102話 匂い
鈴凛さんは汗だくの服を着替えてくるのかと思ったが……
「じゃん」
「どうして着替えないのかなぁ!?」
どうしてか汗だくの服を乾かして着ていた。
「だって、この匂い、嗅いでほしいんだ」
そう言って僕の方に近寄ってきていた。
「どうして嗅がないといけないんだ!?」
「ほら、犬や猫は匂いをかいでコミュニケーションをとるんだよ?」
鈴凛さんはじりじりと迫ってきている、そして僕は壁際に追い込まれた。
「ほら……抵抗せず私の匂いを嗅げ♡」
すると茶畑の作業を終えた恵さんがこっそりと帰って来ていて、この惨状を目にした。
「……鈴凛?」
「……あ」
その後の展開は誰もが予想できる風呂落ちだ。
「ほら、体の汗を流しましょうね~」
「嫌だ~!!」
僕はリビングで鈴凛さんの悲鳴を聞きながら本を読んでいた。
(どうして鈴凛さんは何故僕に匂いを嗅がそうとしてたんだ?)
あの時の鈴凛さんの目には僕しか見えていなかったのかなと思っていたら鈴凛さんが独特なシャツを着て風呂場から出てきた。
「……さわやかになっちゃった」
「どうして服の真ん中に豚の絵柄がプリントされてるんだ?」
「それは私が着せた」
恵さんが堂々と言うと鈴凛さんを回転させた。
「ほら、後ろ見て見ろ」
後ろのプリントはとんかつがプリントされていた。
「……そういう事か」
僕は勝手に理解をしたが鈴凛さんは汗臭くなくなったからちょっと不満げだった。
「でもくっつけるからいいや」
「やっぱり僕にくっつくんだね!?」
「よきよき、これこそ恋愛だな」
恵さんは僕と鈴凛さんを傍観していた、たすけて……
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