表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/239

第五十七夜 デジタルデビル物語 女神転生2

一つ、ゲームの話でもしようか。



ファミコン全盛期。拡張音源というものを搭載したソフトが、ぽつぽつと市場に出回り始めました。

これは本来決まった音しか使えないファミコンにソフトに組み込まれた特殊なチップを読み込ませる事で、使える音を増やしてより重厚なサウンドを生み出すというものです。マリオ特集回でご紹介したスーパーFXチップの音楽版とでも言えばいいでしょうか。

コナミなど資本力のある大手の会社はこれら拡張音源を独自に開発し自社のソフトに乗せ、通常のファミコンソフトでは表現し得ない数々の音楽を作り上げました。その中には未だ名曲と評されるものも多く、ファミコン黄金時代を築き上げた要素の一つであったと言っていいと思います。

そして、その拡張音源を乗せたRPGがこの頃世に送り出されました。そのソフトの名は「デジタルデビル物語 女神転生2」。今回は、音楽の話も合わせてご覧下さい。


本作はファミコン全盛期、旧ナムコ、現バンダイナムコエンターテインメントよりファミコンにて発売された3DダンジョンRPGです。とは言うものの、一部に2Dマップも含み純粋な3Dダンジョンものではなくなりました。。

2となってはいますが前作との直接の繋がりは薄く、本作から始めても何ら問題のない作りになっています。かくいう筆者も、実際に遊んだのは本作の方が先だったりします。

ストーリーは199X年に最終戦争で核ミサイルを撃ち込まれ壊滅した東京。その生き残りが住まう京浜第3シェルターで産まれ育った主人公は、最近ゲーム内での経験が実際の自分の力になるというVRゲーム『デビルバスター』にハマっていた。しかしボスであるミノタウロスを倒し、手に入れたアイテムを邪神像に使うと画面は一変。パズスと名乗る謎の化け物が現れ、主人公を救世主と呼ぶと『デビルバスター』内で使っていたのと同じ悪魔召喚プログラムを主人公のハンドベルトコンピューターに与えたのだった。時を同じくして、シェルター内に溢れ返る悪魔の群れ。主人公は親友と共にシェルターを脱出し、核ミサイルのエネルギーにより次元がねじ曲がり地上に溢れ出した悪魔達が支配する荒廃した東京へと足を踏み出すのだった……というものとなっています。

舞台が東京、そして何らかの形で東京が荒廃、という流れは本作から生まれ、以後シリーズのベースとなっていく事になります。かの平将門公が東京の守護神と位置付けられたのも本作からで、以後のシリーズのダークで退廃的な世界観は本作を元に作り上げられたと言っても過言ではありません。


基本的なシステムは前作で既に粗方完成しているので、ここでは前作からの変更点を中心にご説明させて頂きます。まずマップですが、3Dダンジョンのみであった前作と違い2Dのフィールドマップが追加されました。

これによりエリア間の移動が楽になり、また本作よりバッテリーバックアップになった事で各地に点在するようになったセーブキャラ、チェックマンのいる場所同士なら一瞬でワープする事が出来るなど長距離の移動をサポートする機能も新たに加わりました。

ただし2Dマップにいる間はメニューを開かないとマッカやマグネタイト、パーティーメンバーの現ステータスなどが確認出来ないので、特に仲魔を連れ歩く時やダメージフィールドを進む時などは小まめにメニューを開き、現状を確認しましょう。戦闘に突入したと思ったらパーティーが壊滅状態だった……なんて事になったら、目も当てられません。


2Dマップが増えた事により拠点となる町の数も大幅に増え、施設も細分化しました。本作の町の大半は実際の東京の地名となっており、陸地の形は変動してしまっているものの位置関係も現実のそれに準じています。

各町にはガンショップ、男性用防具屋、女性用防具屋、ジャンクショップ、バー、それから前作から引き続き登場の回復の泉と邪教の館のうち幾つか、または全部が存在しており、主人公の旅の助けになってくれます。特筆すべきは本作からやっと消費アイテムがジャンクショップで買えるようになった事で、体力回復アイテムの宝玉こそ相変わらず仲間になる種類の悪魔を倒して手に入れるしかないものの状態異常回復など便利なアイテムが購入可能になったのは大いに助かるところです。

変わっているのはバーで、ここではマッカを払う事で少量のHPやMPが回復出来ますがメインはそちらではなく客からの情報収集になります。大破壊を生き延びてきた彼ら彼女らは様々な情報を握っており、時には酒を奢るよう要求される事もありますがそういった客は大抵重要なヒントを提供してくれるようになっています。

また極一部の町にはカジノもあり、定番のスロットや次の数の大小を連続で当てていくビッグオアスモール、仲魔の一体を選んでオートで戦わせて勝敗を競う闘技場、マッカではなくメタルカードというアイテムを消費する事で遊べる三桁の数の正しい数値を当てるコードブレイカーといった四種類のゲームを遊ぶ事が出来ます。特に防具の種類の一つであるマントはこのカジノでなければ手に入らないので、ついつい粘ってしまいたくなるところです。


戦闘では、まず攻撃方法が剣とガンに分かれました。剣は大半の敵に十分な力を発揮出来ますが、一部の剣を除き入手方法が敵からのドロップしかありません。ガンは店売りでマッカさえあればどんどん強力なものを手に入れる事が出来ますが、後半の敵ほどガン耐性を持つようになる為十分な威力が出なくなり一部敵に対しては全くダメージを与える事が出来ません。

この区分けに関しては仲魔の攻撃にも当て嵌まっており、『~はきりかかった』と表示される攻撃は剣扱い、『~のこうげき』と表示される攻撃はガン扱いとなります。当然の事ながら仲魔は攻撃方法を使い分けられないので、どちらの攻撃方法を持つ仲魔をレギュラー入りさせるかという悩ましい問題も浮上したりします。

魔法は前作から据え置きのものも一部ありますが大半は効果、名前共に見直され、現在の魔法体系に近くなりました。特に大きいのはステータスアップの魔法であるタルカジャとラクカジャの追加で、特に攻撃力をアップさせるタルカジャは大変有用なのでCOMP内に常に一体はタルカジャ使いを入れておいて損はありません。

また各武器や魔法、悪魔の攻撃に攻撃回数の概念がついたのも大きな特徴です。これは攻撃時、一ターンの間に何回連続で攻撃出来るかを表したもので、多少振り幅はランダムであるもののこれが多ければ多いほど敵を一度に連続攻撃をする事が可能となります。

これにより単純に攻撃力が高い武器が強いとは限らなくなり、寧ろ手数の多い方が攻撃をより複数の敵に分散させる事が可能になる為他のRPGと比べても集団戦が基本となる本作においては重要な要素と言ってもいいでしょう。なお連続攻撃すると言っても一体に連続で攻撃し途中でその敵が死んだら別の敵に残り回数攻撃するを繰り返す場合と全ての敵を平等に一回ずつ攻撃する場合とがあるので、その違いもよく把握しておきましょう。


悪魔との交渉における大きな変更点と言えば、やはり相手の集団が何人組であろうと交渉を行い仲魔にする事が可能になった事でしょうか。何人組と交渉しても実際に仲魔になる人数は一体のみなので、COMPの空きに関してはご安心を。

更に交渉の内容がマッカやマグネタイトを与えるだけではなくなり、微笑みかけて安心させたり、武器を納めて宥めたりなどの前準備を行う事で交渉の成功率が上下するようになりました。ただしこれら前準備で変わる成功率はあくまでも気持ち程度なので、事前の反応が冷たかったからと言って決して諦めない事も肝心です。

また主人公達には隠しステータスとして、魅力というものが備わっています。これが上がらないのに下がるのはあっという間という厄介な代物でして、上げる方法は異性の悪魔に好まれそうなカッコイイ、可愛い防具を装備するしかないのに下がる方法は仲魔と同じ種族の悪魔を殺す、ギャンブルをやり過ぎるなどちょっとした事でもりもり下がっていってしまうので高い魅力を維持する事自体が完全に縛りプレイになっています。

そんなステータスなのに、効果は交渉の成功率の上下という攻略にドストライクに響いてくる部分なのですからたまりません。流石に開発側もこれは失敗だったと思ったのか、このステータスは結果的に本作のみのものとなりました。

恒例の悪魔合体は従来の二身合体の他、新たに三身合体が加わりました。これは手持ちの仲魔を三体同時に消費する事でより強力な悪魔を生み出すというもので、行う事が可能な邪教の館も限られています。

条件は使用する全ての悪魔が合体のみで仲魔に出来るものでなければならないというかなり厳しいものですが、それに見合うだけの悪魔は生み出せる事と思います。この三身合体でしか生み出せない種類の悪魔もおり、後半はいかに三身合体を使いこなすかが鍵となります。


さて本作を彩るもう一つの要素と言えば、前置きでもお伝えした拡張音源によって作られたクールなBGMの数々です。ゲーム冒頭の『デビルバスター』内で流れる厚みを増した前作のサウンドは、前作をプレイしたプレイヤー達を大いに沸かせた事でしょう。

勿論本作初お目見えの曲も名曲揃いで、通常戦闘のテーマなどはアレンジが加わったとは言え後の作品にもそのまま使われるに至った程です。荒廃した近未来を舞台とした本作に相応しいロックでクールな名曲達は、厳しい旅を盛り上げ世界観への埋没に深く貢献した事と思われます。

BGMだけでなく、本作よりグラフィックを担当する事になった電脳悪魔絵師、金子一馬氏による美しい悪魔達の姿も忘れてはいけません。細かいドット絵で緻密に描かれた悪魔達の姿は、きっとプレイするものを魅了した事でしょう。


前作がシリーズの始祖であるならば、本作はシリーズの開拓者と言ったところでしょうか。本作で生まれた様々な要素は後のシリーズ作品へと脈々と受け継がれていき、「女神転生」というシリーズを形作る重大なパーツとなっていくのです。



とりあえず、今回はこれにて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ