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第百八十二夜 平成新・鬼ヶ島

一つ、ゲームの話でもしようか。



スーパーファミコン後期、任天堂が行っていたサービスに『ニンテンドウパワー』というものがあります。これはスーパーファミコンのROMの中身を丸ごと別のゲームに書き換えてしまおう!というディスクシステムのスーパーファミコン版で、専用の書き換え用ROMを利用する事で安い価格で新しいゲームが手に入るという、NINTENDO64発売で役目を終えようとしていたスーパーファミコン最後の打ち上げ花火でした。

ニンテンドウパワー対応ソフトは任天堂の過去の名作の他、ニンテンドウパワーでしか手に入らない専用のソフトなどもあり、次世代機を買う余裕がなく未だスーパーファミコンで遊んでいたユーザーに多く利用される事となりました。書き換えは当時のローソンで可能で、ゲーム屋に行かなくても気軽に書き換え可能なのも嬉しい点でした。

しかし中には、割高になってもいいから書き換えではなくちゃんとしたROMで専用ソフトを遊びたいという声も存在しました。その声に応える形で、ニンテンドウパワー専用ソフトはROMカセットとしても発売される事になったのです。

今回はそんなニンテンドウパワー専用から始まったソフトの一つ。「平成新・鬼ヶ島」のお話です。


本作はスーパーファミコン後期、任天堂よりスーパーファミコンにて発売されたコマンド選択型アドベンチャーゲームです。前編と後編が別々に存在しますが、ディスクシステムの「新・鬼ヶ島」とは異なり前編は前編だけで、後編は後編だけで遊ぶ事が出来ます。

ストーリーはオムニバス形式となっており、前編と後編にそれぞれ全三章構成の話が二話ずつ収録されています。内容は「新・鬼ヶ島」に登場した三匹のお供達を主役にしたスピンオフが一話ずつに「新・鬼ヶ島」の八章と九章をスピンオフを踏まえた内容にリメイクしたもの一話となり、各話にはそれぞれミニゲームも収録され単純なアドベンチャーゲームではなくなっています。

更に前編と後編にはそれぞれ「新・鬼ヶ島」の前編と後編がまるまる収録されているという、スーパーファミコン後期だから出来たお得仕様。但し音源などは新たに作り直され、完全にオリジナルそのままという訳にはいきませんが。

ちなみに本作の初出は実はニンテンドウパワーではなく、かつてサテラビューで配信されていた「BS新・鬼ヶ島」に手を加えて通常のゲームに直したものが本作だったりします。ストーリーの大筋やミニゲームの内容に大きな変化はないので、サテラビューを持っていなかった人向けの発売という側面もあったのかもしれません。


章単位でのセーブしか出来なかった「新・鬼ヶ島」と異なり、本作では語り部である『いったいさん』の顔をしたお地蔵さんを調べる事でいつでもセーブが可能となっております。セーブデータは一つのみで、前のデータに上書きする事でしかセーブは出来なくなっています。

移動は従来のコマンド選択による移動の他、キャラを操作してマップの中を直接移動する方式も新たに取り入れられています。Bボタンを押しながら移動で走る事も出来、移動のストレスは感じにくいようになっています。

難易度は、前編第一話のりんごの巻ではゲームオーバーらしいゲームオーバーは特にありませんが(話がそれ以上先に進まなくなった展開ならある)、第二話まつのすけの巻の三章辺りからゲームオーバーが出始め、それに合わせて難易度も急上昇します。正直何度山姥に食い殺されたか解らない。

第四話では「新・鬼ヶ島」では直接やり合う事のなかった鬼達とどんべが戦うミニゲームも挿入され、ここではどちらが攻撃権を取るかをルーレットで決める事になります。目押しは十分に可能な速度ですが、鬼の中にはこちらが不利になる術をかけてくる者もおり油断は出来ません。

なおRPGよろしく戦えば戦うほどどんべは強くなり、ライフが増えていきます。どんべのライフ数は第四話三章での龍との最終決戦にも響いてくるので、龍と楽に戦いたかったらなるべく鬼達と戦いライフを稼いでおく事をお勧めします。

また前編では第二話三章、後編では第四話三章最後のおまけのミニゲームをクリアすると、クリア後解禁となる「新・鬼ヶ島」の前編と後編それぞれのヒントを三つのうちから一つだけ貰う事が出来ます。どれも詰まりやすい部分のヒントなので、「新・鬼ヶ島」初見のプレイヤーには大いに役立つ筈です。


なお本作は「新・鬼ヶ島」を、言わば補完する存在である筈なのですが……。実際に本作と「新・鬼ヶ島」を遊び比べると、どうしても矛盾してしまう箇所が幾つか存在します。

これも後付けの悲しい宿命という奴なのでしょうか。そこさえなければ、個人的評価はもっと上だったかも。


ミニゲームの難易度は高めなもののアドベンチャーゲームとしての難易度は適度で、アドベンチャーゲームが苦手な人でも楽しめるのではないかと思います。ただ如何せんROMカセット発売がハード末期も末期なので、今からマトモに手に入るかどうかが問題か。



とりあえず、今回はこれにて。

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