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第二十五夜 超魔界村

一つ、ゲームの話でもしようか。



初期はアーケードからの移植作が多かったファミコン。しかし徐々にファミコンの売り上げが伸び、また内容的にも色々なものが作れるという事が解ってくると各社は少しずつファミコンでのオリジナルタイトルに着手していく事となります。

オリジナルタイトルはものの数年で爆発的にその数を増やしていき、ファミコンにおける移植作とオリジナルタイトルの割合はあっという間に逆転する事になりました。ここから、ファミコンの黄金期が始まりを迎えるのです。

さてそれから時が経ち、ファミコンの後継機であるスーパーファミコンが産声を上げます。ファミコンが生まれた当初とは違い、家庭用ゲームは売れるものだと学習した各社は新しいハードの性能を存分に活かしたオリジナルタイトルを次々と世に送り出していきます。

今回は、そんなスーパーファミコン初期に開発されたオリジナルタイトルの一つ。

カプコンの「超魔界村」について語ろうと思います。


本作は、前回ご紹介した「魔界村」を初代とした魔界村シリーズの三作目に当たるタイトルです。前々作である「魔界村」、前作である「大魔界村」はどちらもアーケードが初出のタイトルでしたが、本作は一転してスーパーファミコンでのオリジナルタイトルとして開発されました。当時のスーパーファミコンが、どれだけ強い期待を持たれていたか解る話ですね。

ストーリーは二度魔界と戦い、姫を救出してきた王国騎士アーサーがまたしても姫をさらい、地上に魔界を復活させた何者かに戦いを挑むというものになっています。シンプルではありますがその分やる事が解りやすく、小さな子もすとんと入り込みやすいストーリーと言えるでしょう。


さて初代「魔界村」では貧弱極まりなかったアーサーの性能ですが、流石に三作目ともなると大分出来る事は増えています。まず基本動作に、二段ジャンプというものが増えました。

これは一度ジャンプした後もう一度ボタンを押す事で更に空中での再ジャンプが可能になるというもので、これにより普通のジャンプでは届かない大きな穴を飛び越えたり、より高い所に登ったりというアクションが可能になっています。ただし本作のジャンプは空中制御が不可能な為、きちんと着地点を考えてジャンプしないと足場を通り過ぎて為す術もなく穴に真っ逆さま……という事にもなりかねないので注意が必要です。と言うか何度もなりました。

また本作には、アイテムによるパワーアップ要素もあります。各ステージには幾つか宝箱が隠されており、その中に時々入っている鎧を取る事で武器の性能がアップするのです。

パワーアップ段階は全部で三つ。ノーマルの鋼の鎧を着ている時に出現する青銅の鎧を取れば武器が強力になり、青銅の鎧を着ている時に出現する黄金の鎧を取ればボタン溜め押しで各武器に応じた魔法が使えるようになります。ただし、例え黄金の鎧まで成長させても敵の攻撃を食らえば一発で鎧が壊れ、裸になってしまうのは従来の通りなのでくれぐれも過信は禁物です。

黄金の鎧を装備して使える魔法の種類は広範囲にダメージを与えるものやアーサーの周りにバリアを張り巡らせるもの、変わったものだと画面上に隠れている宝箱を見つけ出すものなんかもあります。武器は使いにくいのに魔法は使いやすい、またはその逆のパターンなんかもあり、どの武器をメインで使うべきか考えさせてくれます。


アーサーの性能が上がったんだからクリアも楽になったのかというと、そうはいかないのがこのシリーズ。スーパーファミコンの性能を活かした数々のステージギミックは、一面からアーサーに魔界の洗礼を浴びせにきてくれます。

歩く度に隆起、陥没しては変わる地形、地面ごとアーサーを飲み込もうと襲ってくる津波……これらに巧みに計算された敵配置も加わって、初っぱなからアーサーの残機を次々もぎ取っていきます。今回はオプションで初期残機を最大9にして始められるのが救いです。

前述した宝箱の存在も、いい事ばかりではありません。大抵は武器や鎧が入っている宝箱ですが中にはトラバサミやお邪魔キャラであるマジシャンが入っている事もあり、トラバサミは触ってしまうとダメージ、マジシャンは一撃で倒せるもののもし撃ってくる魔法を浴びてしまえば何らかの別の生き物に一定時間姿を変えられてしまい、攻撃が出来なくなる上移動性能も大幅に落ちてしまうという大変危険な状態になってしまうのです。

宝箱の中身はランダムではなく今アーサーがどの鎧を身に付けているか、通算何回目に出した宝箱か、によって決められている為、しっかり法則を覚えてマイナス効果の宝箱は開けないようにするといった攻略法が必要となってきます。と、口で言うのは簡単ですが、実際に全ての宝箱の中身のパターンを覚えるのは物凄く難しいしめんどくさいんですけどね。

なお「魔界村」であった『全ステージ二周しないとエンディングに辿り着かない』『特定の武器を持っていないと最終面にいけない』といった要素は本作でも健在でありまして、ラスボスを倒す回数こそ一回に減りましたが相変わらずの鬼畜難易度ぶりを見せつけてくれます。前述のオプションによる初期残機増加や回数制限はありますがコンティニューもあるので、粘り強く腕を磨いていけばいつかは全ステージ制覇出来るかもしれませんが先は長いです……。


今回も『魔界』の名を冠するに相応しい骨太の難易度を引っ提げて世に送り出された本作。シリーズ全てをクリアした人は、この『魔界』の魅力に取り憑かれた人なのかもしれません。



とりあえず、今回はこれにて。

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