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第七十三夜 ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…(SFC)

一つ、ゲームの話でもしようか。



という訳で、今回のテーマはスーパーファミコン版「ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…」です。唐突すぎる? 仕方がないのです、本編に関する雑感はファミコン版の回で、リメイクについての雑感は「ドラゴンクエスト1・2」の回でそれぞれ述べてしまいましたから。

どうやったら毎回、読者の目を引くようなキャッチーな序文が書けるんですかね。本エッセイも気が付けば既に七十回を超え、そろそろ序文の書き出しのネタを出すのも苦しくなってきました。

……おっと、このままでは思い出紹介ではなくただの執筆の愚痴になってしまいます。話が逸れる前に、本文に入るとしましょう。


本作はセガサターン、プレイステーションといった次世代機が台頭し始めてきた頃、旧エニックス、現スクウェアエニックスよりスーパーファミコンにて発売されたRPGです。基礎となるプログラムは「ドラゴンクエスト6」のものが使われ、一般人のグラフィックなどにその名残が見えます。

ストーリーはリメイク元と全く変わらないので省略しますが、本作ではリメイク元では容量の都合で省略された主人公の父、勇者オルテガの旅の軌跡がオープニングデモとして追加されたり、クリア後ダンジョンが新たに加わったりとストーリーやボリュームの面でパワーアップが図られています。なお、このオープニングデモ追加を受けてリメイク元のある街で手に入ったオルテガの形見であったお遊びアイテムが、主人公専用装備へと変更されています。


基本的なシステムはリメイク元の回で既に語り尽くされた感があるので、ここではリメイク元との大まかな違いをご説明させて頂くに留める事と致します。まず本作は前述通り「ドラゴンクエスト6」のプログラムが使われており、基本操作やコマンドなどは同作に準じています。

すなわち街やダンジョンでは二倍速で歩き、何でも入れておけるふくろを持参し、戦闘では敵や呪文がアニメーションする訳です。ちなみにアニメーションパターンは全て新規に描き起こされ、「ドラゴンクエスト6」のものとは全く別のものになっています。

またリメイク元にはなかったタンスや壷を調べられるシステムが追加され、本作では更に本棚や壁にかかっている袋を調べる事でもアイテムを入手する事が出来ます。特に本棚から手に入るアイテム『本』は本棚以外からは手に入らないものばかりなので、使い道はよく考えた方がいいでしょう。

ちいさなメダル収集も新たに追加され、本作ではお馴染みメダル王……ではなく、メダル収集が好きなおじさんがメダルを様々なアイテムと交換してくれます。手に入るアイテムは一点ものばかりなので、頑張ってメダルを集めましょう。

また職業にも新たな職業『盗賊』が増えたのですが……戦士と武闘家のいいとこ取りな上メダル集めに必須の隠されたアイテムの在処が解る呪文『レミラーマ』まで覚えるという万能ぶりに、今なお存在自体が議論の的となるという罪な職業となってしまいました。賢者のように条件付きではなく、ルイーダの酒場で普通に仲間に出来るのにこの性能なので無理もないのかもしれませんが……。

なお本作の転職システムは「ドラゴンクエスト6」基準ではなく、リメイク元同様レベル20にならなければ転職出来ず転職するとレベルが1に戻る仕様のままとなっています。しかしこの仕様でも一度覚えた呪文や特技を二度と忘れないのは一緒なので、時間をかければ主人公専用のもの以外の全ての呪文と特技を覚えたキャラクターを作り上げる事は可能だったりします。


さて本作で追加された特徴的な要素の一つと言えば、やはり性格システムでしょう。冒険の書(シリーズにおけるセーブデータの呼び名)を作りゲームを開始すると、リメイク元のように自宅から始まらず何者かに呼び掛けられるシーンから始まります。

ここでプレイヤーの名前(主人公の名前ではない)を入力した後、幾つかの質問をされます。質問が終わるとどこかの場所に飛ばされ、そこでの行動内容によって最終的な主人公の性格が決定されます。

質問後どこに飛ばされるかは、それまでの質問にどう答えたかで決まります。中にはひねくれた回答をしなければ行けない場所もあり、なかなか芸が細かい仕組みとなっています。

ここで決まった性格はストーリーには全く影響を及ぼしませんが、レベルアップ時の上昇ステータスには大きく影響を及ぼす事となります。例えば『ごうけつ』となった主人公はちからが戦士並に伸びるようになる半面すばやさやかしこさは伸び悩みますし、『あたまでっかち』は逆にかしこさが伸びやすくなり代わりにちからはあまり伸びません。

これら性格は主人公だけでなく仲間にも設定されており、リメイク前では名前と職業、性別を登録するだけだったのが本作ではそれらを決めた後で力、素早さ、スタミナ、賢さ、ラックのそれぞれの種を好きな組み合わせで五回使い、どのステータスがどれだけ上昇したかによってそのキャラの性格が決定される仕組みになっています。

ここで気を付けなければいけないのは作りたい職業とあまりにも合わない性格には出来ないという事で、例えば魔法使いを『ごうけつ』などちからが上がりかしこさが上がらない性格にして登録する事は出来ません。勿論そんな魔法使いが出来上がったところで産廃もいいところなので、実際に魔法使いを作る時は『ずのうめいせき』や『あたまでっかち』など職業に合った性格にし長所を伸ばしてあげましょう。

勿論そんな効率ばかりに囚われず、敢えて色んな性格にして空想を膨らませるも自由です。特化型以外の性格は狙って出すのはかなり骨が折れますが、種の振り分けは何回でもやり直せるので納得のいく性格になるまで粘るのもまた一興。まあ筆者の楽しみ方なんですが。

こうして決まった性格は実は不変のものではなく、外的要因で様々に変わります。一番手っ取り早いのは、アクセサリを身に付ける方法です。

本作のアクセサリの殆どには装備中それを身に付けている者の性格を変える効果があり、単なるステータスアップだけのものではなくなっています。装備を外せば性格は元に戻るので、性格によるレベルアップの恩恵は欲しいけど根本的な性格は好きに決めたいという方にお勧めです。

他にも本棚から手に入る、本を使う方法もあります。本は使ったキャラの性格を根本から変えてしまう効果があり、これを使わないとなるのが難しい性格などもあり重要度は高いです。

欠点は入手数が限られている点と一度本で変わった性格は別の本を使わない限り変わる事はないという点で、何十分も粘って思い通りにした性格をこれで上書きしてしまった場合のショックは筆舌に尽くしがたいものと思われます。効率重視なら構いませんが、そうでないならご利用は計画的に。

また非常に稀なパターンですが、イベントによって強制的に性格が変わってしまう事もあります。幸いそのイベントを起こすかは任意の為、もし間違えて起こしてしまったらリセットも視野に入れましょう。


本作のもう一つの特徴的な追加要素と言えば、すごろく場です。旅をしているとリメイク元では何もなかった場所にほこらが増えている事がありますが、そこは本作で追加されたすごろく場になっているのです。

すごろくを遊ぶには、全すごろく場共通で『すごろくけん』というアイテムが一回につき一枚必要となります。すごろくけんは街中の至る所に隠されている他、モンスターがトレジャーとして持っている場合もあります。

すごろくに参加出来るのは先頭にいる一人だけで、途中交代は出来ません。すごろく中は戦闘が発生する場合もあるので、誰で参加をするかはよく考えましょう。

サイコロを振れる回数はすごろく場によって決まっており、その回数以内にあがりに辿り着くと賞品が手に入ります。賞品は大抵が非売品で、そのすごろく場に行けるようになった時点では役立つアイテムばかりなので是非手に入れたいところです。

しかしあがりまでの道のりは、決して楽ではありません。規定回数以内にあがれないと失敗になるのは勿論、落とし穴マスに止まったりすごろく中にHPが0になり死んでしまう事でも失敗と見なされてしまうのです。

特に厄介なのが落とし穴で、ダ○ソン並の吸引力でサイコロを振るたび落ちるわ落ちるわ……。例え何もないマスだったとしても、足元を調べてみたら落とし穴が開いた、なんて事もあるのであがりを目指している時は不用意に足元を調べない事も大切です。

また途中に点在している宝箱やよろず屋からは貴重なアイテムが手に入る事もあり、これらを狙うのも楽しみの一つです。とは言え狙って宝箱マスやよろず屋マスに止まるのは、はっきり言ってあがるよりも困難なのですが……。

すごろく場にはクリア後ある事をする事で追加されるものもあり、そちらは全すごろく場の中で最大の広さと最高の難易度を誇ります。筆者は未だに、このすごろく場をクリアした事がありません……。


かつて社会現象を引き起こすほど人々を魅了した作品は、リメイクによって更なる完成度と共に再びファンの元へと帰ってきました。今なお「ドラゴンクエスト3」をシリーズ最高の作品と呼ぶユーザーが多いのも、過去の栄光に甘んじる事なく常に進化を求めるこのような姿勢ゆえなのかもしれません。



とりあえず、今回はこれにて。

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