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HUNTER・GIRL  作者: 一理
ワンステップアップ
23/57

新しい力

 ハンター協会内部。

 割と平然とこうも進んでいったが、ここまできても誰もいないことにはさすがに疑問しか浮かばない。

「なんで誰もいないんだ?」

 サキのコメントに、みつこは手を打った。

「町が魔物で騒いでるから全員活動してんじゃない?」

「アタシら何しにここ来てるんだっけ」

「会長倒すためっしょ?」す

 ヤスコが首を傾げた。

「なあ、さっきもここ通らんかった?」

「そう?」

 リィシャが首を傾げた。サキが、そういえばと振り返る。

「何も考えずに前進んでたけど、会長室のある場所、誰が知ってんだ?」

「え? リィシャが知ってんじゃないの?」

「知らんよ?」

 沈黙が降りる。

「じゃあなんで先頭きって歩いてんだよ。ひっこめバカ」

 みつこがリィシャに噛みつけとロアに命令した。

 命令に忠実なロアはリィシャに噛みつく。

「いってえええ!」

「もっと噛め。えぐってしまえ」

「そこまでにしてや……」

 ぱか。

「「「「え?」」」」

 リィシャの足元があいた。

 こんなところに罠?

「ぎゃあああ」

 運動神経の良いはずのリィシャが頭から血を流しながら、ロアに噛まれたまま落下していった。みつこは叫んだ。

「ロアー!!!」

「そこかよ!」

 追いかける前に床は元の姿に戻った。

 防犯避けではないだろう。敵もこちらに気が付いているようだ。

 改めて気合を入れ直し進んでいく。

 リィシャを助けに行くという選択肢はないようです。


「お、案内板があるよ」

 会長の部屋を探す。 

「建物の一番高いところにあるらしいな」

「みたいやな……ん?」

 ちっちゃい海里がヤスコの手から飛び降り、大きくなった。

「どないしたん?」

 壁が粉砕した。

 海里が壊したのかと思ったら、そこから蟻の顔をした毛深い蜘蛛が現れた。

「蟲のダンジョンの中級ボス。アグモじゃん!」

 みつこがロアを構えようとして、ふと気が付く。

「ロアいないじゃん!」

 忘れていたようだ。

「お前は引っ込んでろ。ここは俺が……ッッ!?」

 アグモが粘着的な糸を吐き、道をふさいだ。

 その際ヤスコと分離させられた。

「あいつ、美少女チョイスしたのか……だったら、サキが一人になるべきなのに」

「ヤスコ! ……って、みつこお前何気失礼なこと言ってないか!?」

「うちは虫とばっか戦わないかんのか。ふうやれやれ」

「知らねえけどお前らなんでそんな余裕なんだよ。……くそ、ライ!」

「サキ、たぶんこの糸魔法効かないと思うよ」

 ライを武器化して構えたサキに、みつこはハンター協会執筆の魔物辞書を見ながら言った。

 ヤスコの声が聞こえた。

「ええよ。先に行ってきな」

「珍しい」

「うち帰っとくけん」

「「……」」

 まぁ、無事ならいいんだけど。

 みつこはよし、とサキの肩を掴んだ。

「サキ行こう」

「いいのか?」

 不安そうにもしながら、結局進んでいくこととなった。

 後ろでトライアングルの音が響いた。

「?」

 すごい爆音と爆風がみつことサキを襲った。

「うわっ!?」

「ぐふ」

 その際みつこは壁に頭を打った。

 遠くからヤスコの声が聞こえた。

「ごめん~うちの『真の武器』誤射した」

「アイツの武器何か知らんけど、すごい破壊力だな」

「しかも誤射っつった? 誤射って怖い」

 さらにふさがれた戻り道を振り返ることをせず、進んでいく。

 と、道がなくなった。

「行き止まり?」

「そんなバカな」

 サキは壁に手をふれた。と

 ぐにゅん。

「うげ、これロード社開発『フェイク・ホールド』だ!」

「何それ」

「見ての通りだよ!! 一見なんもないようだけど触ったりつかんだりしたら抜けなくなるんだよ!!」

「ださぽ」

「てめえええええ!!!」

 サキを掴んで後ろに引っ張れば『フェイク・ホールド』も動いた。

「あれだね。『扉のない扉に取っ手をつけました』ってだけの話だね。手なだけに」

「なんにも捻ってねえよ! 罠にはまったんだよ。アタシが。早く助けろ」

 みつこはサキの肩を掴んで、親指を立てた。

「健闘を祈る」

「お前ぇええええ!!」

 サキを置いて先に行く。

 あのねばねばをとる方法思いつかなかったし、触ったら二の舞になるのなら手の打ちようがない。

 ロアいないし。

 あとはもう一本道でただ進んでいくだけ。

 奥に突き進めば、他の扉とは打って変わって違う立派な扉が見えた。

 こんこん、ノックをする。

「返事がない、ただの居留守のようだ」

 みつこはそう言いながら扉を蹴っ飛ばした。

 飛んで行った扉は部屋の中で転げ、廃棄物と化す。

「……斬新な入り方だね」

 社長椅子に座っていた人物が振り返る。

 彼が、レン・ワールゾ

 本の中でしか見たことない人物を前に、みつこは物おじせず偉そうに言い放った。

「その座から退いてもらおうか」

「何故だい?」

「え? あぁ。……普通に返されたら困るわ」

 レンは立ち上がり、手を上にあげた。と、どこからともなく大きな鷹が現れ、彼の腕に止まった。

(鷹かっこいいー……)

 姿を変え、杖に変わった。

「魔法型……」

「そういえば、君も魔法型だったね」 

 杖を向けられた。

「魔法属性はけっこう居るんだけどね、こういう風に僕や君みたいな魔法属性は少ないんだ」

「知ってますけど」

 それが何か? と思っていると彼は微笑んだ。

「せっかくの希少なタイプを身につけているんだ。そして僕はトップだろ? いらないんだよね」

「ん?」

「僕以外の魔法属性はいらない。希少価値が減るじゃないか」

 杖を振る。

「魔法『降り注ぐ刃』……篠突く雨」

 その名の通り、槍やら矛やらが雨の様に飛んできた。

 みつこは「ロア!」と叫んで気が付いた。

「ロアいないんだった!!!」

 いるのが当たり前だと思うとダメだな。

 みつこは急いで回避した。

 避けきれないと思った武器は低レベル魔法の結界ではじけ飛んだ。

「!?」

「なかなか素晴しい防護服を身に着けてますね」

「ロード社製フードが役に立った!」

 お高いだけある! 金払ってないけど。

「魔法『降り注ぐ刃』……怒号の洪水」

 杖を振り上げると。今度は上からハンマーや槌、メイスなどが洪水のように流落ちてきた。

 これはえぐい。

 みつこは急いで別の部屋に転がりこんだ。

 そして自分の失敗に気が付く。

(しまった! サキのところに戻ればよかった)

 まだ罠にはまってるかもしれないが、あれを利用すればお互い効率よかったかもしれないのに

 別の部屋に入ることによって自分から袋小路になってしまった。

「回避力はなかなかのものですね……ではこれはどうです?」

「さっきから魔法というか武器召喚じゃん」

「召喚術も立派な魔法ですよ……『切り裂く刃』鎌鼬」

 斧や、鎌、短剣などが回転しながら襲い掛かってきた。みつこは机の下に隠れたが、斧が刺さるたびに削れていく。

(おおっふ!?)

 このままでは見るも無残な肉片になってしまう。

 どうすれば……え?

 みつこはふと窓に目を向けると、白い碧い眼の猫がこっちをみていた。

 こんなときだけど

「かわええ」

 がっしゃーん、窓が割れた。

 猫がびっくりして転がり落ちてきたのをみつこはキャッチしてソファーの後ろに隠れた。

(あの武器を召喚する魔法で一回で出せる武器は一種類につき百。出した後は自動で消えるから、それを利用して武器として扱うのは無理)

 そして、油断か、情報整理か、魔力の生成か。魔法を出した後三分は魔法を使わない。

 勝機を見出すなら、この三分だけど。

 にゃー。

「?」

 猫がごろごろいいながらみつこの手を甘噛みしている。

 いや、可愛いんですけどね。いまそれをしてる場合じゃ

「……お前、もしかして」

「にゃーん」

 

「どうしました? もう御終いですか?」

 レンは武器を構えながら笑った。

 何故パートナーを連れていないか不思議なところではあるが、おそらく最初の罠にかかったのだろう。

 なぜ本人だけ居るのかやはり疑問だが、様子を見る限り策というわけではなさそうだった。

「レン・ワールゾぉぉおおお!!」

 みつこは走り出した。

(自暴自棄ですか、いいでしょう)

 杖を振り上げた。

 そのバカさ加減に答え―――殺してあげましょう。


「魔法『裁きの刃』正義の漆喰」

 ソード、剣、刀がみつこを襲う。

 みつこは叫んだ。

「大小魔法!!」

 剣が小さくなった。針ほどのサイズになった剣は当たっても大してダメージを与えることはできなかった。

 レンの目に困惑の色が揺らいだ。

「しまった……だが、丸腰でこの僕に勝てるとでも!?」

 レンは持っていた短銃を取り出しみつこに向けた。

 みつこはにやりと笑った。

武器化・・・

「!?」

 みつこの腰にくっついていた子猫が武器化した。

「盾!」

 発砲するも盾に弾かれた。そのままみつこは突進し、レンに体当たりした。

 盾によって加えられた衝撃に耐えることができず、レンは倒れこんだ。

 相方タカを片手に持ち上げ、みつこは盾を持ちかえた。

「『change』」

 盾から剣に姿を変えた。

「! ……なるほど。『多種変化型武器』でしたか」

 稀にいる、固定の武器ではなく、多種多様の形を変化できる動物。

 まさかこのタイミングで、このような形で目にすることになるとは

 レンは笑った。

「お前の相方はこの通り、丸腰も当然。……降参しろ」

 みつこの言葉に、レンはやれやれと首をふった。

「お断りします!」

 彼が手をかざすと、みつこは全身が痺れ動けなくなった。

「僕の『真の武器』時を止める能力ですよ」

 ゆっくり立ち上がると、みつこから相方を奪い取り、少し離れた。

「長時間止めれないのが、難点ですけどね」

 武器を構えた。

「―――くっ」

「さようなら」

 魔法が放たれた。

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