第四十四夜 Dr.マリオ
一つ、ゲームの話でもしようか。
さて前回までは「スーパーマリオ」シリーズのアクションゲームを中心に取り扱って参りました。しかしアクションゲームだけで終わらないのがマリオというキャラクター。その他にも、様々なジャンルにマリオは顔を出してきました。
その中でもマリオの出演するゲームとして一時期幅を効かせていたジャンルが、パズルゲームです。近年ではあまりマリオをパズルゲームで見る事はなくなりましたが、任天堂のパズルゲームと言えばマリオが出る、そういう時代も確かにあったのです。
今回からは、そんなマリオのパズルゲームをテーマとして取り扱っていきたいと思います。そんな訳で今回のお題は初めてマリオの名が記されたパズルゲーム「Dr.マリオ」です。
本作は、ファミコンとゲームボーイにて任天堂より発売されたパズルゲームです。モードは一人用と二人対戦とがあり、対戦型パズルゲームとしてはかの「ぷよぷよ」シリーズよりも先に世に出た形となります。
この頃のパズルゲームですのでまだストーリーモードといったものはなく、プレイヤーはパズルのレベルが上がっていく中をひたすらやり込んでいく事となります。あえて前振りを語るなら、突如現れた新種のウイルスに医者となったマリオが自作の薬を用いて立ち向かう……といったところでしょうか。
まずタイトル画面を抜けると、モード選択画面になります。ここでは最初に挑むレベル、カプセルの落下スピード、プレイ中のBGMなどを決める事が出来ます。
選択出来る幅はレベルが0から20まで、スピードが三種類、BGMが二種類もしくは無音となっています。
全て選択し終わったら、Aボタンでゲームスタートです。まずフィールドに、その場から動かない赤、青、黄色の三種類(ゲームボーイ版では形と色の濃度で区別する)の蠢いているものがあると思います。これがマリオが消す事となるウイルスです。
ゲームがスタートすると、マリオがやはり赤、青、黄色のうち一色、または二色の二ブロックで構成されたカプセルを一つずつフィールドに投げ込みます。この落ちてくるカプセルを十字キーで上以外に動かしたり、ボタンを押してカプセルを回転させたりしながらカプセルと同じ色のウイルスを巻き込むかカプセルだけを並べて同じ色を縦か横に四つ以上揃えるとその揃ったウイルスとカプセルが消え、消えたウイルスやカプセルの上に乗っていたカプセル、それと消えたカプセルにくっついていたカプセルは揃って下に落下します。
この時落下したカプセルなどで、二列以上の列が一度に消える事を連鎖と言います。連鎖は行った回数によってスコアが伸びる他、後述の二人対戦でも重要なテクニックとなってきます。
フィールド上にいる全てのウイルスをカプセルを使って消し去ると、そのレベルはクリアとなり次のレベルに移ります。カプセルだけで列を消してもスコアにはならない為、消す準備が整い次第さっさとウイルスを消してしまう事をお勧めします。
スピードは一度決めたスピードから変化する事はありませんが、レベルは上がる度にフィールド上のウイルスの数が増えていきます。ウイルスの増加はレベル20で打ち止めになりますが、その頃にはフィールドのかなり上の方までみっしりとウイルスが並ぶようになる為クリアは困難なものとなるでしょう。
カプセルが積み重なり、一番上のフィールド外まで到達してしまうとゲームオーバーです。この時マリオを嘲笑うウイルス達の姿は、小憎たらしいと言う他ありません。
さて基本的にはゲームオーバーになるまでのエンドレスゲーである本作ですが一人プレイの場合、一番低いスピード以外でプレイすると五の倍数のレベルをクリアする度にショートムービーが挿入されるようになっています。ムービーと言ってもファミコンとゲームボーイですからごくごく簡単なものですが、長いプレイ中の一種の癒しとなってくれるでしょう。
中でも最難である最高スピード、レベル20のショートムービーはファミコンながらに圧巻。是非一度、直にご覧になって頂きたいものです。
では二人対戦の話をさせて頂きましょう。本作の対戦は各プレイヤー毎にレベルと落下スピードを決める事が出来、実力差のある者同士のハンディキャップ戦から設定を統一したガチンコバトルまで様々な遊び方が可能となっています。
勝利条件は二種類。自分が先にウイルスを全滅させるか、相手が先にゲームオーバーとなるかで勝利となります。
ここで重要となるのが、前述した連鎖です。対戦中に連鎖に成功すると、連鎖した回数に応じて相手フィールドにお邪魔カプセルを降らせる事が出来るのです。
お邪魔カプセルの色はランダムで通常のカプセルと同じように消す事が出来ますが、最後の一色を待っているその上なんかに降らされると大幅に計算が狂ってしまう事になります。
このお邪魔カプセルはカプセルのみの連鎖でも発生するので、効果的に利用して相手の邪魔をしてやりましょう。但しあんまりやりすぎると、相手をしてくれる人がいなくなる……かも?
近年では、『オカンが何故か得意なゲーム』として妙な知名度を誇っている本作。その後の移植にも恵まれ、実機でなくてもプレイ出来る機会は多いと思われますので一度瓶の中に蔓延る細菌の撲滅に力を注いでみるのは如何でしょうか?
とりあえず、今回はこれにて。