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第七十四夜 ドラゴンクエスト9 星空の守り人

一つ、ゲームの話でもしようか。



さてここで一気に年月が飛び、DS最盛の時代へと移ります。筆者の家ではプレイステーションやその後継機を買って貰えなかった為、中古であれば自力で買えるお値段の携帯機が主流となるまで最新ゲーム事情とはかけ離れた環境にあったのです。

DSで初めてゲームをした時の衝撃は、今でも良く覚えています。一応ゲームボーイアドバンスまでは中古で手に入れていたのですが、それをも超える描画能力にタッチペンという独自のシステム。最初は不安だった二画面も、案外すぐに慣れる事が出来ました。

瞬く間に筆者はこの新しいゲーム機に夢中になり、稼いだお金をDSソフトに注ぎ込むようになりました。もっとも新作を買うお金まではなく、大体が中古で安くなったものの購入でしたが。

そんな筆者、今回のテーマであるソフトも早いうちに買いたかったのですが問題が一つありました。通信モードです。

この頃のDSのソフトは友達と通信をする事で恩恵が得られるというシステムが一般的で、時にゲーム内の称号やアイテムをコンプリートするにはこの通信をする事が必須になるという友達の少ないプレイヤーには優しくない仕様になっていました。更にDSをインターネットに繋げないと追加要素が得られないシステムも一般化し始め、インターネット環境のない我が家にはこれも逆風でした。

それでも、不完全でもいいから遊んでみたい――そのソフトの発売から一年ほど経った頃遂に筆者は決断し、購入に踏み切りました。それが今回のテーマ、「ドラゴンクエスト9 星空の守り人」です。


本作はDS最盛期、スクウェアエニックスよりDSにて発売されたRPGです。リメイクではない正式なナンバリングが携帯機で出たのは、「ドラゴンクエスト」シリーズ史上初の事となります。

ストーリーは人間の目には見えない天空に住まう種族『天使』である主人公は師であるイザヤールより、ウォルロ村という小さな村の守護天使の任を引き継ぐ事となる。守護天使の仕事は、そこに住む人間達が健やかに暮らせるようささやかな手伝いをし人間からの感謝の心である『星のオーラ』を集める事。主人公が早速星のオーラを集め、天使達の住む天使界にある世界樹の木に捧げると遂に天使達の悲願であった、星のオーラによってのみ生み出される『女神の果実』がその実を結ぶ。しかし……その直後に地上からの不気味な光が天使界を撃ち女神の果実は地上の人間界へ。そして主人公もまた、光の攻撃を受けて翼と頭の輪を失い地上へと墜ちていく……。天使界は何故襲われたのか? そして天使としての力を失った主人公の運命は……? というものとなっています。

今回固有名詞関係覚えてないので名前が適当ですすみません。やりなおしたくても本作はセーブデータが一つしか作れないので、最初からやりたかったら今あるデータを消すしかないんですよ……。


本作では「ドラゴンクエスト3」以来久々にキャラメイキングが復活しており、仲間の名前や職業、性別が選べるだけでなく外見をも自由にカスタマイズする事が可能です。主人公の性別と外見を選ぶ事も出来、本作は「ドラゴンクエスト4」以来となる女主人公が選べる「ドラゴンクエスト」にもなりました。

決められる外見のパーツは顔、髪型、目の色、髪の色、肌の色、体格と幅広く、まさに自分だけのキャラクターが作れるようになっています。中にはどこかで見たような髪型なんかもあり、これで擬似的に過去キャラクターの再現をした人もいるとかいないとか。

勿論キャラメイクなんてめんどくさい!という人の為にあらかじめキャラが登録されているのも「ドラゴンクエスト3」と同じで、仲間を加えられるようになり次第すぐに仲間をフルに出来るようになっています。けれどやはり折角ですので、どうせなら自分で作ったキャラクター達と旅をしたいものです。

なお一度決定した外見は、もう二度と変える事は出来ません。あんまり変なキャラにして後で後悔しないよう、外見には特に気を遣いましょう。


また転職システムが「ドラゴンクエスト7」以来の復活となっていますが、本作の転職は「ドラゴンクエスト3」「ドラゴンクエスト6~7」の双方のシステムを合わせそこに「ドラゴンクエスト8」の成長システムを組み合わせたものとなっています。以下にそのシステムを解説します。

まず本作のステータスは職業で固定されており、転職をするとその転職先のステータスに変更になります。レベル20まで転職は出来ず、転職するとレベルはまた一から上げ直しとなります。

ここまで聞くと「ドラゴンクエスト3」と大差ないように思えますが、それとの違いは転職先が前に経験した事がある職業だった場合はレベルはリセットされず、最後にその職業を経験した時と同じになるという事。すなわち職業毎にレベルが個別に管理されているのです。

これにより全ての職業レベルを20まで上げてしまえば後は転職し放題となり、育成の自由度が大幅に上がっています。但し本作では特技は転職しても継承されるものの呪文は完全に職業依存で、転職すると転職前の呪文は使えなくなる為どの職業をメインで育てていくかは今まで以上に考えなくてはいけません。

また呪文はレベルアップでの習得となりますが、特技の習得の方は少々特殊となっております。本作ではレベルアップすると成長ポイントが加算され、それらを装備出来る武器のレベルやその職業固有の特技レベルに振り分ける事でその項目が成長し、特技を覚えるのです。これは、「ドラゴンクエスト8」の成長システムを引き継いだものです。

「ドラゴンクエスト8」同様一つの職業でその職業で身に付く全ての特技は身に付かないようになっていますが、武器のレベルは複数の職業に跨がって上げられるので全ての職業を極めていけば自然と全ての特技を覚えられるようになっています。優先すべきはやはり職業固有の特技で、これだけは一つの職業で極めるしかないのでうっかり極めないままレベルを最大にしてしまうともうその職業固有の特技は覚えられなくなってしまいます。

職業には最初からなれる基本職の他、『○○のさとり』を転職を司るダーマ神殿に持っていく事でなれる上級職があります。武器の中には上級職でなければ扱えないものもあり、覚える呪文や特技も強力なものばかりです。

但し基本職に使えて上級職に使えない呪文などもあり、上級職にさえしておけば安全とも言えないのが悩みどころです。例えば全体回復魔法であるベホマラーは基本職である僧侶は使えますが、上級職である賢者は使う事が出来ません。

各職業には、一定ターンを経過する事で使えるようになる必殺技というものがあります。必殺技は必ず会心の一撃が出たり一定ターン消費MPが0になるなど戦闘を有利にし、こちらのピンチを救ってくれます。

更に全員が必殺技を発動な状態になると更に強力な超必殺技が発動可能になり、不利な状況でも一発逆転できる場合もあります。但し超必殺技を使うと全員の必殺技を消費してしまう為、どちらの必殺技に頼るのがいいかは使い分けでいきましょう。


「ドラゴンクエスト8」で初登場した錬金釜も、楽しみを広げてくれる要素の一つです。この錬金釜は冒険の拠点となるセントシュタインの宿屋にあり、各地にあるレシピを使うかレシピがなくても正しい組み合わせでアイテムを投入する事で全く異なるアイテムが生み出せるという優れものです。

本作のアイテムの大半はこの錬金釜で生み出すしかなく、錬金釜で生み出したアイテムが必要となる場面もあります。レシピさえ正しければ失敗するような事はないので、新しいレシピを見つけたらどんどん試してみましょう。

またアイテムの錬成に必要になるアイテムが、時々フィールドに落ちている事があります。これらアイテムはいくらあっても足りないものばかりなので、地面に光っているものを見つけたら逃さず拾っておきましょう。


本作はシンボルエンカウントとなっており、こちらに構わず動き回る敵、こちらを見つけると猛然と追いかけてくる敵、逆にこちらを見つけると一目散に逃げ出す敵と敵の動きは様々です。シンボルに触れると戦闘になり、勝利するとシンボルは消滅しますが逃げた場合はそのまま残り続けます。

一度倒した敵はモンスター図鑑に記録され、説明を見る事が出来ます。更に特技の『みやぶる』を使った上で敵を倒すとより細かいデータが記載され、その敵がどんなレアドロップを持っているかまで解るようになります。

このモンスター図鑑完成を目指して、敵と戦っていくのもまた一興。中にはラスボスよりも遥かに強い雑魚敵なんかもいますが……。


さて本作の醍醐味と言えば、クエストと宝の地図です。本作をより深く極めるには、どちらも欠かせないものです。

クエストは本編のストーリーの進行とはまた別の形で請け負う事の出来るもので、達成する事でアイテムや錬金釜のレシピを入手する事が出来ます。時にはあるクエストの達成が別のクエストを発生させる条件となっている事もあり、連鎖していくクエストはまるで一つの小さな物語のように思える時もあります。

中にはインターネットに繋がないと受けられない配信クエストもあったのですが……DSのインターネットサービスが終了してしまった今となっては、このサービスも恐らく受けられないものと思われます。

配信クエストはどれも本作の登場人物達の人物像を補填するものだったので、もう受けられないのは非常に残念です。何らかの形で、本作がリメイクされるのを待つしかないのでしょうか……。

宝の地図は単語の組み合わせとレベルで表されており、単語の組み合わせでどのような地形のダンジョンになるか、レベルで出てくる敵とボスの強さが変わります。レベルが高いほど強い敵やボス、そして貴重なアイテムの入った宝箱が出現します。

地図に記された洞窟の入口は普段は目に見えないようになっており、探したい宝の地図をセットする事で入口が現れ入る事が出来るようになります。地図をセットしていなかったり、別の宝の地図をセットしていた場合はいくらその場所に行っても入口は現れないし洞窟にも入れません。

最下層にいる宝の地図のボスを倒すとボスの強さと現在のパーティーの平均レベルから計算された新しい宝の地図が手に入ります。これを繰り返し、より良い宝が手に入る宝の地図を手に入れるというのが目標となっております。

自分が見つけた宝の地図は、通信で他のプレイヤーにあげる事も出来ます。あげると言っても地図がなくなる事はありませんし、こちらはインターネットに繋ぐ必要はないので相手さえいれば現在でも可能です。

こうして自慢の宝の地図を全国に広げていくのが、当時の楽しみ方の一つでもありました。有名なのはメタルキングしか出ない階層が混ざっている、通称『まさゆきの地図』ですね。

実は筆者が本作を始めからやり直したくない理由の一つがこの『まさゆきの地図』の存在で、当時の同僚が偶然手に入れたのを譲って貰ってるんですね。そんな思い出のデータなので、消して最初からやり直す気になれない……。

そして宝の地図にはもう一つ、歴代ボスの地図というのがあります。これは文字通り「ドラゴンクエスト」シリーズの歴代のボス達と戦う事が出来る地図で、倒すと確率で超貴重な素材が入手出来ます。

また各ボス達に勝利した後今の戦いで得た経験値をボス達にあげるか選択する事が出来、経験値を与えられたボスはより強くなり素材のドロップ率も上がっていきます。限界まで鍛えたボス達はこちらがレベルカンスト、最強装備を身に付けていても苦戦は必死となります。まぁそこまでやるのはドM……じゃなかった求道者の皆様くらいでしょうが。


他にもマルチプレイだとか、通信した人数に応じて拠点の宿屋が大きくなるとか目玉はあったのですが、歳を取って患った圧倒的なコミュ障ぶりによりそこら辺は結局楽しむ事なく終わりました。ただでさえ社会人に、他プレイヤーと通信しまくるのは辛いと言えますし……。

なお本作は『勇者が存在しない』という設定の為か、勇者専用呪文であるデイン系が削除されています。他にも当て嵌められる属性がないという理由か初代から存在したギラ系も削除されており、呪文に関しては些か寂しく思ったりもします。


本作についてまだまだ語るべき事はありますが、冗長が過ぎている為そろそろ筆を置かせて頂く事とします。マルチプレイ対応の為リメイクは難しいかもしれませんが、もしリメイクしたら是非遊ばせて頂きたいソフトの一つであります。



とりあえず、今回はこれにて。

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