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第六十一夜 Perusona

一つ、ゲームの話でもしようか。



さて、約一週間に渡ってお届けした「女神転生」シリーズ特集も遂に最終回となりました。今回ご紹介するのは何と、本エッセイ初の任天堂以外のハードであるPSPのソフトになります。

正確には、今回のテーマは「女神転生」シリーズではありません。しかしその源流に「女神転生」シリーズの血が流れている事には間違いなく、よってこの特集で紹介させて頂く運びとなりました。

そのソフトの名は「Perusona」。「女神転生」シリーズとの違いも楽しみつつ、ご覧下さい。


本作はPSPにてプレイステーションソフトリバイバルブームが起きていた頃、アトラスよりPSPにて発売された3DダンジョンRPGです。プレイステーション中期に発売された「ペルソナ」シリーズの処女作「女神異聞録ペルソナ」のリメイク作品となっており、ストーリーなど大半の部分はリメイク元に準じています。

ストーリーは御影町にある聖エルミン学園で、近頃『ペルソナ様』という遊びが流行っていた。クラスメイト達と興味半分で『ペルソナ様』を実行した主人公だったが、直後に気を失い、フィレモンと名乗る人物に自分の心の側面の一部――『ペルソナ』を与えられる夢を見る。夢から覚めた主人公は担任の高見冴子に勧められ、同じく『ペルソナ様』で気を失ったクラスメイト達と共に御影町総合病院に向かう事となる。そのついでに病院に入院しているクラスメイトの一人、園村麻希を見舞う主人公達。しかし話の途中で麻希の容体が急変、麻希は手術室に運ばれる事に。麻希の無事を祈る主人公達に突如襲い掛かる地震、それを機とするように町中に溢れ出す悪魔達。自らも悪魔に襲われたその時、主人公達の『ペルソナ』が覚醒する。『我は汝、汝は我』。主人公達は『ペルソナ』の力を使い、悪魔の住処と化した御影町を駆け抜ける。果たして御影町に何が起きたのか、そして行方不明となった麻希の運命は……と、随分長くなりましたがこんな感じになっています。

近年では敵がシャドウという交渉不能の怪物というのが一般的になった「ペルソナ」シリーズですが本作においては敵はまだ「女神転生」シリーズ同様多種多様な悪魔達であり、交渉もまた可能となっています。また現在はペルソナを付け替えられるのは主人公のみの特権となっていますが、本作ではパーティーメンバー全員が自由にペルソナを付け替える事が出来るのも特徴です。


本作で仲間になるキャラは全部で八名。うち何人かは固定メンバーとなり、残りを任意で選択していく仕組みになっています。

仲間達はそれぞれ装備出来る武器や交渉内容、レベルアップで上がりやすいステータスや宿せるペルソナの相性など細部が違っており、仲間が一人違うだけで全く違う戦略を求められる事となります。それぞれの仲間を上手く活用し、生き抜いていきましょう。


マップは全体マップ、2Dマップ、3Dダンジョンマップに分かれており、まず全体マップは従来の2Dマップのような存在で、町内のどこに行くかを大まかに決める事になります。ここを移動中も悪魔は登場しますので、気を抜かずにいきたいところです。

全体マップで決めた行き先に辿り着くと、今度は2Dマップに切り替わります。このマップの時は悪魔が出ず、安全地帯となっております。

ここでは様々な人々と会話して情報を集めたり、店の場合は買い物をする事も出来ます。場所によっては仲間とも会話が出来ますので、それぞれの反応を楽しむのも一興かと。

そして2Dマップからダンジョンの入口に入る事で、3Dダンジョンマップに切り替わります。この中では当然悪魔が出ますし、施設もセーブポイントであるアルカディアの樹と守銭奴トリッシュが営業する回復の泉、従来の邪教の館の役割を持つベルベットルーム以外存在しません。従来の3Dダンジョンマップにあった仕掛けも勿論網羅されており、万全な準備を整えてから挑むべきだと言えます。


悪魔とエンカウントすると、戦闘になります。従来は前列後列があるだけだった隊列はより細分化され、複数の隊列が組めるようになりました。

キャラ達の武器にはそれぞれ、有効範囲があります。例えば近接武器を持つキャラを後列にすれば攻撃は届きませんし、弓など飛び道具を持つキャラを前列にしても力を発揮出来ません。

各々の武器の有効範囲をよく考え、隊列を組んで下さい。本作において武器攻撃が届くかどうかは、とても大事な意味を持ってきますので。

本作の攻撃方法は武器攻撃、ガン攻撃の他に従来の魔法攻撃に当たるペルソナでの攻撃があります。これは各ペルソナ毎に決められている一定のSPを消費する事で、そのペルソナが持っている魔法や特技を使う事が出来るというものです。

各ペルソナは最初は一つか二つしか魔法や特技を持っていませんが、何度も使用し熟練度を上げる事で能力が開放され、より多くの魔法や特技を使う事が出来るようになります。SPに余裕があるならガンガンペルソナを使い、熟練度を上げていきましょう。

そのSPですがアイテムで回復する他、少量ずつですが移動する事によっても回復します。とは言え本当に少量ずつなので、大抵は回復し切る前に新たな悪魔との戦闘になってしまいます。

そこで武器攻撃も交えて、上手く節約しながら戦っていこうという訳です。SPもなく武器も届かなければ、そのキャラは出来る事がなくなってしまいますので。


従来は主人公が一人で行っていた交渉ですが、本作においては仲間になるキャラ全員が交渉手段を持っています。交渉を行う場合はまず誰が交渉を行うかを決め、次にそのキャラがどんな交渉を行うか選ぶ事になります。

悪魔達にはそれぞれ性格があり、行われた交渉内容によって喜び、恐れ、怒り、興味の四つのゲージのどれが上がるか決まります。このうち優先して上げるべきは興味のゲージで、これを上げないと新しいペルソナを造る材料となるスペルカードを貰う事が出来ません。

全員の交渉術を上手く駆使し、スペルカードを集めましょう。強いペルソナを宿す事は、自分が強くなる一番の近道になるのですから。


スペルカードが集まったら、いよいよペルソナの作成となります。ベルベットルームにてスペルカードを二枚差し出すと、主であるイゴールがそれに応じた新しいペルソナを造ってくれるのです。

ペルソナにはタロットに準えた種類があり、どのキャラがどの種類を宿せるかはあらかじめ決まっています。全員が同じように力を発揮出来るペルソナもあれば、特定キャラしか扱えないペルソナもあり様々です。

中には作成時にアイテムを加える事で、本来覚えない魔法をペルソナに覚えさせたり特別なペルソナを造ったりする事も出来ます。これらアイテムは稀少な事が多いので、使用する際はくれぐれも慎重に。

また低確率でイレギュラーが起こる事もあり、イレギュラーを起こす事でしか造れない特殊なペルソナも存在します。もし手に入れられたら、ラッキーと思っておきましょう。

ベルベットルームで出来るのは、ペルソナの作成だけではありません。熟練度を最大値まで上げた不用になったペルソナを、アイテムに変える事も出来るのです。

この方法でしか手に入らないアイテムなどもあるので、お別れは悲しいかもしれませんが使わなくなったペルソナはガンガンアイテムに変えてしまいましょう。それが宿主の新たな力になるなら、ペルソナも本望というところでしょう。


さて本作はリメイク作品でありますが、その恩恵は何と言ってもセーブポイントの増加でしょう。リメイク前の「女神異聞録ペルソナ」には長丁場のダンジョンが多いのにセーブポイントが少なく、長時間遊ぶ事で熱暴走を起こしやすいプレイステーションの仕様も相まって一時も気が抜けないハラハラしたプレイを強要されたプレイヤーも多い筈です。

本作ではセーブポイントを増やした事により長丁場のダンジョンも安心して遊べるようになり、その分難易度も下がりました。やはり人間、適度な休憩は大事ですね。

またBGMの殆どが一新され、「P3」以降のようなポップでライトな曲調が多くなりましたが……本作のまだ「女神転生」シリーズの面影を残すどこか陰鬱でダークな雰囲気にはいまいち噛み合わず、否寄りの賛否両論と言ったところのようです。リメイク元のBGM自体評価が高いものが多かった分余計に、といったところでしょうか。


新たなシリーズの幕開けとなった作品のリメイクである本作は、主にBGMについて賛否両論はあるものの当時の雰囲気を残した堅実なリメイクになったと筆者は思います。現在のシリーズの本流を作り上げたのは「P3」ですが、それ以前のシリーズにも人々を魅了する確かな魅力があった事を知って頂ければ幸いです。



とりあえず、今回はこれにて。

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