一人語り
私は何者なのでしょう?
真っ白な部屋の中、人形たちに問いかける。簡素な白いワンピースを身に纏い、少女の姿をした人形たちは、部屋のあちこちに散らばって、生気のない目で壁や天井を見つめている。
誰も私の問いには答えない。私を見ようともしない。
あなたはどう思いますか?
足を投げて、壁にもたれている人形に話しかける。
彼女の青い瞳の中に、私の姿が映り込む。私の姿が見えている、そのはずなのに、彼女は微動だにしない。ただ黙って、私を見つめ返すだけ。
何をしたらよいのでしょう?
地面にペタリと座り込む、別の子に喋りかける。
眠たげな瞳の中には、やはり私の姿が映っている。それでも、彼女は私の話を聞いてくれない。いくら話しかけても、私を無視し続ける。
話を聞いてくれません?
立ち尽くし、天井を見上げる人形に頼み込む。
直立不動で、見つめる視点は変わらない。彼女の目に映るのは電気の切れかかった白熱電球の光だけだ。
どうしたら、私に構ってくれるのでしょう?
手を上げて、ピシャリと頬をひっぱたく。すると彼女の頬が赤く染まり始める。それでもその子は動じない。……まだ足りない、もっと刺激を与えなければいけない。
彼女の首元に手をかけて、一気に締め付ける。息が詰まり苦しいのか、彼女は苦悶の顔をさらけ出す。彼女は手を伸ばし、私の両手を掴み取って必死に剥がそうとしている。彼女のその細やかな抵抗が嬉しくてたまらない。
ほら、やっぱり無視していただけじゃないですか。
どうですか。話を聞く気になりましたか。