じゅもく ーかみがみのき、まじないのきー
『樹木あるいは呪木』 ー神樹、呪いの樹ー
作者:もう一人のみなはら
昔、子供の頃
呪いの樹と呼ばれた木があった
地元にあったその木は巨木でもなく
古い木でもなかったが曰く付きの木だった
木の種類は判らない
普通の落葉樹だったようにおもう
噂と暗い印象とツタの生えた姿から
なんとなく薄気味悪くかんじて
遠くから眺めたことがある
家人がその木の
枯れて傷んだ枝を切ろうとして
落ちてけがをしたとか
それが元でしんだとか
その後に家人から
伐採を頼まれた業者も
そうした同じような目に遭ったとか
そんな気味の悪い
怖い噂話が聞こえていた
いつだったか
バイパス道路建設工事の計画により
その家も木も更地とされて道路となる筈が
不可解な事故により道路計画が見直されて
その木と家は道路となることもなく
道路の脇に残されたということが
その後の噂として追加された
その木はもうない
バイパス道路の完成したあとで
立ち枯れて腐り倒れたという
その家も今は空き家になっているとか
真偽は定かではないが
それを確かめに訪れようとも思わない
バイパスを通り
家のある位置は判っていても
探さずに通り過ぎる
そうした日々を過ごす
きっと
もともとはただの木だったのだろうと思う
何かしらのきっかけで呪いの木と噂され
人の想いが集まり
呪いのように
呪いの木という想いが刻まれて
徐々に何かが育ったのだろうとおもう
先日観た番組で
神聖な地に育ち
神と成った木や
人の想いを重ねて
神が宿る木が
各地に幾柱もあるのだという
子供の頃に見たことのある
あの呪いの木から感じたように
ああした画面を通してさえ
神の木からは力を感じるようだ
人の尊敬や捧げる祈りを受けて
神聖な地で聖なる木や神の木となる
人の想いや祈りの焦点となり人を救う
人の恐れや憤りなどを受けて
恨みの想いを暗き地で溜めて呪いの木となる
人の怒りや感情を集め人を傷つける
想いというのはときに尊く
想いというのはときに恐ろしい
焦点となるものは
その受け皿は
想いという力を受けて
神聖にも邪悪にもなりうる
木もそうしたもの
人もそうしたもの
ただ
人は
周りからの想いの焦点となるばかりではなく
自らの想いも溜めてゆく
独りだけの想いと
周りからの想いを纏め束ね併せながら
樹のように
地に根付き想いを広げながら
共に生きつづけるのだ
樹にも想いがあるのかもしれない
それはとても純粋な
純粋な生きるための想い
地域と共に生きる想い
人と共に生きる想い
生かすための想いなのかもしれない
神樹
神の木という映像を観つつ
昔の呪いの木の記憶を振り返り
そう思った
ふとそう思った
想いを抱きつつ
想いというものに翻弄されつつ
想いに満ちた世界でいきる
想いの中をあゆむ
かみがみのき
まじないのき
そのおもい
いつまでも
ここに
おもうひといるかぎり
おもうものあるかぎり
ありつづける
地に
蒼空に
人の想いに
てんてんと
おもい
てんてんと
ーつぶやきとお礼ー
こんにちわ みなはら二人めです←嘘です(笑) ごめんなさい、二人め欲しい願望で作者名変えて書いてみましたけど、身体はひとつなのでやはり疲れますね(苦笑)
みなさま久々の割烹へのコメントやメッセージ、どうもありがとうございました♪(*^^*)
嬉しかったです(●´ω`●)
お力をいただいて、書きかけを仕上げてみました(o´∀`)b