↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
86/104

道場訓 八十六   勇者の誤った行動 ㉘

 長くて深い地下への階段を下りたあと、俺はそのままソドムたちの後をついていった。


 その後、ある場所へと辿り着いた俺は大きく目を見開いた。


「ここは闘技場なのか?」


 口に出しては見たものの、円形のリングを見る限りではそうとしか思えない。


 しかも円形のリングの周囲には、奈落の底へと通じるような穴が空いている。


 それだけではなかった。


 左右の穴の上には鳥籠のような檻が吊り下げられ、その中には人間が入っていたのだ。


「そうだ。ここは一部の富裕層たちに人気の闇試合(ダーク・バトル)の闘技場さ」


 闇試合(ダーク・バトル)


 聞き慣れない言葉だったが、表の闘技祭(とうぎさい)とは異質なことはすぐに分かった。


 まず観客たちの熱狂振りが半端(はんぱ)ではない。


 今も円形のリングの上では二人の男が死闘を繰り広げているのだが、まるで自分たちも闘っていると思わせるぐらい観客たちも沸きに沸いているのだ。


 中には周囲に大量の(つば)を飛ばしながら叫んでいるジジイや、顔を紅潮させながら自分の股間を(まさぐ)っている女など普通の観戦の仕方ではなかった。


 などと俺が異様に興奮している観客たちを観ていると、ソドムとゴモラは「おい、行くぞ」と冷静な顔で声をかけてくる。


「ここはあくまでも催し(イベント)会場だ。俺たちには関係ない」


 そう言うとソドムとゴモラは別の場所に向かって移動する。


 まあ、俺もこんなところに用はねえからな。


 俺は円形のリングから視線を外し、ソドムとゴモラのあとを追った。


 やがて俺たちは奇妙な場所へと辿(たど)り着く。


 そこはあまりにも異質な空間だった。


 頑丈な石の壁で四方を覆われたその部屋には、非常に珍しい硝子張(ガラスば)りの奇妙な(つつ)が幾つも並んでいたのだ。


 しかも硝子張(ガラスば)りの奇妙な(つつ)の中には、黄緑色の液体で満たされていて人間と動物が融合(ゆうごう)したような奇怪(きかい)な生物が入っている。


 現存している亜生物や魔物とはまるで違う。


 まさに不気味としか言いようがない新生物の姿がそこにはあった。


「こいつらは実験体に使われた元人間だ」


 俺の疑問を(さっ)したのだろう。


 ソドムは新生物――もとい元人間たちを見つめながら(つぶや)いた。


「魔人の……新魔薬(ウロボロス)の実験に使ったってことか?」


「よかったな、元勇者さんよ。お前さんの適合率(てきごうりつ)が低かったら、この実験ポッドの中にいる連中の仲間になるところだったんだからな」


 そう答えたのはゴモラだ。


 俺はゴクリと生唾(なまつば)を飲み込んだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

読んでみて面白いと思われた方、是非とも広告の下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にさせる評価ボタンがありますので、ブックマークの登録とともにこの作品への応援などをよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。