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第四十八夜 スーパーマリオ ヨッシーアイランド

一つ、ゲームの話でもしようか。



さて、長らく続いたマリオ特集もそろそろ終わりが近付いて参りました。前夜祭となる今回は全ての「スーパーマリオ」シリーズの前日譚に位置付けられた作品、「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」をお届けしようと思います。

今までパズルゲームの看板を飾った事はあっても、アクションゲームで主役を張るのは初めての事となるヨッシー。果たしてどのようなゲームに仕上がったのでしょうか?


本作はセガサターンやプレイステーションなどゲーム業界の次代を担う次世代機が台頭し始めた頃、任天堂よりスーパーファミコンにて発売された横スクロールアクションゲームです。この頃の任天堂のスーパーファミコンソフトにはスーパーファミコンのハード性能を向上させ本来スーパーファミコンでは出来ない筈の処理を出来るようにするスーパーFXチップというものが搭載されており、それによって当時の次世代機と肩を並べられるレベルの映像表現を可能にしていました。

このスーパーFXチップ、旧世代機を次世代機レベルにしたという点では確かに優れものだったのですが、その代わりにチップ搭載によってただでさえ上がる一方だったスーパーファミコンソフトの価格が更に高騰するという欠点も同時に抱えてしまい、結果ユーザーはスーパーファミコンより性能が高くソフトも安く買える次世代機へと流れていってしまいます。当時任天堂自身が次世代機として発売を計画していたニンテンドウ64の開発が難航し世に出るのが遅れたという悪条件も重なり、この後長きに渡って任天堂はファミコン発売以来守り続けていた家庭用ゲームハードシェア一位の座を奪われる事となります。


閑話休題。本作のストーリーは、ある夜コウノトリによって両親となる夫婦の元へ運ばれていた双子の赤ん坊が突然襲撃を受け、片方はそのまま連れ去られもう片方はとある島へと落ちていってしまう。幸運にもその島――ヨッシーアイランドに住む心優しい恐竜、ヨッシー達に拾われた赤ん坊は、幼いながらも双子の片割れの居場所を感じ取り、そこへ向かおうとする。そこでヨッシー達は交代で赤ん坊を運び赤ん坊の目指す場所へと連れていく事にしたが、当の赤ん坊の襲撃犯であるカメックはまだ残った赤ん坊の事を狙っており……? 後にマリオと名付けられ、世界を救うヒーローとなる赤ん坊とヨッシー達の冒険が今、幕を開ける……というもので、「スーパーマリオ」の名を冠するもののメインで操るのは赤ん坊のマリオを運ぶヨッシー達となっています。

ちなみに『ヨッシーってヨースター島の恐竜じゃなかったの?』という細かいツッコミはこの際、置いておきましょう。そこはそれ、大人の事情という奴です。


本作ではプレイヤーキャラがヨッシー達という事もあり、操作も従来の「スーパーマリオ」シリーズとはかなり異なっています。まず攻撃方法ですが、シリーズの基本攻撃である踏みつけがなく『飲み込み』、『ヒップドロップ』、『卵投げ』がその代わりに加わっています。

飲み込みは「スーパーマリオワールド」にもあった、舌を使って一部の雑魚敵を飲み込んでしまうアクションです。「スーパーマリオワールド」ではノコノコの甲羅以外は口に入ると即飲み込んでしまいましたが、本作では一旦敵を口に含んだ後吐き出して他の敵にぶつけるか飲み込んで卵に変えてしまうかを選ぶ事が出来るようになりました。なお吐き出す場合はもう一度飲み込みボタンを、飲み込む場合は下ボタンをそれぞれ敵を口に含んだ後に押す事になります。

ヒップドロップは言わば本作における踏みつけのようなもので、本作から登場した新アクションです。出し方はジャンプ中に下ボタンを押すだけ。真下にいる敵を倒せる他、ステージ上にある杭を中に押し込むのにも使いますが中にはヒップドロップが効かない敵もいるので過度な期待は禁物です。

卵投げも本作から登場した新アクションで、飲み込みや水玉ブロックを下から叩く事で手に入る計六つまで持ち歩ける卵を投げる事で敵を倒したり、ステージの各所にあるハテナ雲に当てて仕掛けを発動させたりする本作における最重要アクションです。卵を投げるには二種類の操作があり、一度ボタンを押すとヨッシー達の正面を扇状に動くカーソルが現れるのでそれが投げたい方向を向いた時にもう一度ボタンを押して投げるか、ボタンを押しっ放しにすると同様の動きで動くカーソルが現れるのでやはり投げたい方向を向いた時にボタンを離して投げるかのどちらの操作にするかをオプションで決める事が出来ます。ちなみに筆者は押しっ放し派でした。

投げた卵は壁や天井に当たって跳ね返ったり、またすれすれの形で水面にぶつけると水切りの要領で水面を跳ねながら飛んでいったりと様々な軌道で飛ばす事が可能です。特に水切りの方は攻略に必須になるテクニックで道中練習場所も与えられる為、確実にマスターしておきましょう。

攻撃以外の新アクションと言えば、『踏ん張り』が挙げられます。これはジャンプ中にもう一度ジャンプボタンを押す事でヨッシー達が空中で踏ん張り少しだけ滞空時間が伸びるというアクションで、これを連発すればかなりの間空中に留まる事が可能となります。

ただし高度の方はどんなに連発しても徐々に下がっていってしまうので、あくまで横移動の際の補助機能とお考え下さい。でも落下によるミス確定の際、無駄に踏ん張って悪あがきを試みたのはきっと筆者だけではないと思います。


本作のワールドは全部で六つ。一つのワールドは全八ステージで構成されており、各ワールドのステージ4では中ボス、ステージ8では大ボスとの戦いがそれぞれ待っています。

ステージ開始時、ヨッシー達は『スターのお守り』というものを10個持っています。このスターのお守りは道中のハテナ雲などから入手する事が出来、最大30個まで溜めておく事が出来ます。

ヨッシー達が何らかの形でダメージを受けてしまうとマリオと離れ離れになり、離れ離れになっている間はスターのお守りがどんどん減っていきます。そのままスターのお守りが0になってしまうとカメックの手下がマリオを連れ去ってしまい、ミスとなってしまいます。

スターのお守りの数が10個未満であれば10個までは自動回復するようになっていますが、スターのお守りの数は後述のクリア評価に関わってくるので可能な限り最大値を保ったままクリア出来るようにしておきましょう。まあ、言うは易しという奴なんですけどね。

一つのステージ内には、普通のコインに混じって赤コインというものが隠れています。赤コインは普通のコインと一緒に浮いている他敵が持っていたり、特殊な水玉ブロックから手に入る卵を敵にぶつける事でも手に入ったりもします。

赤コインはよく見ると普通のコインよりほんの少しだけ赤みがかっているので目視による判別も可能と言えば可能ですが、実際のプレイ中にコインをそんなにじっくり見ている暇などある訳がないので結局はコイン総取りがコンプリートへの一番の近道になります。一つのステージに隠されている赤コインの枚数は全部で20枚。全て集めるのはかなり大変ですが、やるからにはコンプリートを目指したいものです。

ステージ内には他にも、計五個のスペシャルフラワーというものが存在しています。これは全て集めると1upする以外にステージクリア後のボーナスゲームにも関わってくるもので、スペシャルフラワーを集めていればいるだけクリア後ルーレットで当たりを引く確率が高くなるようになっています。

クリア後のボーナスゲームは残機や後述のアイテムを増やすチャンスなので、出来る事なら全部集めてしまいたいところです。もっとも、全部集めていようが外れる時は外れますが。

見事ステージをクリアすると、クリア評価に移ります。クリア評価は加点方式で、それぞれ赤コイン、スターのお守り、スペシャルフラワーをどれだけ集めてクリアしたかで総合得点が弾き出されます。

最高評価は勿論100点満点。一つのワールドを構成する全八ステージ全てで100点満点を取るとより難易度の高いスペシャルステージが解禁されたり各ボーナスゲームが一種類ずつ遊び放題になったりしますので、皆様張り切って満点を目指しましょう。


ボーナスゲームにはクリア後に行うものの他、ステージ内でトライ出来る対戦式ものもあります。このボーナスゲームでも残機を増やしたり、ステージ攻略中に使えるスペシャルアイテムを手に入れたりする事が出来ます。

スペシャルアイテムは一定時間特殊な攻撃が出来るもの、スターのお守りを即補充する事が出来るものなど攻略に役立つ様々な効果のものがあり、特にスターのお守り補充はクリア直前、スターのお守りがあとちょっとで30個に届く……といった場面で使うと大変効果的です。何が景品になるかはクリアしてみるまで解りませんので、特定のアイテムを狙って手に入れられないのが難点と言えば難点ですが。


本作ではまだ現在のクッパ軍団が完全には出来上がっていないという設定であり、ノコノコなど一部のキャラは出てきますがそれほど積極的には出てきません。では本作の基本となる雑魚敵は何なのかというと、それは「スーパーマリオUSA」にて雑魚を務めたヘイホーなのです。

ヘイホー達は別にクッパ軍団の一員という訳ではなくヨッシーアイランドの原住民に近い扱いのようで、時には竹馬に乗ったりして遊んでいる姿も見られます。また本作では様々な種類のヘイホー達が登場し、ここから本格的にヘイホーは「スーパーマリオ」シリーズの一員として出番を増やしていく事になるのです。

本作の中ボスや大ボス達はラスボスを除き全員道中の雑魚の巨大化版という感じで、どれも倒すには一工夫が必要になります。卵投げやヒップドロップなど、あらゆるテクニックを駆使して戦いに挑みましょう。


それまでの「スーパーマリオ」シリーズとは全く違う、それでいて奥が深い操作性とスーパーFXチップによって描かれた絵本的でどこかゆるーい世界観は多くのプレイヤーを魅了し、ヨッシーのアクションゲームが増えた今でも『ヨッシーアイランドが一番!』という意見は大多数を占めます。今では「ニンテンドークラシック ミニスーパーファミコン」の収録ソフトの一本となり遊びやすくなっておりますので、興味を持たれた方は是非遊んでみては如何でしょうか。



とりあえず、今回はこれにて。

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