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第三十夜 ディープダンジョン2 勇士の紋章

一つ、ゲームの話でもしようか。



かつて、ディスクシステムが最盛期を迎えていた頃、DOGというブランドが立ち上げられました。DOGとは『ディスク・オリジナル・グループ』の略であり、まだ当時は中小企業だったスクウェアを旗頭に複数のファミコン未参入会社が参加し、皆でディスクシステムでゲームを出して一山当てよう!という理念の元に結成されたブランドでした。

しかし各ソフトの売り上げは芳しくなく、またディスクシステムそのものの衰退が早かった事もありDOGはものの数年で姿を消してしまいます。その後のスクウェア以外の会社の行方は不明ですが、一部は暫くの間細々とファミコンでゲームを作ってたりしたみたいです。

しかしながらこのDOG、決して駄作凡作を作っていた訳ではありません。確かに売り上げこそ芳しくなかったものの、粗削りながら確かに光るものがあったのも事実です。

今回はそんなDOGブランド作品、「ディープダンジョン2 勇士の紋章」をご紹介したいと思います。


本作は同じくDOGブランド作品として旧スクウェア、現スクウェアエニックス名義で発売されたファミコン初の3DダンジョンRPG「魔洞戦記 ディープダンジョン」の続編となる作品です。ジャンルは同じく3DダンジョンRPG、名義も変わらずスクウェアとなっております。

実は筆者、こういう時は前作の記事を雑誌で見て続編が欲しい!と続編から買い出し結果続編だけ所持とかがいつものパターンなんですが、本作に限っては何で欲しいと思ったのかさっぱり覚えていません。と言うのも、この前作に当たる「魔洞戦記 ディープダンジョン」の記憶が全くもってないんですね。

筆者の父はRPGやアドベンチャーゲームなどの文字の多いゲームは面倒だと言って一切やらなかった人なので欲しがったのは筆者で間違いないんですが……うーん、謎です。パッケージがかっこ良かったので、それに惹かれたんでしょうかね?


閑話休題。ストーリーは深いダンジョンを有する街、ドールにおいて前作にて前作主人公に倒された魔王ルウが復活。城も占拠され、人々が絶望の淵にある中前作主人公の面影を持つ本作の主人公がドールの街を訪れる……という王道展開となっております。丁度「ウィザードリィ」と「ドラゴンクエスト」を足して二で割ったような感じですね。

拠点であるドールの街の移動は選択肢のみで行う事となり、マップは存在しません。施設はタダで体力回復をしてくれる神殿と武器防具やアイテムなどが揃っている交易所があります。

ドールの街で売っているアイテムは皆基本的なアイテムばかりで、もっと強い武器防具や便利なアイテムはダンジョン内で敵や宝箱から手に入れる必要があります。冒険の拠点となる場所はこのドールの街しかないので、ダンジョン内で手に入るアイテムは根こそぎ取っておく事をお勧めします。


手持ちのお金で準備を整えたら、いよいよダンジョンへ突入となります。ダンジョンは上に四フロア、下に四フロアの計八フロア構成となっており、まず最上階まで行って重要アイテムを手に入れたら魔王ルウのいる最下層へ挑む、という順序で攻略する事になります。

ダンジョンは最初の地上一階から既にかなり広く、マッピングなしではろくに先に進む事も出来ません。一応周囲の地形が解るようになるアイテムは序盤で手に入るのですが、焼け石に水です。と言うか、方向音痴のきらいがある筆者はそのアイテムが手に入るとこまですらいけませんでした。

モンスターとはエンカウント方式で戦う事になりますが本作のエンカウントは少々変わっておりまして、何と何もせずに立ち止まっていても発生する場合があります。メニューを開いている時だけはエンカウントが止まるので、用事が出来てちょっとだけゲームを中断しないといけない時は忘れずにメニューを開いておくようにしておきたいところです。

戦いは常に一対一。大変男らしいです。一応ターン制ではありますが常に交互にターンが巡るとは限らないので、あと一発は耐える!という時でも油断はしないようにしましょう。


さて実は本作、この時代には珍しいマルチエンディングが採用されております。エンディングは後半のとある行動で分岐するようになっていて、間違った行動を取るとバッドエンド、正しい行動を取るとトゥルーエンドとなります。

トゥルーエンドルートは前作の内容にも深く関わるものとなっていますので、前作をプレイした人なら一見の価値ありです。……まあ筆者は前述の通り、前作の存在をまるで知らなかった訳ですが。

また本作にはこれまたこの時代には珍しいキャラコンバート要素があり、前作のプレイデータを読み込んだ状態で始めると序盤が少しだけ有利になるようになっています。プレイ中もソフトが入れ替え自由なディスクシステムだからこそ出来た、ファミコンにはない仕掛けですね。なおキャラコンバート要素自体は後にファミコンに移植された「ウィザードリィ」シリーズにも盛り込まれていますが、こちらはターボファイルという別売りの外付け装置が必要な為利便性は本作には少々劣るでしょうか。


かようにゲームとしてはまだまだ粗削りではありますが、まだ日本で馴染みが薄かった3DダンジョンRPGという存在を世に知らしめ、そのタイトル通りの深い魅力に心奪われた人もいる本作は決して凡弱な存在などではなかったと筆者は主張します。もしも今ディスクシステムが動くなら、最も最初からやり直したいと思っているゲームでもあります。

ちなみにこの「ディープダンジョン」シリーズは多くないながらも一定人気を得た為か、DOG消滅後もファミコンにステージを移し細々と作られ続ける事となりますが……その続編に関する話は、またの機会に致しましょう。



とりあえず、今回はこれにて。

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