第二百十夜 星のカービィ 夢の泉デラックス
一つ、ゲームの話でもしようか。
実を言うと、ゲームボーイアドバンスのソフトはあまり持っていなかったりします。活躍した時代がそんなに長くないというのもあるんですが、興味のあるソフトは中古でも高いものが多く、あまり気軽に手を出せなかったんですね。
そうこうしている間に時代はニンテンドーDSへと移り変わり、そっちに夢中になってしまった訳で。そして気が付けば面白そうなゲームボーイアドバンスのソフトは、ろくに市場に出回っていないか見かけても更に価格が高騰してる始末……。
今回は筆者が持っている、数少ないゲームボーイアドバンスのソフトのお話。そしてまたカービィ。筆者ホントにカービィ好きだな!
タイトルは「星のカービィ 夢の泉デラックス」。どうか最後までお付き合い下さい。
本作はゲームボーイアドバンス初期、任天堂よりゲームボーイアドバンスにて発売された横スクロールアクションゲームです。ファミコンソフト「星のカービィ 夢の泉の物語」のリメイク作品に当たります。
ストーリーは完全にオリジナル版と同一で、変更は一切なし。オリジナル版の時点で十分綺麗に纏まった話だったので、ここは高評価ポイント。
リメイクによって強化された部分は、やはりグラフィック。キャラが全体的に大きくなり、色彩も含めて「星のカービィスーパーデラックス」のビジュアルに近い感じになりました。
一部コピー能力でカービィが帽子を被るというのも、同作から引き継がれた要素。これにより今カービィがどのコピー能力を持っているのか、視覚的に解りやすくなっています。
また理由は不明ですが、一部の敵は別の敵への差し替えが行われています。その後オリジナル版が普通に配信された辺り、差し替え前の敵に何か問題があった訳ではなさそうですが……。
なお一方でハードの能力の問題で再現が不可能な演出もあったらしく、そこはオリジナル版よりもちょっと味気なくなっています。まあいくら性能が向上したと言っても、所詮は携帯機だった訳で……。
本作のコピー能力は全部で25種類。オリジナル版から増えてもいないし、減ってもいません。
性能もオリジナル版と全く同一で、オリジナル版をプレイ済みなら問題なく使いこなす事が出来ます。まあコピー能力は敵から得るというシステム上、コピー能力を増やす=敵の種類も増える、となる訳で……。
その代わり本作から、コピー能力の説明文がはっちゃけ始めます。真面目にコピー能力を説明しているものは殆どなく、大半がノリと勢いだけでやっちゃったみたいな文章になっています。
ちなみにこの説明文の方向性はこの後暫く続く事となり、少なくともゲームボーイアドバンス時代はずっとこんな感じ。いや個人的には好きですけどね。
変わったと言えばBGMにも幾つか変更が加えられており、BGMが差し替えられていたりオリジナル版にはなかったBGMが追加されていたりします。中には当時好評を博していた「大乱闘スマッシュブラザーズDX」からの逆輸入BGMも……。
一方で削除されたBGMもあり、オリジナル版のミニゲームのBGMは全て未収録。まあミニゲームそのものが変わってしまったから、仕方ない。
ミニゲームは完全に一新され、そのうち本編で遊べる三つは本編をクリアしなくてもいつでも遊べるようになりました。また通信機能を使って、四人まで一緒に同じミニゲームを遊ぶ事が出来ます。
本作に収録されているミニゲームは以下の通り。ちなみに最初から遊べる三つはオリジナル版同様、三つの難易度から遊ぶ難易度を選べるようになっています。
『刹那の見切り改』はオリジナル版の『はやうちカービィ』、「星のカービィスーパーデラックス」の『刹那の見切り』同様、ボタンの早押し速度を競います。看板のマークが『!』に変わったら素早くボタンを押し、その速度が要求速度より早ければクリアとなります。
クリアする度に要求速度はどんどん上がっていき、全五戦のうち何戦目まで勝ち抜けたかでボーナスが決まります。ちなみに最後の相手はメタナイト。使用するのが刀なので剣士のメタナイトを、といった感じでしょうか。
『爆裂!ボンバーラリー』は飛んでくる爆弾をフライパンで打ち返し、どこまで生き残れるか競うというもの。今更ですが爆弾の爆発に巻き込まれても生きてるプププランドの住民凄いですね。
この打ち返しタイミングがなかなかにシビアでしかもだんだんスピードも上がっていくので、難易度は高め。というか最低難易度でも最後まで生き残れた試しがない。
『カービィのエアグラインド』は四人のカービィがそれぞれ星型の乗り物を操り、誰が一番先にゴール出来るかを競うというもの。同じ構成のコースを全員が別々のレーンに分かれて、一斉に進んでいきます。
途中にある黒い部分をそのまま進むと大きく減速してしまう為、ウィリーを使って切り抜ける必要があります。慣れてくると一番楽しいミニゲーム。
『かちぬきボスバトル』はシリーズ恒例のボスラッシュ。本編をクリアする事で遊べるようになります。
オリジナル版にあったヘビーモール戦後のライフ全快がなくなっているので、難易度はオリジナル版よりも上。ただでさえ辛いメタナイト戦が更に辛く……。
『メタナイトでゴー!』はカービィの代わりにメタナイトを操り本編のステージをクリアしていくというもの。本編クリア後に遊べるようになるエキストラモードをクリアする事で解禁されます。
メタナイトの攻撃はカービィのコピー能力のソードと同等で変更も効かないんですが、これが固いブロックは壊せるわ杭は打てるわ導火線に火をつけられるわと超性能。問題なのはリーチだけで、後は剣一つで全部可能。何だこのチート武器。
翼で問題なく空も飛べるので、ミニゲームは一切遊べなくなるとは言えある意味ライフが同条件のエキストラモードよりも楽。ちなみにメタナイト戦ではメタナイトVSメタナイトに。
ラスボスまではいかず、デデデ大王を倒したところでゲーム終了。クリアにかかったタイムが計測され、クリア画面表示の後タイトルへと戻る事となります。
オリジナル版同様、本作にもエキストラモードは存在します。遊ぶ為には同様に本編のクリア達成率を100%にする必要がありますが、オリジナル版と違ってセーブは可能になった為多少難易度は緩和されたと言えます。
エキストラモードではライフの最大値が3になり、元気ドリンクの回復量も1になります。またミニゲームの難易度も最高難易度になり、ボーナスを得にくくなっています。
本作で最高の称号『ほしのカービィ』を得るには、このエキストラモードのクリア達成率も100%にする必要があります。ちなみにオリジナル版とは異なり、エキストラモードクリア後に本編を遊んでもエキストラモードクリアで得た特典は消えないようになっています。
オリジナルのいいところはそのままに、より遊びやすく進化した本作はまさにリメイクのお手本と言えます。……オリジナル版のミニゲームもおまけでいいから収録してくれたら、個人的には満点だったんですが。
とりあえず、今回はこれにて。
 




