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第五十四夜 ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境

一つ、ゲームの話でもしようか。



突然ですが、「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメ版と言えば皆様は何期が一番思い出深いでしょうか。

筆者は昭和後期に放送された三期です。最近放送されている六期にも人間のオリジナルヒロインが登場していますが、三期にも同様に人間のオリジナルヒロイン、夢子が登場しているのです。

シリーズ通してのヒロイン、猫娘とは対照的な清楚な佇まいは、恐ろしい妖怪の多い「ゲゲゲの鬼太郎」において一種の清涼剤だった事は間違いありません。もっとも筆者は当時から、強気な猫娘推しだったのですが。

話が逸れました。そんな三期が放送されていたのは、ファミコンの人気がぐんぐん上がり始めていたファミコン初期。ゲーム化の話が出ない訳がありません。

ゲーム化の話はトントン拍子に進み、そして、間もなくファミコンで発売されます。そのソフトの名は、「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」。初めてゲームで表現された鬼太郎の世界は、一体どのようなものになったのでしょうか?


本作は前置き通りファミコン初期に旧バンダイ、現バンダイナムコエンターテインメントよりファミコンにて発売された横スクロールアクションゲームです。エンディングはなく、この時代には珍しくないループゲーとなっております。

ストーリーらしいストーリーも特になく、プレイヤーは鬼太郎となって終わりなき妖怪達との戦いに身を投じていく事となります。余談ですが本作の各妖怪のビジュアルの再現度は、時代を考えればかなり高いんじゃないかなと思います。


タイトル画面を抜けると、まずマップ画面に移ります。マップには『魔境』と呼ばれる、簡単に言えばクリアするべきステージの入口が点在しておりこれらに鬼太郎を重ねる事でステージ開始となります。

魔境の種類は四つに分かれており、更にその中の複数のステージのうちどれか一つがランダムで選ばれそこを攻略する事になります。どの入口がどの魔境に通じているかは入口の形で判断出来ますが、中には入ってみるまでどの魔境に飛ばされるか解らない入口も混じっておりプレイヤーを悩ませてくれます。

各魔境にはそれぞれノルマがあり、そのノルマを達成する事で出口が出現する仕組みになっています。以下に各魔境の特徴と、ノルマを合わせてご説明します。


妖怪魔境は一番スタンダードな魔境で、ノルマも敵を十体倒すだけと至ってシンプルです。ステージのどこかにはねずみ男がおり、倒すと得点になりますがノルマには数えられません。

妖奇魔境では、時間経過で次々と湧いてくる魂を十個集めるのがノルマとなります。地面ではしゃがまないと攻撃が当たらない小さな敵が常に移動し、更に一定時間が経つ毎に空から弾を降らしながら強敵が現れるなど次々と敵が湧いて出ては魂集めの邪魔をしてきます。

妖空魔境では一反木綿に乗り、空を飛びながら敵を十体倒すのがノルマとなっております。この空中移動、ただでさえ慣性がついて制御しづらい上に敵を倒した数と時間経過でそれぞれ別々の強敵まで出てくるので純粋な難易度は全魔境の中で一番高いと言えます。

妖炎魔境は一風変わっており、鬼太郎の後ろをついてくるつるべ火をステージ内に点在する十本の蝋燭に重ねて火を灯すのがノルマとなります。最初のうちは簡単ですが後半になるにつれ増えていく雑魚の嫌らしさがピカ一で、唯一の即死穴付きステージを有する事もあり最終的な難易度は妖空魔境に匹敵するレベルになると思います。


魔境を攻略していると、途中で水晶玉が降ってくる事があります。これは各エリアにおける最終ステージ『妖怪城』に入るのに必須のアイテムで、各エリアにある魔境のどこか一ヶ所でのみ手に入れる事が出来ます。

早い段階で水晶玉のある魔境を引き当てる事が出来れば他の魔境に挑む必要はなくなりますが、魔境を多くクリアする事で稼げるアイテムもあるので一長一短というところです。ちなみに一番最初の魔境で水晶玉を得てそのまま妖怪城に行くと、直前に得られるボーナスが二倍になるという小ネタがあったりします。


残りノルマが7になると、画面上にランダムで特殊武器が出現します。一度手に入れた特殊武器はセレクトボタンで選択する事が可能になり、上に表示された弾数が0になるまで使う事が出来ます。

特殊武器は通常武器の毛針と一緒に真っ直ぐに飛ぶものと発射した後十字キーで操作するものの二種類に大別出来、操作するものは取った直後、一定時間敵からの攻撃を受けない無敵状態になるおまけがついてきます。ただし自主的に使った場合は無敵にはならない上敵に上手く当てるのも難しいので、操作する武器は実際に使うより取った直後のおまけが本編、と言ってもいいでしょう。


魔境の中では、決められた条件を満たすと様々なアイテムが出現します。中でも最も取っておきたいのは、取れば残機が1増える目玉のおやじでしょう。

ただし取れば逆に残機が1減る毛目玉も同時に現れる為、間違えて取ってしまわないよう気を付けましょう。目玉のおやじと毛目玉が重なって出てきてしまったら……まあ、運が悪かったと思って諦める他ないです。


ノルマを達成しても、まだステージは終わりません。残りノルマが0になった瞬間、出口が二つ出現するからです。

このうち片方は普通にマップに戻れる正しい出口ですが、もう片方の出口を選んでしまった場合……妖怪地獄というペナルティステージに落とされる事となります。

妖怪地獄では上から落ちてくる敵を倒すなりしてかわして上に登り、頂上にいる大妖怪を倒す事でマップへと戻る事が出来ます。大妖怪は頂上から動かない代わりにダメージを与えなければならない箇所が複数あるなど一筋縄ではいかない事が多いので、出来れば来る事自体を避けていきたいところです。

幸い各魔境には正しい出口を教えてくれるアイテムも隠されているので、出し方は確実に覚えておくようにしましょう。但し当然ながら出口が出てしまった後にアイテムを出す事は出来ないので、出すのはノルマを達成する前に。


水晶玉を手に入れ準備を整えたら、いよいよ妖怪城でボスとの対決です。ボス戦は一対一で、画面下にあるボスのライフゲージを全て削り切れば勝利となります。

各ボスにはそれぞれ弱点である特殊武器が存在し、それを使う事で一気にライフゲージを削る事が出来ます。但し中には逆に敵をパワーアップさせてしまう組み合わせも存在する為、あからさまに効かなそうな武器は使用を控えた方がいいかもしれません。

ボス戦ではぬりかべ、砂かけ婆、子泣き爺の三人の鬼太郎の仲間を一人ずつ呼び出す事が出来ます。仲間を呼び出すには、魔境で手に入るオカリナ笛を一定数揃えている必要があります。

オカリナ笛一個で呼び出せるぬりかべは、正面に飛んできた敵の弾を防いでくれます。オカリナ笛二個で呼び出せる砂かけ婆はぬりかべの上位互換で、一定時間敵が弾を撃てないようにしてくれます。オカリナ笛三個で呼び出せる子泣き爺は敵の動きを一定時間止めてくれますが、弾は防いでくれません。

これら仲間を上手く使いこなし、勝利を目指しましょう。特殊武器と合わせて使うと、より効果的です。


さて前置きで触れたWヒロインの猫娘と夢子ですが、勿論この二人も本作に登場します。しかし出し方が少々特殊で、妖怪地獄をクリアせずに長時間居座り続けなければ会えないという完全に裏技レベルの出し方になっているのです。

二人は同時に現れ夢子はその場で妖怪地獄脱出、猫娘は触れる度に得点が入りますがその都度蹴り飛ばされるという効果になっています。本作はスコアによって残機が増えるシステムなので長い目で見れば猫娘の効果の方が美味しいのですが、妖怪地獄は長く居座る毎に敵が増え、攻撃が激しくなる仕組みになっておりますので実際のところそう何度も猫娘に蹴り飛ばされる余裕などないのが実情だったりします。


「ゲゲゲの鬼太郎」初のゲーム化は、アイテムの出し方さえ解れば長く遊ぶ事も可能な絶妙なバランスのゲームとして仕上がりました。この後も「ゲゲゲの鬼太郎」は様々なハードでゲーム化していく事になり、ゲーム化するアニメの定番となっていくのです。



とりあえず、今回はこれにて。

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