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第三十二夜 リンクの冒険

一つ、ゲームの話でもしようか。



前回は「ゼルダの伝説」シリーズの全ての始まり、「ゼルダの伝説」の話をさせて頂きました。ディスクシステムの力を存分に知らしめた「ゼルダの伝説」は大ヒットを記録し、ディスクシステムの看板作品となりました。

作品の人気が出れば、当然人はその続編を望みます。「ゼルダの伝説」も例に漏れず、すぐに続編が制作される事となりました。

しかし、ただ既存のシステムをブラッシュアップさせるだけで済まさないのが任天堂。続編として生まれてきたのは前作の長所を生かしつつ、全く操作性の異なるゲームだったのです。

今回ご紹介するのはその続編。「リンクの冒険」です。


本作はファミコンディスクシステムにて任天堂より発売された、任意の横スクロールアクションゲームです。見下ろし型であった前作とは、この時点でもう大分異なります。

拠点となる場所がなかった前作と違って各地に幾つかの拠点が点在する、レベルや魔法という概念があるなど、前作よりもRPG要素が強くなっているのも特徴です。これは本作が出た当時、かの「ドラゴンクエスト」によるRPGブームが起こっていた事に起因し、今流行りの要素を取り入れる事でもっと多くの人に本作を楽しんで貰おうとした為と思われます。

ストーリーは前作で魔王ガノンを倒したリンクが十六歳になったある日、残されたトライフォースの最後の一つ『勇気のトライフォース』の継承権を得る。リンクは過去に『勇気のトライフォース』を巡って起きた争いが原因で今も眠り続ける初代ゼルダ姫を救う為、ガノンを復活させようとリンクの血を狙う魔物達が徘徊するハイラル王国を巡り『勇気のトライフォース』を得る為の旅に出る……というもの。

この辺大変ややこしいのですが、本作のゼルダ姫は名前こそ同じなものの前作のゼルダ姫とは別人となっております。前作のゼルダ姫がどうなったのか、作中で語られる事は一切ありません。


本作のマップは見下ろし型のフィールドマップと横スクロールのアクションマップに分かれており、フィールドマップを歩いていると現れる敵シンボル、もしくは点在する建物に接触する事でアクションマップに切り替わります。逆にアクションマップからフィールドマップに戻るには、アクションマップの一番端から画面を抜ける必要があります。

先程RPG要素が強くなったと語りましたが横スクロールになった分アクション性も向上しており、本作のリンクは多彩なアクションを取る事が可能です。ジャンプやしゃがみによる攻撃の撃ち分けを始め、物語を進めていくと上突きや下突きといった複雑なアクションが取れるようになります。こうしたアクションが本作を攻略する上で重要だったりするので、早いうちに操作に慣れておく事をお勧めします。

本作のメインダンジョンは前作と同じ九つ。前作の裏ゼルダのような要素はありませんが、ダンジョンの構造はどれも広く、深いものとなっています。残り八つのダンジョンをクリアしないとラストダンジョンに挑めないのも、前作と共通した部分です。


さてレベルの概念が出来た本作ですが、一般的なRPGのそれとは少々毛色が異なります。敵を倒して経験値を得、レベルアップするという流れは変わらないのですがそのレベルアップさせるステータスが三つに分かれており、そのうち一つを任意で上げるというシステムになっているのです。

レベルアップさせられるステータスはライフ、攻撃力、魔力の三つ。ライフを上げれば敵からの攻撃により耐えるようになり、攻撃力を上げれば敵を少ない攻撃回数で倒せるようになります。最後の魔力は魔法を使う際に必要になり、当然多い方が沢山魔法を使えるようになります。

このレベル上げの際に気を付けなければいけない事は、各ステータスのレベルのセーブデータは個別管理されていないという事です。ゲームをセーブして再開した場合、各ステータスのレベルは三つのうち一番低いレベルのものに合わせられます。いわば、全てのステータスを同じレベルまで上げて初めて本当にそのレベルに達すると言ったところでしょうか。

これを知らずにいびつなレベル上げをしたままセーブすると折角上げたレベルが下がり、その分の経験値が無駄になってしまいます。もっともセーブして再開しなければレベルはそのままなので、タイムアタックを行う場合はわざといびつに必要なレベルだけを上げて速攻クリアする事もあります。


ところで「ゼルダの伝説」シリーズと言えば、歯応えのある謎解きが特徴のシリーズです。本作にもその特徴は勿論継承されているのですが、本作をプレイした大半の人は恐らくこう思うでしょう。『謎解きより、アクションの方が難しい』と。

本作のアクション難易度は、今なおシリーズ史上最難とも言えるものに仕上がっています。横スクロールアクションらしく穴に落ちただけでリンクが即死するのもそうですし、何より敵が硬くて手強い!

中でも本作を象徴する敵と言えるのが、鎧姿のタートナックです。この敵はリンクの攻撃を素早く盾で防ぎ、上下に巧みに剣を撃ち分け攻撃してきます。

タートナックの巧みな攻撃をノーダメージで防ぎながら、こちらの攻撃を当てる事は至難の技です。下手な人は攻撃を完全に完封され、一方的にライフを削られてしまいます。まあ筆者の事なんですが。

こんな奴が、一番最初のダンジョンから登場するのです。本作の難易度がいかに高いか、お解り頂けると思います。


完成度は高く意欲的ではあるものの、その難易度の高さから前作ほどの支持は得られなかった本作。次作「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」からは再び前作路線に戻り、本作のアクション性が継承された「ゼルダの伝説」が出るには本作より十数年後、舞台を3Dに移した「ゼルダの伝説 時のオカリナ」の発売まで待つ事になります。



とりあえず、今回はこれにて。

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