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第四十二夜 スーパーマリオランド

一つ、ゲームの話でもしようか。



ファミコンやスーパーファミコンだけでなく、ゲームボーイにおいても「スーパーマリオ」シリーズは展開されてきました。スーパーファミコンどころか初期の頃はファミコンにもスペックが劣っていたゲームボーイで、「スーパーマリオ」シリーズは工夫を凝らした独自の仕組みを生んでいったのです。

今回はゲームボーイにおける「スーパーマリオ」シリーズの処女作、「スーパーマリオランド」をテーマにお送りしたいと思います。


本作は、ゲームボーイ発売と同日に任天堂よりゲームボーイで発売された横スクロールアクションゲームです。プレイヤーは三ステージ構成のワールドを全部で四つ、計十二ステージをマリオとなって駆け抜けていく事になります。

ストーリーは、平和だったサラサランドに突如宇宙怪人タタンガが現れ、サラサランドの住民を催眠光線で操りサラサランドの姫、デイジー姫をも連れ去ってしまった。我らがマリオはデイジー姫を救いサラサランドに平和を取り戻す為、タタンガ打倒の為の冒険に旅立つ……というもの。本作は現在の「スーパーマリオ」シリーズ派生ゲームですっかり顔馴染みとなり、最近ではスマブラ最新作への参戦も発表されたデイジー姫の初登場作品となります。

何故ピーチ姫やクッパというお馴染みの面子が外されたのかというと、本作が開発当初から海外展開も視野に入れられていた事が理由の一つのようです。海外においては『peach』は性的な隠語を意味する側面もあり、それが卑猥だという事で近年になるまで海外のピーチ姫はずっと『princess toadstool』名義でした。それならばいっそ本作は従来のストーリーから独立させ、あえてピーチ姫やクッパを廃して舞台を一新してしまおうという事だったのかもしれません。


本作の基本アクションは「スーパーマリオブラザーズ」に準拠し、Aボタンがジャンプ、Bボタンが攻撃とダッシュとなっています。ですがモノクロでハード性能もファミコンに劣るゲームボーイでの発売を考慮して、それ以外の部分では細かな変更がなされています。

まずマリオがフラワーで変身する形態と言えば「スーパーマリオブラザーズ」を遊んだ方ならよくご存知のファイアマリオですが、本作ではファイアボールの軌道の表現上かフラワーで変身出来る形態がスーパーボールマリオとなっています。このスーパーボールは一度地面に向かって斜めに打ち出された後真っ直ぐ地面を反射し、その後壁や天井に跳ね返りながら敵に当たるか画面外に消えるまで画面上に存在し続けるという性質を持っています。

どこまでも斜めに真っ直ぐ飛び続けるという軌道上地面を跳ねながら前に向かって飛んでいくファイアボールと比べると前に弱い代わりに上に強く、場合によっては本家ファイアボールより本作のスーパーボールの方が有利な場面も存在します。しかしスーパーボールは画面上に一発しか存在出来ない為、何も考えずに連射していると本当に敵に当てたい時にスーパーボールを撃てず無防備な状態に……という事態にもなりかねません。十分お気を付け下さい。

またファイアボールはメットとバブル以外の雑魚敵を全部一撃で倒せますが、スーパーボールは威力があまりないのか雑魚相手でも数発当てないと倒せない場合が多いです。そもそもスーパーボールが効かない敵もいるので、十発ぐらい当てても効果がない時は素直に踏みつけてしまいましょう。

敵を倒すアクションとしては「スーパーマリオブラザーズ」ではあと甲羅を蹴るというものがありましたが、本作では甲羅を持つ敵がいない為アクションそのものが削除されています。一応ノコノコに相当するノコボンという敵はいるのですが踏みつけると甲羅ではなく爆弾になり、この爆弾の爆発に巻き込まれるとマリオのダメージとなってしまいます。

他にもワールド2と4の最後のステージではマリオは潜水艇マリンポップ号、戦闘機スカイポップ号にそれぞれ乗り込む事となり、それらの面では横スクロールシューティングをプレイする事になります。この時天井や地面に触れてもダメージにはなりませんが、スクロールしてくる障害物に押し潰されると一発でミスとなりますので注意が必要です。

さてボスのいるワールド最後以外のステージには、必ずゴールが二つあります。このうち上にあるゴールに入るかラスボス以外のボスを倒すと、残機を増やすチャンスとなるルーレットが始まります。

賞品は実質ハズレのフラワーから3upまであり、やるなら是非3upを狙いたいところです。余談ですが本作ではモノクロでキノコの色の見分けがつかないという事で、1upアイテムがハートに変更されています。

各ワールドの最後に控えるボスはスーパーボールやミサイルの攻撃で倒す事が出来ますがスーパーボールが撃てない、もしくはボスが強すぎて対処しきれない時はワールド4を除いてステージ最奥にあるスイッチを踏む事でもボスを倒せます。「スーパーマリオブラザーズ」で言う斧で橋を落としてクッパを溶岩に突き落とすみたいなものですが、何故スイッチを押しただけでボスが倒せてしまうのかは不明です。きっと大人の事情なのでしょう。

唯一スイッチが存在しないワールド4最終ステージだけはボスとガチンコ勝負する必要がありますがそれを乗り越えれば無事デイジー姫救出、ゲームクリアとなります。本作のエンディングBGMは個人的に名曲だと筆者は思っているので、皆様是非直にクリアしてメロディをお聞き下さい。


ハードの性能は低くともやはりマリオ。本作は、シリーズの魅力を損なう事なく新たなマリオの魅力を引き出す事に見事成功しました。

この後も「スーパーマリオランド」シリーズは独自の進化を遂げていき、やがて、その主人公すらも変わっていく事となります。



とりあえず、今回はこれにて。

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