オレに逆らうヤツは全員泣かす! 〜神スキル【泣かせば勝ち】で異世界無双〜
タイトル思いついちゃったので、息抜き気分で投稿します。
短いので息抜き程度でご覧いただければ嬉しいです!
今までオレに逆らうヤツは全員泣かしてきた。
始まりはなんだろうか。そうだ、小学生の時だ。飴が一個だけ残っていて、ダチとどっちが食べるかって言い争っていた時だ。
気付けば、オレは手を上げてこう言っていた。
「泣かすぞ」
ってな。
もちろん、口だけじゃなく相手の顔面ワンパンよ。
それでダチは泣き戦闘不能に陥って、オレはめでたく飴を手に入れた。
その時からオレは困ったら相手を『泣かす』ことによって、欲しいものは手に入れ窮地は乗り越えてきた。
高校に入っても番長って恐れられてよ。
よく他校の喧嘩に繰り出して、相手を泣かしてきたもんだ。
オレに怖いものはなかった。
例えオレの前に誰かが立ち塞がってきても、泣かせばそれで終わりなんだから。
高校で作った不良グループは気付けば三百人を超えていた。
今日もその中の何人かを引き連れて、街に繰り出し女でも漁ろうとしていた時であった。
「リュウヤさん!」
最後に聞こえたのはそんな声だ。
あっ、と思った時にはオレの体はトラックにぶつかり、宙を舞っていた。
地面に叩きつけられ、頭から血を流し意識が朦朧としていく中——周囲にいたダチが、ニヤニヤとこちらを見ながらこう言っているのが辛うじて耳に入った。
——ざまあみろ。
——天誅だ。
——調子に乗りすぎなんだよ。
ああ。
どうやらオレはみんなから尊敬されるリーダーではなかったらしい。
ただ拳によって相手に恐怖を植え付け、抑えつけていただけ。
でもそれでもいいって思ったから、ただ拳を振り回してここまで駆け抜けてきたんだ。
だんだんと意識がなくなっていく中——オレはそいつらを睨みつけてこう思った。
生き返ったら、全員泣かす!
「——目覚めなさい。転生者よ」
「……ん?」
目を開けると、胸が超でかい金髪の女がこちらを見下していた。
「ああ? なに、お前オレのこと見下してんだよ。泣かすぞ」
「ふふふ、元気が良いのですね」
そいつはこっちを見て、ニコッと笑った。
「わっ! ってかここどこだよ。オレ、浮いてんのか? それにメッチャ眩しいし……」
「ここは転生の間。あなたは異世界で転生することになったのです」
「はあ? 転生?」
その女の話を聞くにこうらしい。
女は転生を司る女神。現世で「生き返りたい」という意志が強かったものにのみ——同じ世界は別だが——異世界に転生することが出来るらしい。
しかもただ転生するだけじゃないらしい。
なんか、よく分からねえけどよ。神から授けられたスキル——すなわち神スキルというものを一つだけ貰うことが出来るらしい。
「神スキルは異世界であなたが生き抜いていくために必要なものです。何故なら神スキルさえあれば、異世界で無双出来るのですからね」
「おお、なかなか便利じゃねえか。だったら早くくれよ」
「お待ちなさい。まずはその言葉遣いを直しましょう」
「あ?」
「良いですか。あなたは私より下。私の機嫌を損ねれば神スキルはなしになるのですよ。ふふふ、まずは足を舐めてもらいましょうか。その後は土下座を——」
「あ? なに訳の分からねえこと言ってんだ」
「え……?」
「泣かすぞ」
オレは女神を泣かすため、馬乗りになって拳を振り上げていた。
「ひゃ、ひゃっ! 止めて! 私、女神ですよ?」
「オレは女でも容赦しないタイプだ」
「いや、そういう問題じゃなくて——って本当に殴る気?」
鼻にワンパンくらわせれば、女神もこの偉そうな態度を改めるだろう。
「や、止めて! 分かりました分かりました! 神スキルを与えます! だから殴らないで……」
「おう。分かればいいんだ」
殴る前に話が済んだので、降りて倒れている女神を見下す。
「……女神をボコボコにしようとしたのはあなただけですよ」
ボソッと女神がなにか呟いたが、睨んでやったら「ひっ! ごめんなさい!」とすぐ謝った。
「神スキルはあなたに最もふさわしい形で現れます。じゃあ異世界でも頑張ってくださいね!」
周囲が真っ白になり、女神の姿も見えなくなっていく。
『神スキル【泣かせば勝ち】を習得しました!』
視界が戻ったら、なんかジメジメした森の中であった。
「最後に浮かんできた文字はなんだったんだ? 【泣かせば勝ち】ってどういう意味だ?」
なにからなにまで分からない。
それにしても本当にここは異世界なんだろうか。
とりあえず人のいるところを探そうか、そう思って足を踏み出した瞬間。
「だ、誰か助けてくださいーーーー!」
そんな女の声が聞こえた。
「……助ける義理はないが、どこに人がいるのかも分からねえし。とにかくそこに向かってみるか」
悲鳴が聞こえた方へと駆け出す。
すると走り出してそんなに経たない場所で、女が蛮族みたいなヤツ等に襲われていた。
「まさかこんなところで女をお持ち帰り出来るなんてな!」
「ククク。オラ達の村まで連れて行って楽しませてもらおうぜ!」
見れば、女一人を囲んで三人の男共が「ウホウホ」言ってやがる。
オレはそれが気にくわない。
何故なら、転生前のオレは喧嘩はタイマンを至上としていたからだ。
それなのに……非力そうな女一人相手に男三人って。
見ているだけでムカムカしてくる。
「おい」
オレが一声かけたら、男共が「ウホ?」と言ってこちらに顔を向けた。
「早速だが——泣かすぞ」
「お、お前はなんだいきなグハッ!」
まずは一人KO。
その後、連続して残り二人もワンパンをくらわした。
もっとも、挨拶がてらのパンチみたいなものだったので、これでは相手を倒せないと思うが……。
そう思って、拳を構えていると——、
「ぶ、ぶぇぇえええーん! 痛いよー!」
「えええぇぇーん! ごめんなさい! もう逆らわないから、殴らないでください!」
「ママーーーー!」
両膝を地面に突いて、全員がそう涙を流し出したのだ。
「こ、これは一体……?」
そんなに拳に力を入れていないつもりだが?
戸惑っていると、
《戸惑っているようですね。良いでしょう。最初だけですが、【泣かせば勝ち】について説明しましょう》
とどっかで聞いたことのある声が頭に響いてきた。
《【泣かせば勝ち】は相手は泣かすことによって服従させる効果を持ちます。
この服従は絶対の力があり、例えば魔王であっても逆らうことが出来ません。
さらに『泣かす』ための力も兼ね備えています。こんなもんでは泣かないんだけどな? と思ったことでも、スキルによって底上げされているので、相手を簡単に『泣かす』ことが出来ます》
おお。
なかなか便利な力じゃないか。
泣かすことによって、今まで全てを解決してきたオレにとって、このスキルは性に合っている。
男共は未だに涙を流し続け、こちらに反逆してくる気配はみじんもなかった。
「チッ、つまらねえヤツ等だ」
若干、そういう不満がありつつも。
「おい、そこの女大丈夫か。立てるか」
そう言って、手を差し出して女を立ち上がらせる。
「あ、ありがとうございます。えーっと、あなたは……」
「オレか? オレはリュウヤって言うんだ」
「リュウヤさん……ですか! ドラゴンを意味する竜という言葉が入っているんですね。もしや、竜騎士の方? それともドラゴンスレイヤーとか……」
なんか一人で勝手にぶつぶつと呟き出す女。
「あっ! ごめんなさい。私まだ名乗ってないですよね! 私はハーナと言います。よろしくお願いしますねっ」
とオレの手を両手で握ってきた。
これから——オレの神スキル【泣かせば勝ち】で異世界全員泣かして無双するんだが、その始まりであった。
オレは魔王ですらも泣かす。
オレに泣かせないヤツは誰もいない。
好きな女ですらも——。
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