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第二百十四夜 カズオ みんなに楽しい数字のパズル

一つ、ゲームの話でもしようか。



ナンバープレイス、略してナンプレというアナログパズルの形式があります。ゲーム業界では、数独とも言われていますね。

ルールは簡単。九つの3×3の小さな正方形に仕切られた9×9の大きな正方形の縦列・横列・小さな正方形の中身全てに、1~9の数字を一切被らないように既に書かれている数字をヒントに埋めていくという単純なもの。但し解くのも簡単とは一言も言ってない。

時代がニンテンドーDSやPSPに移ると、ゲームで脳を鍛える脳トレがブームになり始めました。それに伴い、それまではゲーム機であまり出なかったような学習系ゲームやアナログパズルのゲームが次々と出始めました。

ナンプレ、または数独も、そうやってゲームとして出るようになったアナログパズルの一つです。今では数独でアプリ検索すると、大量のアプリがヒットするようになっていますね。

今回はPSPにしては珍しい、そんなナンプレ、または数独のゲームを一本。と言ってもそのゲームの性質上、語れる事はあまりないんですが……。

発売元は、ソニー・コンピュータエンタテインメント。タイトルは「カズオ みんなに楽しい数字のパズル」です。


本作はPSP初期、ソニー・コンピュータエンタテインメントよりPSPにて発売されたパズルゲームです。版権の都合かナンプレ、または数独という言葉は全く使われておりません。

脳トレ系のゲームですのでストーリーは一切なく、プレイヤーはただストイックに用意された全1000問を解いていく事になります。仕組みが単純とは言えこのボリュームは、流石ニンテンドーDSに容量の面で勝っていたPSP。


ゲームを開始すると、まずメモリースティックにゲームデータが保存された後ネームエントリーをする事になります。一度エントリーをするともう名前変更やエントリーの取り消しは出来ないので、エントリーの際は慎重に。ちなみにエントリー枠は6となっております。

エントリーが終わると、メインメニューに移ります。メインメニューで選べる項目は以下の五つ。


『ひとりでカズオ』は一人プレイ専用。全1000問の問題に挑んでいく、本作のメインモードです。

『まわしてカズオ』は二人~四人プレイ用。一台のPSPを使って皆で遊ぶ、対戦モードの一つです。

『ワイヤレスでカズオ』は通信モード。他のPSPと通信を行い、対戦を行ったりゲームのシェアをしたりします。

『カズオの遊びかた』はいわゆるチュートリアル。ルールを確認したり、トレーニングで例題を解いたりする事が出来ます。

『オプション』はゲーム環境の設定の変更を行えます。各問題毎の自己ベストタイムを確認したい時もここ。


次からは、三つのゲームモードの詳しい解説を行っていきます。いずれもコンピューターゲームならではの要素を盛り込んだものとなっております。


『ひとりでカズオ』を選ぶと、まず難易度、画面のテーマ、挑む問題をそれぞれ設定する事になります。選んだ段階では難易度と画面のテーマは最後に遊んだもの(初期設定は並とランダム)、挑む問題はまだ解いていない問題のうちからランダムで選ばれた問題が設定されています。

難易度は四種類に分かれており、簡単な方から易・並・難・極となっています。問題数はそれぞれ易が440問、並が320問、難が160問、極が80問で構成されています。

画面のテーマはランダム・地・空・火・水・カスタムの中から選ぶ事が出来ます。選択したテーマによって背景や効果音が変わり、ランダムは全てのテーマの中からランダムに、地空火水はそれぞれのテーマに属するものの中からランダムに、カスタムは全てのテーマ素材をバラバラに組み合わせたものをランダムにそれぞれ問題の背景や効果音に選んで適用します。

問題は未クリアのものは黒字で、クリア済みのものは赤字で表示されます。問題は一ずつしか移動出来ない為、やりたい問題と自動的に選ばれた問題の間に差があるとやりたい問題に設定するのが若干面倒臭いのが難点。

全て設定し終えてスタートを選ぶと、問題の開始です。基本的なルールはアナログ版と一緒ですが、本作では以下の部分がアナログ版とは異なっています。

まず数字入力は、右上にセットされている数字のみを入力出来ます。数字はLRボタンで切り替わり、正しいマスに全て入りきった数字は色が暗くなります。

全ての数字が正しく嵌まった縦列・横列・小さな正方形はその都度青く光り、数字が全て揃った事を示します。逆に間違った数字が嵌まっているマスは赤く光り、そのマスに嵌まる数字はそれではないと教えてくれます。

各問題にはそれぞれ、目標タイムが設定されています。この目標タイムは、後述のクリア評価に繋がります。

またマスに入れる数字を間違える度、画面左のハートマークが一つずつ失われていきます。全部で五つあるこのハートマークが全て失われると、間違った数字を入れる度現在のプレイタイムに時間が余分に加算されるようになります。

全てのマスに全ての正しい数字が嵌まるとその問題はクリアとなり、クリア評価に移ります。クリア評価では目標タイムと実際にクリアまでにかかった時間を比較し、目標タイムより速ければ目標タイムからクリアタイムを引いた残りの秒数がクリアポイントとして加算され、目標タイムより遅ければ余分にかかった秒数分のクリアポイントが引かれます。

このクリアポイントの合計により、現在遊んでいるプレイヤーネームのデータの総合的な評価が決まります。評価は六段階まであり、クリアポイントが加減される度にその都度計算されるようになっています。

最後に遊んだ問題の総合ベストタイムとそれを出したプレイヤーネームが表示され、そのまま次の問題に進むかの選択。次の問題に進むを選択すると同じ設定で次の問題が始まり、戻るを選ぶとメインメニューに戻ります。


『まわしてカズオ』を選ぶと、『ひとりでカズオ』時に設定する項目の他にもう一つ、何人で遊ぶかという項目が加わります。人数は2~4人の間で設定出来、必ず対人戦のみとなります。

基本的なルールは『ひとりでカズオ』時と変わりませんが、追加ルールとして以下のルールが設けられます。まずこのモードでは、一つの問題を複数人で解いていく事になります。

各プレイヤーにはそれぞれ持ち時間が与えられ、自分の番が来たらその時間内にどれか一つのマスに数字を入力します。数字の入力までにかかった時間はその都度記録され、もしも数字が間違っていたり持ち時間内に数字が入力出来なかったりするとペナルティとして大量の時間が加算されてしまいます。

数字を一つ入力して次のプレイヤーに交代するを繰り返し、問題クリア時に入力にかかった時間の合計が一番短かったプレイヤーが勝者となります。ちなみに選べる問題は『ひとりでカズオ』時と全く同一なので、そちらでの予習としてこのモードを利用するも良し。


『ワイヤレスでカズオ』を選ぶと、更に対戦を行うかゲームのシェアを行うかを選択する事になります。それぞれの流れは以下の通り。


対戦の場合は、まずプレイヤーのうち一人がホストとなり対戦ルームを作成します。他のプレイヤーはその対戦ルームに入る事で、2~4人での対戦プレイが可能になります。

ホストは『ひとりでカズオ』時に設定する項目の他に、対戦形式を選ぶ事になります。対戦形式には『バトル』と『レース』の二種類があり、それぞれが全く違う内容となっています。


『バトル』はいわゆる陣取り合戦で、一つの問題のマス目を全員で早い者勝ちで埋めていきます。埋まったマスは埋めたプレイヤーに設定された色に染まり、上書きは出来ないようになっています。

もしマスに間違った数字を入れるとそのプレイヤーは一定時間締め出しを食らい、その間は解答に参加出来なくなります。パズルが終わった時点で、最も多くのマスを埋めたプレイヤーが勝者となります。

『レース』はいわゆるタイムアタックで、全員が別々に同じ問題を解きそのクリアタイムを競い合います。ちなみに『バトル』『レース』共通で、画面右下に他プレイヤーが正解した・ミスをしたなどの情報が逐次入ってくるようになっています。


ゲームのシェアには、二つの方法があります。一つは本作を持っている者同士でベストタイムを共有する方法、もう一つは本作を持っていないユーザーにサンプルゲームを送る方法です。

ベストタイムの共有はこれは簡単。『ワイヤレスでカズオ』メニューの『ワイヤレス共有』の項目を選ぶだけ。これで通信を行ったプレイヤー同士の各問題のベストタイムが、お互いのうち最も速いプレイヤーのものになります。

サンプルゲームの送信は、本体メニューの『ゲームシェアリング』を利用します。まずゲームを持っている側が、『ワイヤレスでカズオ』メニューの『カズオをゲームシェアする』を選んでデータの送信を行います。

そして受け取る側は本体メニューの『ゲームシェアリング』でデータを検索し、ヒットしたデータを受け取ります。これで本作を持っていないユーザーのPSPに、本作のサンプルゲームが送られます。

但しこれで送られたサンプルゲームは、本体の電源を切るか本体メニューに戻るとそこで失われてしまいます。永久保存の方法はないので注意。


さて本作、実際の遊び勝手はどうかというとアナログ版よりは大分遊びやすいです。しかし肝心のゲームとしては、少々味気ないものになってしまっています。

一つはBGMのパターンの乏しさ。本作のBGMは問題に集中出来るようにという配慮からか環境音のようなものばかりで、耳で楽しめない分通常よりも飽きが来やすくなっています。

もう一つが総合評価の幅の狭さ。クリアポイントの量で総合評価が変わるという触れ込みの本作ですが、実際やってみると難易度易を50問ほど解く頃には最高評価に達してしまいます。

折角これだけの問題数を用意したのですから、一つ総合評価を上げるのに必要なポイント数はこの十倍くらいでも問題なかったのでは……。ぶっちゃけこのせいで、折角の評価システムが形骸化している点は否めません。


書き出してみると意外と書く事あった……。この手のゲームにしては珍しい対戦機能など見るべきところはありますが、やはり総合的にはいまいち詰めが甘い作品、というのが最終評価でしょうか。



とりあえず、今回はこれにて。

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