第五十一夜 魔界島
一つ、ゲームの話でもしようか。
人気が沸騰しシリーズものとして続編が次々と作られていくソフトがある一方、それなりには売れたものの世間的にはマイナーゲーという位置付けで終わり続編が作られる事もなかったソフトも数え切れないほど存在します。特にファミコンとプレイステーションの黎明期はその数が際立って多く、とにかく何でもソフトを出せばそれなりには売れた事から様々な単発タイトルが出ては歴史の波に埋もれていきました。
今回ご紹介する「魔界島」も、そんなマイナーで終わったソフトのうちの一つです。ですがマイナーゲーならそれはつまらないソフトなのかと言うと、それは違うと声を上げて言わせて頂きます。
マイナーながらにいぶし銀。今回はそんな「魔界島」の事を、たっぷりお伝えしようと思います。
本作はファミコン黎明期、カプコンよりファミコンにて発売されたマップ探索型アクションゲームです。実は本作はファミコンオリジナルタイトルではなく、アーケードゲーム「ひげ丸」に大幅な追加要素を加えたアーケード移植作だったりします。
ストーリーは海賊達が海で幅を効かせる世界。青年モモタルーは貧しい人々を救う為、かつて海を制覇したキャプテン・ビアドがどこかの島に残したという財宝を探し大海原に航海に乗り出す……という感じだったと思います。何しろ説明書を紛失してしまったので、うろ覚え&又聞きで申し訳ありません。
ゲームを開始すると、まず見下ろし型のフィールドマップでモモタルーの船を操る事になります。船はBボタンを押しっぱなしにする事で加速し、マップは縦方向にはループしますが横方向はある程度まで進むと通行禁止となり、ループはしません。
フィールドマップには全部で七つの島の入口がありますが、初期状態ではどこにも上陸する事が出来ません。ではどうすればいいのかと言うと、海賊船を襲撃して島の入口のキーを奪うのです。
海賊船には動いているものと、決まった場所に停泊しているものの二種類があります。このうちキーを持っているのは停泊しているものの方で、動いている方は何度クリアしようとも何も落としません。
これに気付かないと、動いている海賊船を延々と襲うだけのゲームだと勘違いしてしまう可能性もあります。……本作を買ったばかりの筆者の事ですが。
さて海賊船に接触したり、島に上陸したりするといよいよアクションマップのお目見えです。アクションマップはフィールドマップ同様見下ろし型で、フィールドマップのようにスクロールはせず一画面ずつ切り替わるマップの中を探索していく事になります。
本作のシステムは少々変わっておりまして、スコアがライフを兼任する形となっています。敵の放つ攻撃や体当たりを受ける度にスコアが減少し、0になるとゲームオーバーとなってしまいます。
これを防ぐ為にも、なるべく多くの敵を倒しスコアを稼ぐという行為が必須となります。敵の倒し方ですが、まずマップ上には沢山の樽や岩が転がっています。
これら樽や岩にくっついてBボタンを押すとその樽や岩を一つ、持ち運びが出来るようになります。そしてもう一度Bボタンを押す事で、持っている樽や岩を進行方向に真っ直ぐ飛ばして敵にぶつけて倒すのです。
飛ばした樽や岩は貫通弾となっており、障害物に当たって壊れるまで敵を巻き込み飛び続けます。この時一度に多くの敵を巻き込んで倒すほど、得られるスコアはアップしていきます。
基本的に倒れた敵はマップ切り替えでのみ復活しますが、中には倒した端から即敵が復活してくるエリアも存在します。前向きに捉えればスコア稼ぎのチャンスですが、樽や岩はマップ切り替えでしか補充されないのでくれぐれも残りの数にはご注意下さい。
さて、アクションマップを進んでいると時折宝箱が落ちているのが目に入ります。これら宝箱は樽や岩を当てる事で開ける事が出来、中には様々なスコアアップアイテムが入っています。
どの宝箱に何点のアイテムが入っているかはあらかじめ決まっており、是非高得点の宝箱の在処を把握しておきたいところです。なお一度開けた宝箱からは二度目からは敵が出るようになり、船や島を何回出入りしてもコンティニュー以外ではリセットがされないので注意が必要です。
アクションマップの最奥には、そのマップのボスが控えています。ボスの攻撃は激しく、樽や岩も十発以上は当てないと倒せません。
ボスは一度倒せばコンティニューしても二度と出てくる事はないので、安心して挑みましょう。ボスを倒す事自体も先に進む為のフラグになっていたりするので、対決は避けられないものとなっています。
本作ではアクションマップ中でセレクトボタンを押すとパスワードが表示され、これを入力する事で入手したイベントアイテムや立てたフラグを継続して再開する事が出来ます。パスワードはアルファベットのみで全部で32文字。ちょっとめんどくさいですが、後の事故を防ぐ為にも小まめに取っておきましょう。
但し保存出来るのはイベントアイテムとフラグだけで、スコアは初期状態まで巻き戻ってしまうのでそこだけは気を付けて。先に前半の島でスコアを稼ぐなどしてから、後半の島に挑み直しましょう。
最後に海賊船でのみ発生する、特殊な処理についてお話しましょう。海賊船に入ると、スコア以外に二桁の数字が現れます。
これはボスエリアに入る為に倒さなければならない敵の数を表しており、敵を倒す度に数字は減少し0になるとボスエリアに入れるようになります。後半になる毎に倒さなければならない敵の数は増えていく為、スコアも大量に貯まり腕も上がったからといって最後まで油断をしてはいけません。
果たしてモモタルーは海賊達を退け、見事キャプテン・ビアドの財宝を手に入れる事が出来るのでしょうか? モモタルーの未来は、あなたの腕にかかっているのです。
とりあえず、今回はこれにて。