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道を極めたおっさん冒険者は金が余りすぎたので散財することにしました。  作者: 空戦型


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34-8

 イミテーションドールを用いた作戦でこれほどまでに時間を稼げるのは、ハジメにとってもギューフにとっても僥倖であった。


 本来のイミテーションドールは数十分化けるのが限界のアイテムだが、それはダエグがドール購入を促す為の販売促進手段として寿命を短く設定しているに過ぎない。

 ギューフは人形に細工をすることで意図的に短く設定された効果時間を大幅に伸すことに成功していた。


「では、外を出歩いているギューフ王子は偽物塗れということですか?」


 オロチの問いにハジメは頷く。


「そうだ。明日の就任式典までの間、偽物は破壊されない限り本人として動き続ける。真偽を見分けるのは転生特典でも難しいらしい。だが戦闘能力は真似られないから見つけたら守るしかない」

「つまり、味方も本物のギューフ王子が誰なのかは分からないという訳ですな。仮に味方が敗れて情報を聞き出されても本物の場所は露呈しないものの、こちらも誰が本物かも分からないので全力で守るしかない。敵に目標を絞らせない作戦ですか」

「そういうことだ。ただ、ギューフから正式に依頼を請けたのは俺だけなので、ここにいる他の面々の直接参加は不可。オロチも身元が割れないよう偵察に徹してくれると助かる」


 ――ギューフがイミテーションドールとすり替わっていることが露呈する少し前、コモレビ村の面々はオルセラを加えて既に今後の予定について話し合っていた。

 フェオはいつの間にか進んでいた計画に胃が痛そうに呻く。


「古の血族のお家騒動に巻き込まれるなんて、パパとママが知ったらなんて言うか……」

「なら黙っていれば良いだろう」


 オルセラは既に暴れる気満々でストレッチをする。

 プロポーションの整った肢体が伸びて衣装の合間から肌が露出する様は官能的なまでに美しく、アマリリスとナルカが「おお~……」とガン見している。当のオルセラは見られたところで何も気にしないとばかりに首を回して筋肉をほぐした。


「争うのなら勝手に争わせておけばよいのだ。我としては貴様ハジメが我に付き添う方が煩わしい」

「依頼報酬が余りに魅力的で断り切れなかったんでな」

「ふん、兄上は何を約束したのだか……」


 と、壁にもたれかかっていたマイルが口を開く。


「俺も出る。狙撃手が部屋に籠もっていては話にならん」


 確かに正論だが、あくまでアマリリスの護衛である彼が部屋を離れてよいのかとハジメはアマリリスを見やる。

 視線に気付いた彼女は「遊兵にさせとくのは勿体ないしね」と肯定的だった。


「ときにハジメ、イミテーションドールはまだあるか?」

「あと一つ余っているが」

「くれ。もし途中で急遽必要になったら狙撃で届ける」


 多くは口にしないが、マイルはスナイパーだ。

 もしもの時には上手く使うだろうし、今のところ使う予定もないのでハジメは最後のドールをマイルに渡した。マイルはそれを預かると「恩に着る」と小さな笑みを一瞬だけ浮かべ、部屋の外へと早々に去って行った。

 手を振って彼を見送ったアマリリスは頬に手を当てて微笑む。


「マイルが笑うなんてめずらし~。ハジメったらいつの間に口説き落としたの?」

「最近は親しい相手には結構笑うぞ、あいつ」

「そっかぁ。きっとマイルにとっても村が大切な場所になりつつあるんだね。会ったばっかりの頃は自分が笑うことにさえ警戒してたのになぁ……」


 懐かしみつつも変化を歓迎するアマリリス。

 彼が本来辿る結末は何だったのかが少しだけ気にかかった。

 

 ギューフからダエグの元に向った偽物が看破されたと連絡が来たのは、それからすぐのことだった。

 オルセラは立ち上がり、ハジメもそれに続く。


「手近なギューフと合流する。オルセラなら位置は分かるな」

「命令するな。我の護衛なのだろう、貴様は」

「では補佐に徹するとしようか」


 引き下がるとオルセラは「すかした男だ」と鼻を鳴らし、部屋の外へと駆け出して行った。ハジメもすぐ追おうとするが、フェオの視線を感じて振り返る。


「ハジメさん」

「なんだ?」

「オルセラさんを守って、ギューフ王も守って、自分も守って無事に帰ってきてこその一流冒険者ですよ! どうせ行くならオルセラさんを惚れさせるくらいに格好良く活躍してきてください!」


 気持ちの良い笑顔でフェオはハジメの背を押した。

 冒険者らしい発破であり、やるなら後ろは気にせずやりきれという妻としての後推しであり、世界で一番信頼する相手への期待でもある。

 少なくともハジメはそう感じとて、悪い気がしなかった。


「惚れさせても怒らないでくれよ。故意ではないから」

「うーん、やっぱそのときは一発殴ります!」

「一発で許してくれる優しさが染みる」


 もちろんオルセラがハジメに惚れるヴィジョンは浮かばないのでネタの類と思って返すが、フェオの目がマジな気がした。


 ――ハジメが去って行ったあと、アマリリスが「新カプの予感……」と呟いたことに気付いたオロチが首を傾げる。


「兄弟愛に篤いのならハジメ殿と恋愛に発展する可能性は低いのでは?」

「甘いなぁ、甘々やオロチちゃん! ああいう相性悪そうな女の子に限って何かのきっかけで急にロマンティクスするもんやで!? 或いは弟みを感じて『どけ、我はお姉ちゃんぞ!』したり、逆に兄みを感じてお兄ちゃんちゅきちゅきになるかも!! つまり、どう転がってもオルセラちゃんのデレはご馳走なのだよッ!!」

「アマリリス殿のそういうとこ、ブンゴ殿とショージ殿に負けず劣らず病気ですぞ?」


 妄想に浸ってうへへと涎を垂らすアマリリスを尻目に、ナルカが「ただの妄想だから勘弁してあげてください」とフェオに謝罪し、フェオは「ハジメさん相手じゃないなら全然構わないんだけどねぇ……」とため息をついた。




 ◆ ◇




 ギューフが少し歩いた場所に、四人の近衛がたむろしていた。

 彼はその四人に鷹揚に手を振る。


「やあ、待たせたね」

「「「「ははっ!」」」」


 四人の近衛は一斉に膝をついて頭を垂れる。

 彼らはギューフが賄賂で口説いた近衛達だ。

 どれもこれも腕は立つが曲者揃いで、故にこそギューフの人心掌握術と札束、そしてハジメから借り受けた外の上等なアイテム等の手段でこちらに降ってくれた。

 彼らはギューフの護衛として彼の四方を固める。


「家族の為、種族の為! 命を賭してお守りいたす! その代わり約束守ってくださいね!」

「オルセラ様を追い出すだなんてとんでもない! あの御方を遠くからこっそりずっと見守り続けるのが我が生きがいだというのに!」

「外の酒飲みてえなあ!!」

「あ、勘違いしないでくださいね王。私はこの煩悩に取り憑かれた愚か者たちと違って普通に王じゃなくてダエグが金庫の中身全部握ってるのおかしくない? って思ったから決起に参加したんで」

「心強いよ。さあ、明日の就任式典まで徹夜で追いかけっこだ」

「「「「御意!!」」」」


 ――一方、別の方向に向ったギューフ(以下、ギューフ2と呼称)は壁にもたれかかっていた黒スーツの二人組と合流する。


「勇名轟くキャバリィ王国の将が護衛とは光栄だよ。リベル・トラット将軍。それに……親衛隊長ユーリ・チェザーレ殿」

「しくよろ~。ま、上手くやりますんで大船に乗ったつもりで。な、ユーリ! ……ユーリ?」

「あんの女王は絶対親衛隊長を便利屋かなんかだと思ってるだろ。なんで一番側に置いておく必要のある筈の親衛隊長を直で他所の国王の護衛に行かせるんだ。だいたいあの変態共はちょっとアトリーヌのこと甘やかしすぎじゃないのか。書類どんだけ書かせる気だというかもう俺が王みたいになりつつあるっていうか文官なんかアトリーヌより先に俺に確認取ってくるのが当然みたいになってるの本当にどうかと思うんだが……」

「うーん、ユーリ殿は苦労人のようですね。こっちのこと全然見てないで独り言をぶつぶつと。適切な休暇を与えた方がよいのでは?」

「それは否定しないネ。ま、いいストレス発散になると本人が割り切ってくれればコイツ無敵だから」


 事前交渉によって参戦した二人の将客。

 ギューフ2は二人のことは知らないが、キャバリィ王国がシャイナ王国に対する影響力を強めたいことと、二人が国内有数の手練れであることは知っている。

 このフランクな態度は余裕の表れだと感じたギューフ2は二人を頼もしく思った。


 ――合流する相手がいる一方で、誰とも合流しない者もいる。

 ギューフ3は隠匿性の高い特殊なローブに身を包み、簡易的な魔法によって足音を立てず素早く移動する。


(かくれんぼだなんて久々だなぁ。同年代では最強で、いつも最後はダエグが探し回ってたっけ。ふふ、9人もいるとこんなしょうもない手も試せちゃうのは面白いなぁ)


 完全に童心に返ったギューフ3の頭の中には、大人になってからもこっそりピックアップし続けた城の隠れやすいスポットや逃げやすいスポットが全て詰まっている。いつかスリサズにも実力を見せつけておきたいなどと思いながら、彼はと城内の闇に消えていった。


 ――されど、全ての策が功を奏すとも限らない。

 運悪く誰にも合流出来ずすぐに見つかってしまったギューフ4は、暫く逃走するも連携の取れた近衛の集団に追い詰められてあっさりと捕縛されてしまう。


「うーん、残念無念。わが志、ここに消ゆ……」

「煩いぞ偽物!!」


 近衛が槍の切っ先で貫くと、ギューフ4はイミテーションドールに戻っていく。

 が、槍を刺したた近衛を別の近衛がたしなめる。


「おい! 本物のギューフ王かもしれないのにいきなり刺すやつがあるか! 手荒になってもよいとは言われたが、せめて殴打程度で済ませろ! 古の血を床に零す気か!」

「そ、そうか。すまん。いやしかし、本当に本物がいるのか? 全て偽物だったり……」

「全員捕らえよと命令されたからにはそうすればよい! いいか、次にあんな真似をすればダエグ殿に報告するからな! 時によっては里落ちもあり得ると心得よ!」

「分かった、分かったから報告は勘弁してくれ!!」


 近衛達は次の目標を探して即座に駆け出してゆく。

 その様を、息を殺して小陰から見つめていたギューフ5はほっと息をついた。


(近衛たちも初の本格戦闘でよくない高揚をしているようだね。或いはこれも濃くなり過ぎた血のせいか……どうせ王に手は出さないなんて高を括るべきではない。他の私たちも上手くやっていればいいが)


 ギューフ5は、別の味方と合流するために足早にその場を駆け出して行った。


 全てのギューフは本人を中心に情報を共有している。

 他のギューフ達はいっそう警戒心を強めて味方との合流や避難を図るのであった。




 ◆ ◇




 ギューフ6は、自らに付き従う近衛を振り返る。


「では、頼んだよ君たち。外まで安全に出る事が出来れば無駄な争いも必要なくなる」

「左様でございます、長よ!」


 彼らは近衛のなかでも即金を求めて寝返りを了承した者たちだ。

 彼らの護衛プランは、近衛に囲まれて正式に城を出て外で一夜を明かすというもの。ダエグの妹であるイースの索敵範囲は城の中でのみ高い効果を発揮するし、場外乱闘になればダエグもリスクが付きまとう。


 よい作戦だ、と、ギューフ6は思う。

 彼らがそのまま外の戦力と共に保護の名目でギューフ6を拘束しないならば。

 ギューフ6は内心落胆を禁じ得なかった。


(絶対に無理なの、分かってるよね。だってイースは城の出入りを完全に把握出来るんだもの。まいったな、いくら身の回りの世話が人任せだからって、王って近衛にも間抜けだと思われているのか……)


 この近衛たちが即金を要求したのは、ギューフ6をこのまま拘束して受け取った金を懐に入れつつ手柄を立ててダエグからも利益を得るという一挙両得を狙っていると思われる。

 残念ながら、彼を取り巻く近衛達は欲深な裏切り者の可能性が極めて高い。


 ギューフ6も他人の心が読める訳ではないので決め付ける気はないが、だとしても本気で上手く行くと思っているなら彼らはただの間抜けだ。

 そしてギューフ6もただ無駄に捕まる為にここに立ちはしない。


()のこともある。()()から魔力も多めに蓄えて貰った。少しばかり古の血族としての威厳というものを見せつけなければね……)


 ギューフ6はそのまま城の外に出る。

 今現在、城の内部は一種の異界と化しており、内から外には出られてもその逆はいくつかの例外を除いて出来ない。

 そして異界の境界線は、当然イースが完璧に把握している。


 案の定、城を出た瞬間にギューフ6を待っていたのは外に配備された近衛とエルフの戦士たちだった。

 既にダエグから情報が回っているのか武装して包囲している。

 戦士は口々にギューフを責めるように叫ぶ。


「里を貶める長は長に非ず! どうかお考え直しを! でなければ、我らは……!」

「然り! 賢明なる最長老の忠言を閑却するのはおやめくだされ!」

「我らは今のままでよいのです! 変化など望まない! 純血の民の声に耳を貸すおつもりがないのですか!」


 浴びせられる言葉に、新王への信頼は欠片もない。

 これがエルヘイム自治区の現状で、現実だ。


 人は、真実など求めてはいない。

 未来の事など考えたくはない。

 自分たちの信じたいものだけを信じていたい。

 ゆっくりと沈んでゆくゆりかごの中で、まだ心地よくいたいと留まり続ける。 


 しかし、それでは彼らは滅ぶのだ。

 だから、オリジナルギューフは選び、ギューフ6もそれに殉じる。


「君たちの声はしかと聞く。しかし長とは従う者ではなく選ぶ者。私は私の思い描くエルフの未来へと歩みを進める。たとえ民に希代の愚王と誹られることがあろうとも、誰かが決断せねばならぬ時が来ているのだ」


 堂々たる宣言に対して向けられた目は、怒り、悲しみ、苛立ち、 辟易、敵意――相手を否定しようとする感情の嵐だった。

 彼らは誰一人としてギューフ6を見ていない。

 彼らは連綿と続いてきた古の血族の血筋しか見えていない。

 ギューフ6はそれに付随する生体パーツに過ぎないとでも言うかのように。


 そんなにもギューフ以外に求める王がいるのなら、自らで選べばよいのに。


「さあ、諸君はどうする。邪魔で物わかりの悪い王を打ち捨てて、古の血族の中から物わかりの良い子が育つまで待ってみるかね? 血族であるからといって正しい訳ではないというのなら、血族の正しさを否定するということだ。我らを追い出して民主主義の道を歩む選択肢も君たちにはある」

「それは……反乱、いや革命ではないか!」

「なんと恐ろしいことを口になさるのだ……」


 突然突きつけられた選択肢に今更になって面食らう戦士と近衛たちに、ギューフ6は啖呵を切る。


「諸君等が選ばぬのなら私はゆくぞ。同じ血族との戦いが待っていようとも、殺しも追放もせぬが悉くを押し通ろう。嫌ならば排除してみせよ。エルフの長大なる歴史を心より切り離し、血に依らず己の足で立ってみせよッ!! 覚悟なくして王を止められると思うなッッ!!!」


 気圧された何人かの剣士が尻餅をついた。

 彼らに取っては滅茶苦茶な要求だ。

 血の連なりがあってこその純血エルフにとって、それは追放に等しい。


 しかし、はぐれエルフと呼ばれるエルフの血筋たちにとっては当たり前のことだ。当たり前の日常だ。彼らは血族への敬意を忘れてはいないが、血族の決定と関係のないところで関係を築き、生活している。


 彼らにその覚悟はなく、故に、逃げに走った。


「騙されるな! これは偽の王だ! 小突けば呪い人形になる幻の戯言を真に受けるな!」

「そ、そうか……そうだった! 偽物が、我らの王がそのような軽々な判断を下す筈がないのだ!」

「悪魔め! 王の姿を辱めるなど断じて許せぬ!」


 イミテーションドールは本人と同じに振る舞う。

 考え方も出る言葉も全て本物と瓜二つだ。

 彼らもそのことを頭の片隅では分かっている。

 しかし、その小さな理性を覆い隠す屁理屈のような正当性があれば、人は容易にそちらに飛びついて理性に蓋をする。


 王に気圧された者たちの取った手段は、本質から目を逸らして言葉遊びで自分の正当性を補強することだった。

 失望はない。

 ただ、ほんの少しだけ彼らを信じたかっただけだ。


「……誰もが強くはない。君たちの弱さを私は許そう。だが、弓引いたことの意味は知らしめねばならない」

「偽物め、覚悟ぉッ!!」


 戦士の放った矢が躊躇いなくギューフ6の脳天に迫る。

 しかし、矢は突如としてギューフ6の足下から突き出た巨大な木の根に阻まれる。

 木の根は次々に足下から出現して近衛を不意打ち的に弾き飛ばすとギューフを中心に絡み合い、根から更に根や葉を生やして瞬く間に大地を揺るがして肥大化する。


『まこと勝手なことながら、諸君等の覚悟の程を長自らが試すこととする――古の血族の秘技を照覧するがよい』


 そこには、全身から軋む音を上げながら唖然とする彼らを遙か頭上より見下ろす樹木の大蛇がいた。

 自然界に生きる生物の息吹すら感じ取れる、魔法で生成されたとは到底信じることの出来ない圧倒的な存在感は、古の血族の成せる業か。

 尾の一振りで民家を吹き飛ばせる程の巨躯がうねり、鎌首をもたげる。光が届かず夜の闇に混ざる頭頂部は、不気味に光る魔力の双眸だけが爛々と輝いていた。


『さあニーズヘグよ、戦士の勇気を試せ』


 ニーズヘグと呼ばれた樹木の蛇が巨大な顎門を開くと、その中に無数の魔法陣と魔力光が迸る。

 先ほどまで偽物だなんだと好き放題に叫んでいた戦士たちの白い顔から更に血の気が引く。お飾りの王の更に偽物などと高をくくったことが大きな間違いであったことに、彼らは今更になって気付いた。


「う……うわぁぁぁッ!!」

「この魔力濃度、この規模、ありえない……これが古の血の成せる業なのか!?」

「ダメだ、散れ、散れぇッ!! 密集していては――」

『いささか遅すぎるな』


 白熱した魔力が閃光となって戦士たちに降り注ぎ、大地に着弾すると同時に爆発。

 衝撃と膨大な魔力の奔流に包囲陣形は一瞬で総崩れになった。

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