのお母様がその光景を見て絶叫をした。
「これは違うんだ!?」
もうめちゃくちゃになっていてもはや収拾がつかなかった、その間に僕と鈴凛さんは部屋に戻っていった。
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