第百九十六夜 アレイウェイ
一つ、ゲームの話でもしようか。
ブロック崩し。テレビゲームのジャンルの中でも、特に古いものの一つです。
下から斜めに跳ね返っていくボールを打ち上げて、上にあるブロックを壊していく。シンプルながら中毒性もあり、今でもプログラミングのお手本的存在として扱われていたりします。
今回はゲームボーイ初期に出た、そんなブロック崩しの一つをご紹介しようと思います。タイトルは「アレイウェイ」です。
本作はゲームボーイ初期、任天堂よりゲームボーイにて発売されたブロック崩しです。ゲームボーイと同時発売されたソフトの一つで、ゲームボーイのお手軽さを前面に押し出した作りになっています。
ブロック崩しですので、ストーリーなどは特にありません。マリオがパドル(ボールを跳ね返す板)に乗り込むデモシーンの後、ゲーム開始となります。
今更説明するまでもないと思いますが、基本ルールの説明。プレイヤーは左右には動けても上下には動けないパドルを操作し、ボールを下に落とさないようにしながら画面上のブロックを全て消す事を目標にする事となります。
打ち出したボールはパドル、ブロック、壁、天井に触れる事で跳ね返ります。跳ね返る角度はボールがどの角度から跳ね返す対象にぶつかったかで決まり、基本パドル側で角度調整を行わない限りは同一となります。
ボールがパドルにぶつかった場合、パドルのどの位置にぶつかったかでボールの角度や、跳ね返る方向などが変わります。闇雲に跳ね返すだけでなく、これを利用した位置調整を行わないといつまで経っても終わらない……なんて事にもなり得ます。
ブロック崩しの中にはこちらを助けてくれるアイテムが出るような作品もありますが、本作にはそういった要素はなく完全に己の腕一本での勝負になります。最初のボーナスステージが終わるとボールが天井にぶつかるとパドルが小さくなるという要素も加わり、ブロック崩しとしての難易度は高めだと言えます。
ちなみにエクステンド有りで、1000点毎に1up。但しブロック一個につき得点が1~3点とかなので、道のりは果てしなく遠いです。
ステージは全32面構成となっており、三面クリアする毎にボーナスステージを一面挟む形になっています。ここではそれぞれのステージの特徴を順にご説明していきます。
最初のステージは、何のギミックもない普通のステージです。最もやりやすいようで、実は最も精密な動作を要求されるステージでもあります。
二番目のステージは、ブロックが右から左、または左から右にループして動き続けます。狙って当てるのは難しい反面、適当に打ち返しているだけでも案外何とかなるのがこのステージ。
三番目のステージは、ボールがパドルに跳ね返る度にブロックが一段ずつ下に降りてきます。ブロックは一定位置まで降りてくると消滅するので、死なないように気を付けてさえいればクリア出来るのですが、ブロックが近くなる分それも大変……。
ボーナスステージは、通常ステージとは少し勝手が違います。まず制限時間が設けられており、それを過ぎるとブロックが残っていても自動的に終了となります。
ボーナスステージではブロックにボールは跳ね返らず、そのまま突き抜けて破壊していきます。また天井にボールがぶつかっても、ボーナスステージ中はパドルが小さくなりません。
制限時間内にブロックを全て消し切ればボーナス点。ミスをしてもボーナスステージが途中終了するだけで、残機は減りません。
ブロックを崩した得点が雀の涙の本作において、ボーナスステージこそが残機を増やす鍵になります。ここをコンスタントに成功させる腕前がないと、全ステージを制覇するのは難しいでしょう。
ちなみに全ステージを終了してもエンディングなどはなく、また最初にループするだけ。時代を考えると、まあ、仕方ないですかね。
余談ですがボーナスステージのブロック配置は「マリオ」シリーズのキャラのドット絵になっています。どれもたった三つの色表現で見事に描かれており、ここは一見の価値ありかなと。
ちょっと暇な時、電源を点けては黙々とブロックを崩し続ける。そんなゲームボーイの初期コンセプトには、ピッタリの一品だったんじゃないでしょうか。
とりあえず、今回はこれにて。




