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第四十五夜 ヨッシーのクッキー

一つ、ゲームの話でもしようか。



「スーパーマリオ」シリーズが数を重ねるにつれ、登場するキャラクターもどんどん増えていきます。その中でも目覚ましい躍進を遂げたのは「スーパーマリオワールド」で初登場したお助けキャラ、ヨッシーでした。

シリーズにおいて初めてのアクションに関わる味方キャラでもあったヨッシーは、瞬く間に人気を獲得。その名を冠したゲームが、幾つも作られる事になります。

その第一弾となったのが、ファミコンとゲームボーイで発売された「ヨッシーのたまご」です。これはヨッシーの持つ卵から産まれるという習性を利用し、卵の殻の間に「スーパーマリオ」シリーズの敵キャラが描かれたブロックを挟んでヨッシーを産み出すというやり込み度の強いパズルゲームでした。

そしてファミコン末期。今度はスーパーファミコン、ファミコン、ゲームボーイの三機種に跨がって、新たなヨッシーゲーは生み出される事になったのです。

それが今回のテーマ、「ヨッシーのクッキー」。今回は筆者が持っているファミコン版に的を絞って、ご紹介させて頂こうかと思います。


本作は前述の通りスーパーファミコン、ファミコン、ゲームボーイの三機種で任天堂より発売されたパズルゲームです。ヨッシーの名を冠してはいますが、正直前作「ヨッシーのたまご」と比べるとヨッシーの出番があまりないのが特徴です。

「Dr.マリオ」の時と同様にやはりストーリーモードは存在せず、ステージが進んでいく中でひたすらノルマをクリアし続けていくストイックな作りになっています。モードは一人用と二人対戦とがあり、それぞれクリアするべきノルマは違うものとなっています。

タイトル画面を抜けると、モード選択画面になります。ここでも一人用と二人対戦とで選択する設定は異なってくるので、まずは一人用モードからご説明させて頂きます。

一人用モードで選択する設定はラウンド、ゲームスピード、BGMの三種類です。ラウンドは0~10まで、ゲームスピードとBGMはそれぞれ三種類の中から選ぶ事になります。一見ラウンドの数の幅が狭いように思えますが本作では一ラウンド毎にそれぞれ十のステージがあり、ステージ数までは選ぶ事は出来ないようになっているのです。

どのラウンドから始めても必ずステージは1からの開始となり、次のラウンドに進むにはそのラウンドの全十ステージを一度もゲームオーバーになる事なくクリアしなければなりません。なかなかに厳しいシステムです。

設定を選択し終わったら、Aボタンでゲームスタートです。ゲームが始まると、まず五種類のクッキーの形をしたブロックが散りばめられた8×8のフィールドが目に入ります。これが本作の基本の画面となります。

十字ボタンを押すと、クッキー上をカーソルが動きます。そして動かしたい列の上でAボタンを押しながら十字キーを押すと、横に動かしたなら横の、縦に動かしたなら縦の一列が動かした方向にずれていきます。

これを利用してクッキーを動かしていき、同じ形のクッキーで縦または横に一列を揃える事でその列は消えます。そうやってフィールド上から全てのクッキーを消せば、そのステージはクリアとなります。

勿論クッキーも、ただ消えるだけではありません。時間が経過する毎に上と右、両方向からクッキーが補充されていき、ノルマ達成の邪魔をしてきます。

クッキーが補充されるスピードは時間経過と共にどんどん早くなるので、対処出来ない早さになる前にクリアしてしまいたいものです。なお、上または右のどちらかのクッキーが端まで詰まってしまうとゲームオーバーとなってしまいます。

基本的に同じ形同士を並べる事でしか消せないクッキーですが、一つだけ例外があります。それが本作のタイトルにもなっている、『ヨッシーのクッキー』です。

ヨッシーのクッキーは、どのクッキーでもいいのでどれかの種類のクッキーを一定個数消す事で補充されるクッキーの中に追加されます。このクッキーはジョーカー的役割をもっており、どのクッキーの列に混ぜても作られた列のクッキーの代わりとなり一緒に消えていきます。ついでにスコアも普通にクッキーを並べるよりも高くなるので、ハイスコア狙いの時は大いに役立ちます。

また、一つのラウンドをクリアする度に「Dr.マリオ」でもあったショートムービーが流れます。「Dr.マリオ」の時と違い本作はゲームスピードではムービーの内容はかわりませんので、ムービー目当ての方は無理せず最低スピードで挑んでいきましょう。


一人用モードの説明が粗方済んだところで、二人対戦モードの説明に参りましょう。二人対戦モードでは互いにクッキーを消し合いポイントを溜め、先に規定ポイントに達するか相手が一定時間クッキーを消さない状態が続きタイムオーバーになると勝利というルールになっています。

モード選択画面では、お互いにどれだけポイントがある状態で始めるかを決める事によってハンディキャップ戦を行う事が出来ます。ゲームスピードはやはり三種類、BGMも一人用モードとはまた別の三種類が用意されています。

対戦が始まると、1P2P共に5×5マスの中に敷き詰められたクッキーを消していく事になります。消える条件は一人用モードの時と一緒ですが、消えた側からクッキーが即補充されるのが一人用モードとは違う点です。

二人対戦モードでは一人用モードと違い、一回クッキーを消す毎にヨッシーのクッキーが一枚追加されます。しかし一人用モードの時とは異なり、ヨッシーのクッキーもヨッシーのクッキー同士でしか消す事は出来ません。その代わりに、ヨッシーのクッキーを消す事で様々な特殊効果が現れます。

効果は対戦画面の上の窓に表示された、時間経過によって順番に変わる内容のその時表示されている効果のものが現れ単純にポイントを増減させるだけのものからクッキーの位置が全シャッフルされる、一定時間相手のカーソルの動きがこちらのカーソルの動きと同じになるなど対戦画面に直接影響を及ぼすものまで様々な効果が揃っています。

ここで気を付けなければならないのはいい効果が自分に、悪い効果が相手に行くとは必ずしも限らない点で、今出ている効果がどちらに影響を及ぼすものかきちんと確認してから揃えないと逆に相手にポイントを与えてしまったり、自分に不利な効果が降りかかってしまったりするという事が起きてしまいます。このように、どのタイミングでヨッシーのクッキーを揃えるかというのが戦略上、重要な要素になってきます。


二人対戦のシステムなどは奥が深いものに仕上がっているものの、一人用モードの難易度の高さ、何よりヨッシーの名を冠しながらヨッシーが殆ど出てこないという点で本作はマイナーゲーに留まってしまっている気がします。本作をもってヨッシーを使ったパズルゲーム路線は一旦終わりを迎え、そして次のヨッシーゲーとしてあの名作「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」が生まれる事となるのです。



とりあえず、今回はこれにて。

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