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第三十九夜 スーパーマリオワールド

一つ、ゲームの話でもしようか。



ファミコンが全盛期を迎えていた昭和の終わり。しかしファミコンの発売元である任天堂は、ファミコンの性能に限界を感じ始めていました。

PCエンジンやメガドライブなどの後続の高性能機と戦い続けるには、どんなに使える容量が増えたところで最早限度があったのです。任天堂はファミコンの次世代機となる、より高性能なハードの開発に着手します。

そして時代は平成に移り、遂にファミコンの次世代機は誕生します。それが皆様もよくご存知の、スーパーファミコンです。

そしてそのスーパーファミコンと同時に発売された、スーパーファミコンの未来を決める運命のソフトの一本に選ばれたのが言わずと知れた任天堂の看板、「スーパーマリオ」シリーズ。今回のテーマである「スーパーマリオワールド」なのです。


本作は今回の前振りの通りスーパーファミコンの発売と同じ日に任天堂より発売された、横スクロールアクションゲームです。発売日がさほど離れていないせいか、システムの多くは前作「スーパーマリオブラザーズ3」から継承されているのが特徴です。

ストーリーはキノコ王国を遠く離れ、三人で恐竜ランドと呼ばれる国にある島の一つ、ヨースター島にバカンスに来たマリオ、ルイージ、ピーチ姫だったがいつものようにピーチ姫がクッパによってさらわれてしまう。マリオとルイージはクッパに魔法をかけられ卵にされて閉じ込められていたスーパードラゴン、ヨッシーの力を借りて、恐竜ランドを制圧したクッパにまたしても戦いを挑むのだった……というもの。この頃から冒頭でピーチ姫がさらわれる→助けにいくの流れが形式化を始めており、キノコ王国にかけた魔法を解ける唯一の存在だからさらわれた初代と2、恐らくはマリオ達のサポートをするのを防ぐ為にさらわれた3に比べると何だかさらう為の理由もあってないような感じになってきています。

というか本作に至っては『ピーチ姫がいなくなった。原因はよく解らんが多分クッパの仕業だろう』という完全アバウトな理由でクッパに戦いを挑んでいます。これでクッパが原因じゃなかったら一体どうするつもりだったんでしょうか。まあ結局クッパが原因なんですが。


前作同様フィールドマップからステージを選んで攻略する仕組みになっている本作ではありますが、まず前作と異なるのは前作ではワールド別に別れていたフィールドマップが本作では全て地続きになっているという点です。地域毎にマップが切り替わる事はありますがそれらは全て一つに繋がっており、広大な恐竜ランドという一つの世界を演出する役に立っています。

ステージをクリアし道を開く毎に、様々に変化していく恐竜ランドの地形も隠れた見所の一つです。自分が今行ける場所が視覚的に解りやすくなり、目当ての場所に行くにはどうすればいいかと頭を悩ませてくれます。

また一度クリアしたステージでも何度でも挑めるように変更がなされており、これにより簡単なステージでパワーアップしたり残機を稼いでから難しいステージに挑む事も可能になっています。ステージによってはゴールが二つある事もあり、この何度も挑める仕様を利用する事で各ゴールから繋がるそれぞれの道を開いたりする事が出来るのです。

本作には前作のようなマップアイテムや、各種お助けマスは存在しませんがその代わりとして恐竜ランド各所に『スイッチの宮殿』というものが隠されており、これをクリアする事でステージの至る所に存在する点線ブロックが実体化するようになります。スイッチの宮殿により実体化するブロックは宮殿の色によって異なるので一度に全ての点線ブロックが実体化する訳ではありませんが、ブロックを実体化しておけば攻略が俄然有利になるので是非頑張って探してみましょう。

他にも前作からの最大の変更点としては、プラットホームがスーパーファミコンに移った事によって遂に途中セーブが可能になった事が挙げられます。と言ってもまだこの頃は自由セーブではなくフィールドマップ中のお化け屋敷、砦、城、スイッチの宮殿の四ヶ所をクリアした際任意でセーブするかを選べるというもので、途中でゲームを止めたい場合はこの四ヶ所のうちどれかをクリアしなければなりませんでした。

しかもこのうちお化け屋敷以外は一度クリアしたら再プレイ不能になりますので、セーブする為には専らお化け屋敷を利用する必要がありました。セーブの為だけにやる必要のないステージをやらなければいけないというのも、なかなかに不便なものです。


さてステージ内における変更点ですが、まず空を飛ぶ為の変身が前作のしっぽマリオからマント羽根を取って変身するマントマリオに変わりました。マント羽根はハテナブロックや緑の点線ブロックを実体化させた!ブロックから出現する他、点滅するマントを着けたマントガメを踏みつける事でも手に入ります。

マントマリオの基本性能はしっぽマリオと大きく差はありませんが、空を飛び下降を始めたところで方向キーを進行方向とは逆に押すとマントをムササビのように開き、長時間滞空出来るようになるのが大きな変更点です。少々操作に慣れが必要ではありますが、マスター出来ればステージ内を縦横無尽に飛び回る事も可能になります。

パワーアップは従来通りスーパーマリオから各種マリオへ、変身している状態で新しく変身アイテムを取ると変身が上書きされるという流れは変わりませんが本作では変身前のパワーアップアイテムを一つだけストックしておく事が出来るようになりました。これによりミスしてもすぐにストックアイテムでリカバリーしたり、状況に応じて変身を使い分けるという事が可能となっています。

基本操作としては、スピンジャンプが新たに加わりました。これはボタン数増加によりダッシュと攻撃がYボタン、通常ジャンプがBボタンとなった事でAボタンに新たに割り振られたアクションで、通常より飛距離の短いジャンプをする代わりにノコノコの甲羅などの固いものを一撃粉砕できる、普通に踏んだらダメージを食らう敵やトラップを踏んでも弾かれるだけで済む、またスーパーマリオ以上のパワーアップをしていれば本作の基本ブロックであるクルクルブロックを壊せるなどの恩恵を得る事が出来ます。

一見飛距離以外はいい事ずくめですがスピンジャンプを途中で通常ジャンプに切り替える事は出来ないので、クルクルブロックの下が穴になっているような場所で使うと足場を次々破壊した上に飛距離が足りず、ちゃんとした地面に届かない……などという悲劇を生む事になってしまいます。扱いには十分気を付けましょう。

他にも細かい変更点としては甲羅以外にも壊せないブロックをコイン、コインを壊せないブロックに一定時間入れ替えるPスイッチやステージ内にある鍵穴に差し込む事で分岐ルートへの道が開く鍵などを持ち運べるようになった事が挙げられます。鍵は勿論、Pスイッチをどこで使うかも分岐ルートを探すには重要になったりするので物を持ち運びしながらの操作に慣れておくと先が楽になります。

そして忘れてはいけないのが本作で初登場し、以降「スーパーマリオ」シリーズ派生作品の常連となっていくヨッシーの存在です。ヨッシーは決まったハテナブロックの中に卵となって閉じ込められており、助け出す事でマリオ達の旅の良き相棒となってくれます。

ヨッシーは上にジャンプする事で乗る事が出来、乗っている間はスピンジャンプをした時と同じように甲羅を粉砕出来たり、踏むとダメージになる敵やトラップを弾く事が出来たりするようになります。またYボタンで舌を出し、一部の敵を飲み込む事が可能になります。

ノコノコの甲羅やPスイッチなどは飲み込まず、口に含んで移動する事になりますが甲羅の場合、口に含んだ甲羅の色によって様々な追加アクションが取れるようになります。この追加アクションは甲羅を吐き出すか、一定時間経ち甲羅を飲み込んでしまうまで取る事が出来ますが、ある場所に隠されている色違いのヨッシー達に乗ると甲羅の色に加え、そのヨッシーの色に応じた追加アクションも同時に取る事が可能となるのです。

これら色違いのヨッシーはレアなので、見つけたら大事に扱っていきましょう。ちなみにPスイッチなどのアイテムは、いつまでも飲み込む事なく運搬する事が出来ます。

そんな万能なヨッシーですが、敵から体当たりされるなどしてダメージを食らうとマリオ達をその場に置いて逃げ出してしまいます。走るヨッシーにもう一度乗り直せばそのまま復帰出来ますが、逃げた先に穴があったりした場合はヨッシーはそのまま真っ逆さま。再び卵から再会するのを待つ事になります。

そうでなくても上ボタンを押しながらジャンプするかスピンジャンプをするかでヨッシーからは任意で降りる事が出来るので、ヨッシーを利用して二段ジャンプをし残されたヨッシーは良くて置き去り、悪くてやはり穴に真っ逆さま……という光景をプレイ中は割と頻繁に見る事になります。それでもマリオ達に付いてきてくれるヨッシーは、健気という他ありません。


本作の敵は舞台がキノコ王国から遠く離れた場所という事もあってか馴染みの敵は少なく、殆どが本作初登場の敵となります。特にノコノコと並んでシリーズの雑魚敵の代名詞とも言えるクリボーが出ないのは、当時のプレイヤーを驚かせたかもしれません。

前作に続き本作でもボスを務めるコクッパ達の戦い方も一新され、溶岩の上の左右にグラグラ傾く島で蹴落とし合いをしたり、画面をぐるりと一周した後上から降ってきてマリオ達の動きを止めてきたり、偽者二体と共にもぐら叩き状態で襲ってきたりと対決方法は様々です。殆どのコクッパは前作同様三回踏めば倒せますが、そうでないコクッパもいるので油断はしない事が大切です。

そしてラスボスであるクッパに関しては……やはり手強い、とだけ言っておきましょう。攻略方法は相変わらずノーヒントですが、今まで培ってきたテクニックがあればきっと道は開ける筈です。


スーパーファミコンと共に発売された本作は、その完成度から、スーパーファミコンというハードにユーザーを引き込む事に大成功しました。本作とゲームボーイソフト「スーパーマリオランド」の成功から、「スーパーマリオ」シリーズは任天堂の新作ハードにおける同時発売ソフトの常連になっていく事となります。



とりあえず、今回はこれにて。

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