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第二十七夜 ドラゴンボール 大魔王復活

一つ、ゲームの話でもしようか。



第二十夜でも少し触れましたが、これまで、週刊少年ジャンプで連載された作品の数多くがゲーム化されてきました。その中でも最も多くゲーム化された作品が、かの「ドラゴンボール」です。

「ドラゴンボール」と言えば言わずと知れた、週刊少年ジャンプ一の看板作品です。主人公、孫悟空が作中にて繰り広げた名勝負の数々は、今もってなお語り草となるほどのものです。

そんな、迫力あるバトルシーンが売りの「ドラゴンボール」。ゲーム化にあたっても、当然それを再現したいと制作スタッフは考えます。

今でこそハードのスペックも上がり、原作を再現したようなバトルシーンを演出する事が可能になりましたが初期の「ドラゴンボール」のゲームが出ていたのはファミコンです。スペック的にどう考えても無理があります。

事実、「ドラゴンボール」ゲームのファミコン処女作である「ドラゴンボール 神龍の謎」は普通のマップ探索型のアクションゲームとなりました。難易度は全然普通じゃありませんでしたが。

ですが、『ファミコンでも迫力あるバトルを演出したい!』という夢を当時のスタッフが捨てきれなかった……のかどうかは解りませんが、とにかくそれを追求した作品がその後出る事になります。

それが今回のテーマ、ファミコンソフト「ドラゴンボール 大魔王復活」です。


本作は原作にてピッコロ大魔王編が終わって少し経った頃に旧バンダイ、現バンダイナムコエンターテインメントから発売されたRPGです。ここで読者様の大半が『え、「ドラゴンボール」でRPG?』と思われたでしょうが敢えて大まかな分類をつければそうなるだろうという話なので、今回の分類に関しては大分自信がありません。話半分程度にお聞き下さい。

話を戻します。ストーリーは原作のピッコロ大魔王編に大幅にアレンジを加えたものとなっており、敵は基本的にピッコロ大魔王を始めとした魔族達です。原作の魔族達だけでは足りなかったのか、本作オリジナルの魔族も何人かいたりします。

原作通りクリリンの遺体が発見されるところから物語が始まり(何故か場所は天下一武道会会場ではなくカメハウスですが)、その犯人であるタンバリンに破れて目を覚ましたところで本格的な冒険がスタートします。ここから先は、大まかなゲームシステムをご紹介致します。


まず本作はマップパートと探索パートに分かれており、そのうちメインは探索パートとなります。探索パートはアドベンチャーゲームとなっており、状況によってその都度用意されたコマンドを任意で選択して悟空を動かし物語を進めていきます。

探索パートの難易度はそれほど高くはありませんが、割と頻繁にゲームオーバー直行の罠選択肢が紛れ込んでいたりするので総当たりは厳禁です。一応落ち着いてプレイすれば、罠選択肢が何なのか解るようになってはいますが……。

この探索パートをクリアすると今度は次の目的地に移動するマップパートに移る……のですが、ここでの操作が少々特殊なものとなっております。それを少しずつご紹介していきましょう。


まず悟空は、常に五枚のカードを持っています。カードにはそれぞれ星(一~七まで)、技の種類、漢数字(一~九まで)が記されており、星はマップと後述する戦闘、その他は戦闘にのみ関係するステータスとなります。

マップ移動時、悟空は手持ちのカードを一枚消費する事になります。そして消費したカードの星の数の分だけ、悟空はマップを先に進む事が出来ます。

ざっくりと言えば、出す目がある程度任意で選べる双六みたいな感じです。なお、カードは使った分だけ即補充されていきます。

それなら星の数が多いカードを使ってさっさと先に進みたくなるのが人情ですが、そうもいきません。これからお話する戦闘においても、星の数は重要な要素になるからです。

マップを一回進む度、悟空の持っているカードとは別の裏返しになった五枚のカードの中から必ず一枚を引く事になります。ここで体力回復などのラッキー効果を持つ神龍カードを引ければ幸運ですが、もしピッコロ大魔王カードを引いてしまうと逆に敵との戦闘になってしまいます。

出現する敵は常に一人で、強さは物語の進行度に依存します。先に進めば進むほど弱い敵は出現しなくなり、戦闘を避けて進んだだけ後が辛くなるので面倒でも戦闘は頻繁に行う事をお勧めします。まあそんな心配なんてないぐらい、頻繁に出るのがピッコロ大魔王カードなんですが。

悟空と各敵にはそれぞれレベルが設定されており、基本的にレベルが高い方が有利に戦闘を運べます。敵のレベルは固定ですが悟空のレベルは敵を倒し、経験値を得る事で上がるのでなるべく悟空のレベルは周囲の敵と同じか、それより少し高くなるようにしておくと戦闘の面では安定します。筆者が冒頭で本作をRPGとしたのも、こういったレベルの概念によるものです。

戦闘が始まると、まずカードを何枚まで纏めて使って戦うか選択する事になります。基本的にはこちらが決めますが、たまに敵の方が強制的に決めてくる事もあります。

使うカードの枚数を決めたら、今度は使う順番を決めます。必ず先に決めた枚数の中で順番を決めなければならない為、この時星や漢数字の低いカードが手持ちに多かったら要注意です。

枚数と使う順番が決まったら、いよいよ攻撃権を決める事になります。カードに記された星の数は攻撃権の強さを表しておりまして、悟空と敵が同時に出したカードの星の多い方が一方的に相手に攻撃が出来るのです。なお星の数が同じ場合はドローとなりカードを消費するだけでどちらの攻撃も行われず、また悟空の星が一で相手の星が七の場合は例外的に悟空の攻撃になるという特殊ルールも存在します。

攻撃権を得た方は、カードに書かれた種類の技で相手を攻撃します。拳なら突き、蹴なら蹴り、必ならかめはめ波などの必殺技といった感じです。

このうち最も威力のあるのはやはり必殺技で、悟空が必殺技で攻撃権を得た場合やはり五枚の裏返しのカードの中から一枚を選んで使用する必殺技を決める事になります。始めは残像拳やかめはめ波といった基本的な必殺技ばかりですが、レベルが上がるにつれて多重残像拳、超かめはめ波と使える必殺技も徐々にパワーアップしていきます。

もし攻撃権を取られてしまっても、慌ててはいけません。カードの漢数字は防御力を表しており、これが高いほど受けるダメージが軽減されたり、時にはノーダメージに抑えてくれたりするのです。

もし星の数が少ないカードしか手持ちにない場合は、漢数字の多いカードで守りを固め星の多いカードが配られるのを待つという手も使えます。ただしこれは悟空が敵に攻撃する際も同じ事が言えるので、攻撃権が取れたからと言って決して油断なさりませんよう。

以上の手順を繰り返し、先に敵の体力をゼロに出来れば悟空の勝利、逆に悟空の体力がゼロになってしまうとゲームオーバーとなります。戦闘はマップパートだけでなく探索パートでも発生する為、探索パートに入る前にあらかじめ強いカードを残しておくなどすると若干有利に事を進める事が出来るでしょう。


さて、ここまで長々とシステムについて語らせて頂きましたが、本作最大の特徴と言えるのはずばり、コミックバトルと呼ばれるバトルの表現法です。コミックバトルとは戦闘の流れを漫画のようにコマ割りで表現する事でスピード感あるバトルを演出する手法で、事実本作とこの手法は上手く噛み合い、ファミコン中期でありながら原作を思わせるバトルの再現に成功しています。このコミックバトルは、次回作となる「ドラゴンボール3 悟空伝」においても採用される事になります。

まだまだゲームに使える容量の少ない時代、こういう工夫を凝らして原作の魅力を再現しようという試みはなかなかに面白いものがあります。制限があるからこそ出せる魅力もある、という奴ですね。


まだまだゲームとしては荒削り、けれど原作の魅力を一生懸命リスペクトしようとした意欲作である本作。この後スーパーファミコンにて発売された格闘ゲーム「ドラゴンボールZ 超武闘伝」シリーズにバトンタッチを行うまで、本作の流れを継承した「ドラゴンボール」ゲームは出続ける事になります。



とりあえず、今回はこれにて。

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