表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/239

第三十四夜 ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女

一つ、ゲームの話でもしようか。



第一弾が好評を博し、順調なスタートを切った「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。早速、第二弾が作られる事になりました。

構造は前作と同じく、前後編の二部作。ストーリーは前作とは趣を変え、流行りの要素を取り入れて……。

そうして世に送り出されたのが、今回ご紹介する「ファミコン探偵倶楽部part2 うしろに立つ少女」です。


本作は少しずつディスクシステムに陰りが見え始めた時代、前作と同じく任天堂よりディスクシステムにて発売されたコマンド選択式のアドベンチャーゲームです。前作とシステム的な違いはなく、前作をプレイ済みならば同じ感覚でプレイする事が出来ます。

ストーリーは前作の前日譚に当たり、前作では姿を見せる事のなかった空木探偵事務所所長、空木俊介や前作で主人公の助手を務めたヒロイン、橘あゆみとの出会いが描かれています。ひょんな事から空木に拾われ空木探偵事務所の新米探偵として働く事になった主人公は、ある日河原で遺体で発見された女子高生、小島洋子の殺人事件の捜査を空木から任される事になる。早速彼女が通っていた丑美津高校にて捜査を開始した主人公だったが、それは丑美津高校に伝わる怪談と、その起因となった時効目前の十五年前の殺人事件と複雑に絡み合い、一本の線へ繋がっていく……というあらすじとなっており、寒村の名家で起こった連続殺人事件を題材にした前作に比べるとどことなくライトで取っ付きやすい雰囲気になったように感じます。

前作においてちびっ子達を震え上がらせた死体描写の方も大分マイルドになっており、本作も序盤で死体をアップで調べるシーンはあるものの、前作とはうってかわって美しさすら感じさせる絵となっており死体というものの恐ろしさを感じにくくなっています。とは言え恐怖描写が完全に消えたかというとそうではなく……と、これはまた後々お話しする事と致しましょう。

前述の通り本作のメインの舞台となるのは学校で、登場人物も教師や生徒が多めです。途中死人は増えるものの前作のようにバタバタと人が死んでいく事はなく、その点でもライトになったと言えます。

肝心の謎解きの方は本作もバッドエンドはないものの文字入力や捻った選択肢は健在なので、それなりと言ったところでしょうか。


さて本作における魅力と言えば、ヒロインである橘あゆみの存在です。前作におけるあゆみはヒロインと言えど時々出てくるヒント役、くらいの役回りでしたが、本作では被害者があゆみの親友という事もあり積極的に事件に関わってきます。

時に主人公を支え、時に逆に支えられながら健気に親友の仇を追う……。そんなあゆみの姿に、心打たれたプレイヤーは多いのではないかと思います。

それを裏付けるかのように、後年コンビニでの書き換え専用で出たスーパーファミコンでの本作のリメイクではあゆみちゃんとのラブラブチェックなるあゆみからの好感度を示すシステムが新規に搭載されたぐらいです。正直何やってんだと思わなくもないですが。


かように雰囲気的にも大分遊びやすくなった本作ですが、『本作一番の思い出は?』とプレイした人に聞けばまず間違いなく『クライマックスシーン』と答えるでしょう。このクライマックスシーンこそが、本作における最大の恐怖描写なのです。

詳しくはネタバレになってしまう為、ここでは書けませんが……このシーンをもってして、本作が前作以上の知名度と人気を今でも持ち続けているのは恐らく間違いないと思います。


本作発売後ディスクシステムの勢いは急速に衰え、正式なソフトとしての「ファミコン探偵倶楽部」シリーズは本作をもって終了となります。しかしシリーズの人気はその後も根強く、スーパーファミコン後期には前述のリメイクや、衛星配信サービス限定の続編が出たりもしました。

今なおファンを魅了して止まない輝き。それが、この「ファミコン探偵倶楽部」シリーズにはあると思います。



とりあえず、今回はこれにて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ