第2話 私とエルナの、割とよくある朝の一幕
今回はメインの我慢開始まで長いので、ジャブを少々
『あ、ありがっ、とうっ、ござ、ございっ、ますっ』
どうしよう、どうしよう。
『どうなされました? 皇女殿下?』
『い、いえ、なんでも、ありま、うぅっ!? ありま、せん』
どうしよう、どうしよう。
『アリア?』
『具合でも悪いのかい?』
『だ、だいじょうぶ、ですっ!』
どうしよう、このままじゃ。
『無理をしてはダメよ?』
『では、皆に一言だけ貰ったら、それでしまいとしよう』
『は、はひぃ……!』
このままじゃ、私……!
『ほ、ほんじつはっ、わ、わたしのっ、ためにっ、た、ため、ためっ、たっ……ぁっ』
――ジョロロロロッ!ジョロロロッ!ジョオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!
――――――――――――――――
「っっっっ!!!?!?」
声にならない悲鳴を上げて、私は飛び起きた。
「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
目の前には見慣れた壁、見慣れた家具。
エルナが『デザインだけでも同じのを』と言って買うことになった、フリフリのシーツ。
夢……夢だった。
「はぁ…………っっ!!?」
体が起き始めたせいか、突如湧き上がる重苦しい感覚に、私はベッドを飛び出した。
あんな夢を見て、下着を濡らしていないのは、本当によかった。
が、濡れていないと言うことは、それはまだ、私のお腹の中にあると言うことになる。
一晩かけて溜め込んだ、大量の小水が。
慌ててトイレに走り、扉のノブを回す――が。
――ガチャッ、ガチャガチャッ
「ん? アリア、起きたの?」
非情にも、トイレには先客がいた。
「エ、エエ、エルナっ!? あのっ、私っ、私っ!」
「すぐ出るっ!」
私の声から窮状を察してくれたのだろう。
中から聞こえる水音が、一層強くなった。
「あっ、あああっ、早くっ、エルナっ、は、は、早くぅっっ!!」
「もうちょっとだけ我慢してっ!」
私は震える手で、パジャマと下着を脱ぎ捨てる。
もう、中に入ってから脱いでいては間に合わない。
中にいるのがエルナでよかった。
彼女かロッタ相手でなければ、こんな大胆なことはできなかった。
「ああああっっ!? もうダメっ! 私っ、もうダメっっ!!」
「出るよっ! 離れてっ!」
気心知れて、私の『弱点』を誰よりも知ってる、一番付き合いの長い親友。
扉を開けた彼女もまた、生まれたままの下半身を晒していた。
音がなかったから、流してもいないのだろう。
一秒でも早く私が入れる様に、全てを置き去りにしてくれのだ。
「ああああぁぁああぁぁああぁぁっっっっっっ!!?!?!?」
小水が、出口に向けて駆け下る感触。
もう、止められない。
待って、まだ、もう少し。
ジョビィィィィィィィィィィィィィィィッッッッ!!!!
「ああぁはあぁああっっ!!」
間一髪、部屋を汚すことは避けられた。
が、便器を跨ぐ前に飛び出した小水は、トイレの床を水浸しにしていく。
背後でエルナが扉を閉めてくれる気配を感じながら、私は飛びつく様に便器にしゃがみ込んだ。
そして、ようやく、全ての力を抜いた。
ジュビイイイイイイイイイイイイイィィィィィッッッッ!!!!
ジョババババババババババババッッッッ!!!!
「ああぁああはああぁぁああぁっっっ!!! くぅうううぅぅうぅっっ!! いいいぃぃいいいいぃいいぃっっっ!!!」
快感が、涎と共に口からこぼれ落ちる。
気持ちいい、きもちいい。
なにも、かんがえ、られない、きもち、いい。
どのくらい、そうしていただろうか。
最後の一滴まで出し尽くした私は、改めて周囲の状態を見渡す。
勢いが強すぎたのか、便器もその周りもびしょ濡れ。
そして、一段降りたところの床は、一面水溜まりになっていた。
「エ、エルナ……その……」
「はぁ……一緒に掃除してあげる」