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灰色ノ魔女  作者: マメ電9
第一章 灰色から虹色世界へ
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第五話 便り飛び トトー

あれからどうなったかって?

ふふ、あなた方のお考えの通り、たっっっっっっぷり叱られました!!!


説教の内容はこうだ。

蝋燭を灯すのに下級精霊で十分なのに、中級精霊を呼び出すなんて阿呆か!魔力の調整が下手くそだからサラマンダーを呼び寄せたんだ!暫く魔力の練習をしろ!!


との事・・・知らんがな!!!!

サラマンダーが中級精霊なんて知らなかったし!まず今日初めて魔法使ったんだからしょうが無いでしょ!

後、ルークの説明不足が問題でしょーが!!!


幸い仕事場は結界を張っていたらしく、何かが壊れるような事は無かった。


その後、私は暖炉の前のソファーで魔力調整の練習。ルークは何か思いついた様で、部屋に閉じこもったまま出てこない。


 まぁ、これからまた爆発なんか起こしたくないし練習しますか…気は進まないけど。


 しかし、この練習が困難を極めた。

内容はこうだ。まず目、手、足等に魔力を集めます。すると、ポワっと光が集まってきて、それをひたすら魔力量を維持させます。


 私の場合これが苦手なようで、一時は集中できるものの、魔力量は膨大に膨れ上がるわ、すぐに光が分散して消え去るわで上手くいかなかった。


それでも頑張ること1時間・・・



進歩は・・・・・・ZERO!!


「もー!やめやめ!やーめー!」

ちょっと休憩・・・っと休みを入れたところで、外から何かが走ってくる音と声が聞こえた。


「旦那ー!ルークの旦那ー!来ましたぜーー!」

その声は玄関へと向かっていく。

そして鳴り響くチャイム。

しかし、ルークは降りてこない。


「旦那ー?寝てるんすか?入りますよー!」

声の主は、そのままズカズカと家に侵入してきた!そしてシロナの居るリビングに向かってきている。


 えっ嘘勝手に入ってきた?!え、どうしよ?!

パニクっている間に、その扉は開かれた。


ガチャ


「もうルークの旦那、急ぎの用ってなんで・・・」


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

沈黙が広がる。


あぁ、死んだ、終わったわ私の人生。


そいつの見た目はデカいトカゲで、帽子にベストに手袋、あと大きな鞄を肩から下げていた。

襲われたらひとたまりもない。

しかしその沈黙を破ったのはトカゲの悲鳴が先だった。


「ああああああああああ!!」

「きゃぁぁぁぁあああああ!!」

それにつられる私。


「ななななな、何で人間がここに居るぅーっ!さ、さては、ルークの旦那を討伐に来たんすねー!」


「はっ?!あんた何言ってんの違っ」

訂正しようとしたが、話を聞かない。


「くそー!人間めよくもルークの旦那をっ!旦那の仇!オイラがとってやるー!うおおおお」

と、トカゲが咆哮したところで、ルークがトカゲの背後に登場し頭を思いっきり殴った。

 ゴンッっと鈍い音が響く。


「くぉっ!?イッテェー!」


「ったく、何他人の家で騒いでる。トトー」

 そのトカゲはトトーとい名前で、ルークが家に呼んだらしい。トトーは頭を押さえながら振り返る。

「だ、旦那!生きてやしたか!!いや、もしや幽霊・・・」

「ほう。まだ殴られ足りないらしいな」

 指をポキポキ鳴らすとトトーは冷や汗を噴かせた。

「はははもう旦那ったら~冗談っすよ~もう~」

 明らかな作り笑い。それを超警戒モードでジーっと見つめるシロナ。なんだこいつ・・・


「シロナ、怪我は無いか?」

「う、うん」


 私とルークのやりとりを見たトトーは不思議そうにルークに訊ねた。

「旦那、この人間どうしたんすか。食用?」

 こいつ!(怒) 腹が立った!勝手にズカズカ入ってきて驚かした上に更に食用だと!

きつい一撃をお見舞いしてやる!

 そして私はソファーからジャンプしてトトーの上半身に飛び蹴りをくらわせた。

「ぐほぉっ!!!何じゃこの人間!!やんのかー!」

「ぐるるるるぅぅ・・・」

「ヒッ、旦那!こいつ唸ってきやがるんすけどーっ」


 大きい大きい溜息をこぼすルーク。そして今までの経緯をトトーに説明し、ようやくこの場を落ち着かせた。

「ふんふん。なるほど、そういう事だったんすね~チロルちゃんも大変だったな~」

「シロナだ!」

どういう間違え方するんだ、このトカゲ!

「それで?この【便り飛び】を呼んで何を届けさせる気だったんですかい?」

「あぁ、この手紙をエレティナに届けてほしい。至急に」


 ルークがトトーに差し出したのは赤い印の入った手紙だった。その赤い印には届けたい人の魔力を刷り込んであって、その匂いを辿ってトトーが届けるらしい。そう、トトーは郵便屋だったのだ。

「ルーク、この手紙は?」

 何となく、その手紙の内容は私が関係していると、そう予感した。

「シロナ、お前のその魔力はきっとお前自身では制御できない。だから代わりに制御してくれる道具をこの宛名の奴に持ってきてもらう」


 エレティナ・・・そう言ってた。何者なんだろ。その答えはトトーが答えてくれた。

「エレティナって女は店をしててな!最近じゃ若いのを店番させて、本人はブラブラ歩き回って商売してるって話で、普通に探してちゃ見つかんねぇんだよ。まっ、オイラに任せてもらえりゃ一瞬でこの手紙届けてみせるがなー!」


「それじゃ、頼んだぞトトー」

「あいよ!旦那!」

 トトーを外まで見送り私たちは中に戻った。

部屋で何かしてると思ったら、手紙を書いてたんだな・・・私の為に・・・

何だよ、良いやつかよ。


ジーっと見つめていると、何?と聞かれたので瞬発的に、何でもない!と答えてしまった。


「なぁルーク、その、魔力制御の道具ってどんなのなんだ?」

「そうだな、基本的に多いのは魔法使いがよく使ってる杖のタイプだな。でもあれは気休め程度だ」

 あ~昔絵本とかで見たなぁ~木でできてるやつ。

「他にもピアスだったり、ネックレスだったり色々あるが、エレティナに選んでもらうのが一番だ」

「エレティナね。仲いいんだ」

「・・・・・・昔から仕事でな」

 少し暗い顔をするルーク、私は何かいけないことを聞いてしまった気がした。

そうしていると、またバタバタと走る音が森から聞こえてくる。


「旦那ーーーーーーー!」

トカゲだ。

「トトー早かったな、どうだった」

「へへ、ちゃんと届けましたぜぇ!でっこれが返信っす」

 トトーから手紙を受け取り早速中身を読みだした。

「えーと何々。ごめーんルーちゃん今店から出られなくてそっちに行けないの、悪いけどルーちゃん達が店に来てくれないかしら♪よろしくね♡   エレティナより」


「・・・・・・・・・・」


このエレティナって女の店。その店がある場所は人間が簡単には入れない所にあるらしく、運よく入れても魔物に命を奪われるらしい。そう、そこは魔物の巣窟。


名称【魔物の国】だそうだ。


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