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灰色ノ魔女  作者: マメ電9
第一章 灰色から虹色世界へ
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第十五話 すれ違い

シロナ達が家に帰った頃、ジェイトは魔軍総本部にある、姉の騎士団長執務室の部屋の前に来ていた。

例の魔物の件で姉に呼び出されていたのだ。


昔は仲が良かった。

けど、とある事件がきっかけで姉は人が変わったかのように力を求めたが‥‥俺は、その力の使い道を認める事が出来なかった。


それからの関係は何処と無くギクシャクして、必要最低限にしか顔を合わすことが無くなった。


そうこうしている内に、姉は立派な騎士団長様に。

俺はフラフラしてるフリーターって訳なんだが‥‥。

正直会いたくない。


まっ、このまま例の件を放置する訳にもいかないしな‥‥腹くくるか。


俺は、覚悟を決め扉を開けた。

中に入ると姉のスカーレットが椅子に座って待っていた。


その見た目は、赤の長髪をポニーテールにし、騎士団長の証である上着を腕を通さず肩にかけて、腰には片手直剣がぶら下がっている。


俺と姉は血の繋がった姉弟。

人と魔物のハーフ。

だから俺の耳は獣耳っぽいけど、姉は何処からどう見ても人間にしか見えない外見をしていた。

しかし、ハーフである事に変わりわない。

その魔力は並の魔物以上の持ち主で、俺なんかよりよっぽど魔物らしかった。


「遅いぞ、約束の時間を5分遅れている」


そしてこの姉、気が強い。


「俺が遅いのはいつもの事だろ‥‥それより、あの魔物どうだった?」


さっさと用件だけ済ませて帰りたい。

すぐ本題を投げた。


「あぁ、早速研究員達に調べさせた‥‥。ジェイト、あの魔物は魔物では無い」


「は?どういう事だよ。なら人間だって言うのか、あの見た目で?そりゃ無いだろーよ」


「そうだ、人間でも無い。だから調査の結果何もわからなかった。確かに見た目だけで判断すれば魔物だ。しかし問題はその魔力。ベースは人間の魔力みたいだが、それに上乗せされたかのように魔物の魔力が混ざっていた。私もハーフを疑ったが‥‥根本的に違う」


「俺達の魔力は人と魔物の魔力が混ざり合い同調する。だったか?」


「でもあの魔物は違う。同調どころか2つの魔力が反発し合っていた‥‥。話をしようにも、理性がぶっ飛んでいて会話にならない‥‥。ジェイト、あの魔物とはどこで会った?」


ある事件がきっかけで、姉は変わった。

だから、俺は嘘をついた。


「‥‥イヂラード街の路地裏だ。俺が仕事で近道してたらバッタリな〜。まったく運悪いぜ」


「‥‥‥‥お前1人か」


俺の嘘を見抜いたところで本当の事を言わなければ、それでいい。


「あぁ、そうだ。俺一人だった」


姉は分かっていたのだろう。

俺が嘘をついていることに。

でもこれ以上しつこく聞いてくることは無かった。


ハァと溜息をこぼし、足を組み直す。


「分かった‥‥そういう事にしておこう。‥‥‥‥ジェイト、やはり魔軍に入るつもりは無いのか」


「無いよ。俺は人間を殺したいほど憎んでないんでな‥‥姉貴とは違う」


少しカチンときたのだろう。

姉は俺に鋭い眼光を放ってきた。


ヤベッて思った俺はその場を退散する事にした。


「じゃそういう事だ。また何かわかったら教えてくれよ」


そう言い捨てて部屋を出た。


外を見るともう真っ暗だ。


ルークとシロナ無事帰れたかな〜

明日あたり顔出しに行くか‥。

それにしても姉貴にシロナの事バレなくて良かった。

もしバレでもしたら多分ヤベェだろうな、はは。


‥‥‥‥シロナが言っていた魔女‥‥。

やっぱ何か関係があんのか‥‥。

あるとすればどんな?

実は元始の魔女は存在してました的な?



‥‥いやいや、流石に無いか。

あれはおとぎ話、子供に読み聞かせる程度のもの。

有り得ない‥‥絶対に‥‥


だいぶ考え込みながら廊下を歩いていたみたいで、背後に迫る気配にまったく気づいていなかった。

肩をぽんと叩かれてようやく気づいた。


「ジェイトくーん。なーに難しそうな顔をしてるんですか?」


「えっ?!な、もぉ〜なんだモノジィかよ。脅かすなよなぁ」


名前はモノン。

肩を叩いてきたその人は、見た目はシロナと変わらない年齢の魔導師風の服を着た、長髪の男の子‥‥。

なんだが。


この人、俺がガキの頃からその容姿は変わらず、見た目によらずかなりの年寄りらしい。

人間と変わらない外見だが、そんな長生きする人間などこの世にいない。


色々物知りで頼りになる人だ。

姉貴の右腕なんて呼ばれてたりする‥‥。


「ブツブツ言いながら歩いてたけど、何かあったんですか?」


この人にならシロナのこと相談できるかもしれねぇ‥‥聞いてみるか。


「あぁ、実は今日謎の魔物に襲われたんだけど、その襲われた子がルークん所の人間新助手で‥‥」


「え!ルークが人間の助手を?!」


「そっ、それで襲われた時魔物に魔女って言われたって言ってたんだが‥‥どう思う?」


「ふぅん‥‥魔女か。元始の魔女の事ですかね?」

「多分な。モノジィなら何か分かると思ったんだけど」


「ん〜‥‥あの話はおとぎ話だと思うのですけど‥‥。ジェイト、明日は暇ですか?」

「いんや、明日はルークん家に行く予定で」


「おお!ルークの所に、なら僕も一緒に行ってもいいですか?」

「え?あぁ別にいいと思うけど」


「人間の助手‥‥どんな子ですかねぇ」


モノジィは特に人間嫌いな訳では無い筈だから、OKしちまったけど‥‥。

まっ、ルークにとっちゃモノジィは師匠だからな!

問題ねぇだろ。


そして次の日、俺とモノジィはルークの家へ向かった。







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