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5 闇への入り口 ○

 さすがに今となっては訓練などと言っていられない。アディーレの剣が、シルフィアーノの拳が、行く手を遮る怪物モンスターたちを間髪入れずに屠っていく。

 おかげでセレンディアはすっかり役立たずだ。転ばずについて行くのがやっとな状態であったりする。と言うか、グラフが多少なりとも術で足場を均していなければ確実に転んでいた。

 非常事態であってもいい加減情けなさに嘆きたくなってきた頃、セレンディアたちは彼らと遭遇した。


「うわああああああっ!」


 全部で四人。彼らは皆どこかしら怪我を負っており、それでも治す余裕がないのか悲壮さを貼り付けながらセレンディアたちの方――出口へと必死に足を動かしていた。


「ちょっとあんたたち! 何があったの!」


 アディーレが事情を聞くべく彼らに声を掛けるが、よほど余裕がないのか立ち止まってくれたのは一人の青年だけであり、残る三人は脇目も振らず横を通り過ぎて行ってしまった。残った青年とてしきりに後ろを見て、前を見て、落ち着かない。一刻も早く逃げ出したいのだろう。


「お、俺にだってよくわからねぇよ! ただ普通に迷宮探索をしていただけなんだ! あんなのが出るなんて聞いてねぇよ!」

「だから、何が出たの?」


 青年も頭が回っていないのだろう。説明はさっぱり要領を得ず、答えらしい答えになっていなかった。

 それでも大切な情報源なのだ、青年を落ち着かせるよう、アディーレは意識してゆっくりと問いを重ねたのだが、あまり効果がなかったようだ。返された端的すぎる答えに、脳裏にハテナマークが浮かぶ。


「ス、スライムだ!」

「……は?」


 スライム。それは粘液状の物質と、それらに守られた核で体が構成される怪物だ。

 確かに、初心者であれば装備やパーティ編成によっては苦戦することがあるだろう。何せその体は強酸性であり、下手に剣で斬り付ければ腐食する、防具だって同様に無事では済まず、肌に付着しても火傷を負う、などなど碌なことがない。

 ならば術はどうであろうか。そのままならまだ大丈夫なのであるが下手に燃やすと有毒ガスが発生するし、粘液が飛び散ることで被害が拡大することもある。やはり碌でもない。

 有効な手段は、大型の鈍器で弱点とされる核を押しつぶすか(この場合も飛び散ることに注意せねばならない)、氷の術で凍らせてから砕くことである。ある程度鍛錬を積んだ冒険者になれば鋭い斬撃で核の両断も狙えたりする。


 つらつらと述べてきたが、スライムが脅威となるのはあくまでも初心者の場合である。それにスライムは皆一様に動きが遅い。倒す手段がないのであれば逃げてしまえばいいのだ。

 なのに何故彼らはあんなにも負傷し、一目散に逃げるような事態にまで陥ったのか。理解が及ばなかったアディーレを責めることはできないだろう。

 だが、答えは別の方向からすぐさま叩き付けられることになる。


「う、うわわわっ! なにこれえええっ!?」

「イヤアアアアアアッ! 気持ち悪いですわーーーっ!」


 一体何なのよ、とアディーレが視線を向けると……さすがの彼女も、言葉を失った。


 そこまで狭くない迷宮の通路、それがほぼ埋まるほどの超巨大スライムの姿に。


挿絵(By みてみん)


「――は?」

「げっ、追いつかれるっ!」


 青年も状況を思い出したのか、呆けてしまったアディーレには目もくれず再び出口へと駆け出す。そちらにしか移動できないのだから当然だ。

 停止していたアディーレも、セレンディアの悲鳴に近い提案で再起動を果たす。


「と、とりあえず距離を取りましょう! これはさすがにちょっと!」

「そ、そうね……っ」


 スライムには足も筋肉もないせいか移動が遅い。距離を取ってまずは落ち着こうと彼女たちは転進する。

 しかし、その目論見も少しばかり甘かったようだ。


「ちょ、ま、スライムにしては早……っ!」


 その巨体と形状からは想像も付かないような速度でスライムが追いかけてきたのだ。セレンディアの現在出せる速力よりほんのわずか遅いぐらい、といったところか。

 見た目はまるで津波のようであり、正面に居る彼女たちに与える圧迫感は半端ないだろう。

 更に、スライムはいつまで経っても獲物にありつけないことに業を煮やしたのか、体の一部を切り離し、砲弾のように射出した。サイズは人の頭ほどで数はそう多くないが、この狭い迷宮の通路、それも真っ直ぐにしか移動できないとあっては脅威でしかなった。

 これはヤバい、と来たる衝撃に少しでも備えようとするセレンディアであったが。


「させるわけがありませんわ!」


 主と砲弾の間に割り込んだシルフィアーノがその拳でもって弾き飛ばすことにより、難を逃れることができた。


「スライムの分際で粘液ローションプレイしようだなんておこがましいにも程がありますわ! アナタにやらせるくらいならわたくしがやりますわ!」

「この非常時に何おバカなこと言い出すかなキミは!?」


 思わず願望を吐露し、思わずツッコミを入れる辺り似た者主従であるのだが、指摘する者は誰も居るはずもない。


 シルフィアーノは己の不甲斐なさに唇を噛み締めた。得意としている術の系統がスライムと相性が悪いのだ。霊力を纏わせることで酸から身を守ることができるので、やってやれないことはない。

 しかし状況が悪かった。主が近いので余波に巻き込んでしまうかもしれないし、ひとまず逃がそうにもこの巨大な軟体を止める術は持っていなかった。せめて他の、きちんとした体を持つ怪物ならどうとでもなったのだが、これでは足止めしようとしたところで、自在に変化できるその体ですり抜けられることだろう。彼女一人ではどうしようもなかった。

 だが、彼女は一人ではなかった。


「そうだ、グラフ! 壁作って! でっかく! 通路塞いで!」


 閃いた、とばかりに彼女の主が叫ぶ。

 幸いなことにグラフの属性は土である。洞窟ゆえ周囲に材料はいくらでもある。そして、膨大な霊力供給源であるセレンディアが居る。壁を作ることは容易かった。

 了解、とでも言うように一吠えし、一瞬で自分たちとスライムの間を遮る土壁を作り上げた。

 とは言え、急造の壁である。巨大スライムの重圧に長いこと耐えられるはずがない。それに気付いているのか、走りながらも続けざまに指示を飛ばす。


「とにかく距離を取るよ! どんどん作って!」


 一枚では駄目でも何枚も重ねてしまえばそれなりの時間が稼げるだろう、という考えだ。

 その指示にグラフは束の間躊躇したが、結局は実行をした。出口へと疾走しながら何枚も何枚も壁を作っていく。


(……あぁ、わかってたけどやっぱり制御が追い付かない……っ)


 グラフが壁を作り上げるたびに、体から多くの霊力が流れていくのがよくわかる。残量は全く問題ないが、体の方はそうはいかなかった。

 口の端から血を滴らせるだけでなく、至るところの皮膚が裂け、今も傷が増え続けている。自分が扱える以上の量を無理矢理使用しているのだからむべなるかな。必死に制御をしようとしているものの、それだけに集中できるならともかく、走りながら行えるだけの技量は未だ持ち合わせていない。


「マスター……」

「セレちゃん……ごめんっ」


 あまり術を得意としない二人が、一人血を流すセレンディアを見て苦悶の声を上げる。それ以外のことは、できなかった。


「……大丈夫です。大したことないですから」


 返ってきた答えに、シルフィアーノは一段と表情を歪めた。

 その言葉が、強がりでもなんでもない事実であることに。まだ駆け出し冒険者と言っても差し支えのない域の少女でありながら、普通であれば泣き叫んでいてもおかしくはないほどの痛みを『大したことない』で済ませられることに。

 ――痛みに慣れすぎてしまった、己の主の現状に。

 己の従魔の懊悩に気付いているのかいないのか、セレンディアは何事もないかのように走り続けるのだった。




 間もなく、先刻休憩を取った広間に到着した。

 肉体的にも精神的にも疲労を重ねるセレンディアは跳ねる鼓動を整えるよう深く呼吸をしながら、パーティメンバーに顔を向ける。


「ぜぇ……ここで、迎え打とうと、思うの、ですけども……っ」

「……」


 アディーレは答えあぐねてしまった。

 スライムと言えどさすがにあのサイズは放っておけない。迷宮の外へ出られて被害を増やす前に、中で倒してしまうことには賛成である。だがそもそも、倒せるのかどうか?


「大丈夫です。なんとかなります。……多分ですけど。それに、シロ」

「はいっ」

「もし失敗したら、シロがボクたちを抱えて、全力ダッシュね」


 と言うか、さっきもそうしてしまえば良かったのだ。自分の気の回らなさに泣きたくなるが、そんな場合ではない。反省は、後でもできる。

 口腔の血を吐き出し、口元の血を拭ってから杖を地面に突き刺し、キッと前を見据える。


「あいつを凍らせる、ちょっと大きめの術を使います。発動まで……多分今のボクだと三分くらい。グラフはその間、霊力を使いすぎない程度に壁を作って時間を稼いで。シロはいつでも動けるようにしてて。アディーレさんはすみませんが、他の怪物が来た時の対処をお願いできますでしょうか」


 了承する二人と一匹の声を聞き流しつつ、セレンディアは術の行使に必要な霊力を掻き集めるために詠唱を始めた。


『万物に宿りし力の源よ――』




 集え。集え。集え。

 主の力ある詠唱こえとともに練り上げられていく霊力に、シルフィアーノは身震いをした。

 大きな術を行使する時は、基本的に周囲の霊力を使用する。自分の持っている霊力だけでは足りないからだ。実際、今のセレンディアも周囲からどんどん収集している。

 だがそれ以上に、彼女の場合は己の体から生み出していた。小さく脆い人の身で、大きく濃密な、自身を滅ぼしかねない量を。彼女にとって、霊力は薬であり毒である。

 そしてシルフィアーノにとっては、生きるために必要な糧であり、魅了してやまない嗜好品であり、堕落を唆す禁断の果実のようでもある。

 契約できるほどの相性の良い、濃厚で、豊潤で、甘美なそれが、大量に放出されていることに……シルフィアーノは、有り体に言えば興奮していた。

 ついでに言えば、セレンディアの血液――に限らず、彼女を構成する全て――にも霊力が混じっている。先ほどから出血もして振りまいていたため、更に拍車をかけていた。


「――」


 ふらふらと、花に集う蝶のように引き寄せられてしまいそうになる。

 食べたい。自分のものにしてしまいたいと、欲求が湧き上がる。

 全て壊しかねないその行動は、寸でのところで引き止められた。


 ドォンッ。ガラガラガラッ――


「――っ」


 グラフが壁を作り続けていたものの、ついにスライムが最後の一枚を壊し始めたのだ。もっと前から音はしていたので気付けたはずなのだが、意識がすっかりと欲望に塗りつぶされてしまっていた。

 シルフィアーノは、それが悪魔の性とは言え、主を危険に晒しかねない思考に支配されかけたことを反省しつつも、サッと切り替える。


(あと十五秒稼いで!)


 経路パスを通じて送られた思念により、セレンディア(とついでにアディーレ)へ向かう粘液弾を弾く作業に専念する。グラフも石礫を飛ばして相殺させていた。

 そして。


「行くよ! 前どいて!」


 術は、完成した。




永久凍土の断罪者フリージング・インフェルノ!!」




 刹那、セレンディアの前方に白い波が広がった。バキバキと音を立て、足元を、壁を、大気中の水分を、霊力を凍らせながら、怪物を飲み込まんと迫り行く。

 以前の一点集中させ貫通力に特化した術とは異なり(制御を誤ったために着弾先で余波が撒き散らされていたが、本来はそのようなものではない)、広域指定術である。標的だけではなく、標的の存在する空間全てを凍て付かせ、白のみで世界を染め上げる。常識外れの超巨大怪物とて例外ではない。


 まず、表面が凍り付いた。体は粘液でできており、水分を多く含むので通常の怪物よりそれは容易いだろう。そして、凍らされた表面が中心部に向けて冷気を伝達させ、更には怪物の内に流れている霊力を氷へと変換させていき、侵食していった。

 粘液であることも、巨体ゆえ多くの霊力を内包していたことも、どちらもセレンディアの放った術とは非常に相性が悪く、抵抗する間もなく――したところで空間全体に凍結効果が発生していたので結局凍らされただけなのだが――怪物は核まで凍りつき、氷山と化した。


「……相変わらず、術の威力はすごいねぇ……」


 もたらされた結果に、白い息を吐きながらアディーレが感心とも呆れともつかない感想を零す。


 術の行使には霊力が必要である。逆に言ってしまえば、霊力さえあれば行使できることが多い。未だ半人前の術士であるセレンディアがこの規模の術が使用できるのも、これに因るところが大きい。

 もちろん、どの属性で、どのくらいの規模で、どのような効果を求めるのか、計算をして組み立て、制御しなければならない。理論の習熟と反復訓練が必要とされ、失敗すれば発動しないか、想定と違う現象が起こる。

 ゆえに。


 未熟な彼女へ代償が降りかかるのは、必然である。


「――……づあああああっ!」


 ホッと一息吐こうとしていた矢先に悲鳴が上がり、ドキリとしながらその声の方へ顔を向けると。

 杖を握っていた両手が、氷に覆われてしまっているセレンディアの姿が目に入った。その氷はじわじわと手首、前腕を覆い、肘を越え、二の腕を辿り――


「マスター!」


 その惨状に、シルフィアーノが、グラフが弾かれたように駆け寄り、三歩くらい遅れてアディーレも近付いた。


「大丈夫ですか!?」


 温めて溶かそうとしたのか、急いで、それでいて限りなく優しく腕を抱きかかえる。しかし。


 ビキビキビキッ――


 まだ術の影響が残っていたのか、シルフィアーノの持つ霊力に反応して氷が生成されてゆく。


「シロ、離れ……て……!」

「平気ですっ。こんなものはただの氷菓子、喰い尽くして差し上げますわ!」


 氷の蔦に絡めとられそうだったところを、難なく拳で砕きながらどこか嬉しそうにシルフィアーノは答えた。

 実のところ、不謹慎であり不誠実であるという意識が脳内を占めていたのだが、理性に反抗するように体が反応し続けてしまっていた。

 ただでさえ辺りにセレンディアの色で染められた霊力が充満しているのだ。自分でも無節操だと思いつつも、食欲が刺激されずにはいられない。

 これはマスターのためでもある。そう言い聞かせるように、それでもなお心は隠せずに。やたらと熱っぽい情欲の溢れる表情で、術の残骸である霊力を貪るのであった。

 ……それが当のセレンディアに筒抜けで、痛みすらそっちのけで遠い目をされているとも気付かずに、夢中で。




 無事に腕は解凍され、やはり尋常でなく多い霊力で半ば無理やりに治療していく。とにもかくにも外傷を塞いで出血を止めねば、シルフィアーノがひどいことになりそうだと判断した結果だ。

 そのシルフィアーノは頬を未だ紅潮させ無駄に色香を振り撒きながら――セレンディアは慣れているから平気だがアディーレはすかさず目を逸らすようなレベルである――氷山を砕く作業を行っている。氷山が大きすぎるのとセレンディアの霊力の影響が強すぎるのとでグラフとアディーレには力が足りず一人でやらざるをえないが、当人は非常に上機嫌なので問題はない。ついでに霊力の残滓も食べているようであり、時折変な笑い声が漏れている。不気味だ。


 セレンディアの容態からして早目に帰った方がいいと言う意見は出たのだが、あのままでは後から来る人が困るだろうし、ひょっとしたら奥にまだ人が残っているかもしれないので様子を見に行くことを選択したのだ。

 加えて、本来の目的であった噂のお化けらしきものにも遭遇していないというのもある。何か関係しているかもしれないし、できれば謎の片鱗だけでも掴んでおきたい。

 氷の破砕音と鼻歌をBGMに、セレンディアは治療と休息に専念、残る一人と一匹は他の怪物の襲来を警戒するも、特に何事もなく時間は過ぎて行った。




 そして道は開き、先へと進む。

 幸いなことに道中に怪我人は居なかった。スライムに消化吸収された可能性も無きにしもあらずなのであるが、それを考えたところで最早どうしようもない。一応、氷を砕いていたシルフィアーノ曰く、消化中の骨や武具は見なかったそうである。


「……何もありませんね」


 最奥である小さな空間に辿り着くが、道中に何もおかしなところはなかったし、ここでも異変も起こらなかった。


「まぁさっきのアレがイレギュラーすぎるんだけどもね」


 もっともである。迷宮に大小のトラブルは付きものとは言え、あそこまで大きなものは普通はない。あったら初心者向けと認定されていないだろう。

 とは言え、実際に起こったのも事実で、他の場所でも異変が起こっているということもある。用心はどれだけしてもし過ぎということはないし、それが冒険者の心得の一つでもある。


「シロ。グラフ。何か感じる?」

「うぅん……さっきのデカブツの残滓があるようで、わかりにくいですわ」

『しかし、妙な臭い。する』


 ふむ、と一つ頷き、考える。

 シルフィアーノのセリフからするに、ここで異変が始まったということであろう。妙な臭いと言われて鼻を鳴らしてみるも、わずかに酸の臭いが混じっているような刺激臭がする。これのことだろうか。

 どうにもわからず、周囲を捜索しているアディーレにも意見を聞いてみようと思ったところで、何故自分がここに来たのかを思い出した。


『あんたの『特技』が役に立つんじゃないかな』


 そうだ。動物じゃないのだから臭いを嗅いだところでわかるはずもない。霊的な何かがあるのだとしたら、この『目』で見るのが一番であった。

 通常のものとは異なり視界情報を制御する眼鏡を外し、裸眼で見渡してみる。

 映る光――霊力は少なく、乱れている。これは先ほどのスライムが奪っていったせいもあるだろう。他に何かないかとゆっくりと首を回す。

 すると、微かに、ほんの微かにであるが、残った霊力に流れが生じ、岩壁の向こうへと吸い込まれているのが見えた。

 その辺りを触ったり、コンコンと叩いてみたりするが、おかしな点は見受けられない。であるならば。


「グラフ。この部分崩してくれる?」

「オンッ」


 一吼えすると同時に、壁であった部分がサラサラと崩れて行く。


「へぇ……こんなところに。過去の崩落で埋まっていたのかな?」


 想像した通り、行き止まりと思われていた先に空洞が出現したのだ。

 セレンディアとて冒険者だ。『何があるのだろうか』とワクワクする好奇心は持ち合わせている。

 ふーっと息を吐いてから、明かり代わりの光球を増やして暗闇へと移動させ――


「……何、これ……」


 目にしたものに、セレンディアは絶句した。

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