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第二百三十夜 ゼルダの伝説 時のオカリナ3D

一つ、ゲームの話でもしようか。



最初に言ってしまうと、今回のテーマは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」です。但し正確にはその3DS移植版、「ゼルダの伝説 時のオカリナ3D」です。

3Dゼルダの始まりとなった作品、「時のオカリナ」。筆者は以前から、やってみたくてみたくて堪りませんでした。

しかしそのハードはNINTENDO64。筆者の小遣いでは、手が出せませんでした。

そして時は流れて2011年。筆者の耳に、「時のオカリナ」がニンテンドー3DSで発売されるという話が飛び込みました。

あの「時のオカリナ」が携帯機で遊べる。欲しい。物凄く欲しい。

そこで筆者、丁度新しいテレビを買いに行くところだった親と取引しました。買ったテレビの運搬役など全部やるから3DSと「時のオカリナ」買ってくれと。

結果取引は成立。めでたくハードとソフト両方ゲットとなったのでした。

そんな思い出の籠った今回のテーマ。ちょっと前置きが長くなりましたが、そろそろいってみましょう。


本作はニンテンドー3DS初期、任天堂よりニンテンドー3DSにて発売された3Dアクションアドベンチャーゲームです。1998年にNINTENDO64で発売された「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を立体視に対応させ、その他細部を3DS向けに作り直した移植作品となります。

それまで魔獣としての姿での登場のみだった魔王ガノンの人間態ガノンドロフが初めて登場した作品で、現在のゼルダ史では歴史が分岐する起点となる物語という位置付けの作品でもあります。以下はストーリー。


ハイラル王国にあるコキリの森。そこに住む少年リンク(名前変更可)は森を住処とするコキリ族が生まれつき持つ筈の妖精を何故か持っておらず、その事を仲間にからかわれる日々を送っていた。しかしある日、そんなリンクの元にとうとう森の守り神である『デクの樹サマ』から妖精が遣わされる。その妖精ナビィはリンクに、デクの樹サマの危機を伝える。森に安置されていた剣を手にデクの樹サマの中に救う魔物を倒したリンクだったが時既に遅く、虫の息のデクの樹サマはリンクに『精霊石』という宝物を託し、森を出て『神に選ばれし姫』を探すように言い息を引き取る。デクの樹サマの遺言に従い、ナビィと共に生まれて始めて森を出るリンク。やがて明らかになるゲルドの王、ガノンドロフの野望。リンクはハイラル城で巡り合った『神に選ばれし姫』ゼルダ姫と共に、ガノンドロフの野望を阻止する事が出来るのか――?


本作のシステムで画期的と言われるのが、『注目』というシステム。これは今では当たり前のように使われる、事前にボタンを押してターゲットを指定する事でそのターゲットに対するアクションを外れなくするというシステムの事です。

本作以前の3Dアクションにはこういった自動照準的なシステムがなく、その都度手動で狙いを付けるしかありませんでした。それがボタン一つで簡単に照準が合うようになった。確かにこれは画期的です。

3DS版でもボタンは変われどシステムは健在で、問題なく使う事が出来ます。N64版とどちらが使いやすいかは個人の好みによるでしょうか。

ちなみに本作の注目はナビィが協力してくれているという設定で、ボスを注目するとナビィが攻略のヒントを教えてくれる事があります。しかしヒントを教えてくれるのかと思いきゃ放つ言葉が『弱点なんか解らない』だったり、ボスに完全に怖じ気付いてしまい注目そのものが不可能になったりとあんまり当てには出来ない模様。


ストーリーが進むとリンクが成長し、更に大人時代と子供時代を行き来する事が可能になります。子供時代には行けなかった所に大人時代では行ける、或いはその逆などがあり、ちょっとしたパズル的要素にもなっています。

また子供時代に行った事が大人時代に影響を及ぼす事もあり、時にはこの要素を利用しないと行けない場所などもあります。大人時代で行き詰まった時は、一度子供時代に戻ってみるのもいいかも。

子供と大人、二人のリンクは基本アクションこそ一緒ですが装備出来る品や使用出来るアイテムなど、そこかしこに違いが見られます。寧ろ子供と大人で共通して使えるアイテムの方が少ない。

子供時代のパチンコと大人時代の弓矢など役割は大体同じでアイテムが変わっただけというものもありますが、そこは弓矢の方は魔法の矢を使えるなどで差別化されています。この為子供時代と大人時代とでは、立ち回りも大分変わってくる事となります。


本作でもう一つ特徴的なシステム、オカリナ。本作では様々な場所や人から、オカリナのメロディを教わる事になります。

教わったメロディは実際にボタンを使って奏でる事で、人や物に何らかの影響を及ぼします。結構種類があるのに、全部五個程度のボタンで奏でられてしまうのが凄い。

また3DS版独自の要素として、二画面を利用する事により楽譜を見ながら奏でられるようになりました。N64版では楽譜を暗記しなければならず、演奏が少し複雑な場所移動系のメロディなどは若干使いにくかったのですが、それが改善された形となります。

ちなみにオカリナのメロディの元となっているBGMは本作内でも人気のものばかり。筆者も大好きです、迷いの森。


本作でもハートのかけら集めは健在ですが、本作にはもう一つ、『黄金のスタルチュラ』という収集要素があります。これは子供時代・大人時代それぞれのフィールドやダンジョンなどに隠れている金色に輝くスタルチュラを倒し、その印を集めるというものです。

印を一定数集める度、カカリコ村にあるスタルチュラハウスの住人の呪いが解けます。呪いが解かれた住人は、お礼に様々なアイテムをプレゼントしてくれます。

アイテム進呈は50個目で打ち止めですが、黄金のスタルチュラ自体は全部で100匹存在します。全ての黄金のスタルチュラを倒すと……?

ちなみに夜にしか出ないものもいるなど、時間を気にするのも捜索ポイントの一つ。昼夜を瞬時に変える事が出来る『大陽の歌』も上手く利用する事。


これまでは「夢をみる島」のマリン以外、あまりキャラクターについてはフィーチャーされなかった「ゼルダ」シリーズ。しかし本作では、印象的なキャラクターが多数登場する事になります。

その中でも一番人気と言えるのは、やはりサリアでしょうか。それまでの「ゼルダ」にはなかった幼馴染みというポジション、そしてどれだけ月日が流れても変わらずリンクを想い続ける健気さ……これで人気が出なかったら嘘だろと言わんばかりの属性てんこ盛り。

また人気の面ではサリアに一歩及ばないものの、マリンを彷彿とさせる容姿と素朴な性格が魅力のマロン、数々のプレイヤーをケモナーの道に引きずり込んだと言われるゾーラの概念を覆す美しさを持つルト姫と他の女性陣も魅力的な者ばかり。ちなみに筆者はルト姫派。

かくしてメインヒロインである筈のゼルダ姫が完全に割りを食う形に。まあ最終的に誰とも結ばれないんですけどね!

なお女性キャラの話ばかりしてますが、ガノンドロフにダルニアにシークと男性キャラもいい味出してます。……シークは男性に数えていいのか微妙だけどあれ肉体は完全に男性のものらしいし……。


さて本作はN64版の移植作な訳ですが、勿論ただ移植した訳ではありません。立体視を筆頭に、3DS版ならではの要素も盛り込まれています。

まず変化したのはグラフィック。本作のグラフィックは全てN64版を元に一から作り直されており、より美麗になり且つ立体視でも見やすいようにと工夫がなされています。

更にリンクの細かいモーションにも後のシリーズのものから取り入れたものがあるなど、全体的により生き生きと、滑らかな動作になっています。


次に画面分割。本作ではメイン画面が上、メニュー画面が下と分割され、装備を変えたりアイテムをセットしたりの度にいちいちメニューを開かなくてもよくなっています。

更にメニューを指でタッチしやすいようにメニューそのものが作り直されており、操作の合間にちょいちょいっと弄れるのも利点。ちなみにセットしたアイテムはタッチでも使う事が可能です。


そして一番大きいのが、シーカーストーンの追加。これはコキリの森と時の神殿に一つずつあり、調べるとダンジョンの謎解きについてのヒントが映像になって流れるといういわゆる救済要素です。

本作の謎解きは難しく、攻略本必須と言われるレベルです。シーカーストーンはそんな本作の詰まりやすい箇所をピックアップして、ヒントが見れるようになっているのです。

但しあくまで詰まりやすい箇所のピックアップであり、欲しいヒントが必ずある訳ではない点に注意。それと一度ダンジョンに入ってからでないとヒントは現れないので、そこは面倒臭いかも。


後は本編クリア後に解禁される、通称『裏ゼルダ』の存在もあります。裏ゼルダは本編とダンジョンの作りは一緒ですが謎解きは全く異なり、前述のシーカーストーンもありません。

更に全てが左右反転しており(この為裏ゼルダではリンクは右利き)、敵からのダメージも二倍となっています。耐久力やボスの攻略法までは変わってないのが不幸中の幸い。

謎解きの難易度アップもさる事ながら、被ダメージ上昇が地味に辛い。敵の攻撃を上手く捌く腕がないとクリアは厳しいでしょう。


他にも全ての神殿に行けるようになると一度戦ったボスともう一度戦える『チャレンジボスバトル』をリンクの家で行えるようになるなど、結構色々な部分がN64版から変わっています。どうしてもオリジナル版じゃないと嫌!という方以外は、今からやるなら3DS版をお勧め。


オリジナルの持ち味を殺さずハードの持ち味も追加した、良移植のお手本と言っていい本作。N64版、3DS版共に名作であると、自信を持って言える一本です。



とりあえず、今回はこれにて。

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