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第百七十一夜 す~ぱ~ぷよぷよ通

一つ、ゲームの話でもしようか。



前回に引き続き、今回も「ぷよぷよ」シリーズについて。今回のテーマは「す~ぱ~ぷよぷよ通」になります。

今回はアッパーバージョンである「す~ぱ~ぷよぷよ通リミックス」にも触れていきます。今なお『通こそ至高』とするぷよらー(「ぷよぷよ」シリーズ愛好家)が多い「ぷよぷよ通」、一体どんなものなのでしょうか。


本作はスーパーファミコン全盛期、コンパイルよりスーパーファミコンにて発売されたパズルゲームです。前作「ぷよぷよ」の大ヒットで業績が上向いたからか、本作からは開発のコンパイルが自ら発売に乗り出しています。

以下はストーリー。前作「ぷよぷよ」にて主人公アルルにこてんぱんにやられた闇の帝王サタンさま(『さま』までが公式の呼び名)。これによりプライドをズタズタに傷付けられたサタンさま、今度は大きな塔を建て、そこにアルルを呼び寄せた。今度こそ、アルルをギャフンと言わせてやる為に。更にどさくさに紛れて、アルルを自分のものにする為に。そんなサタンさまにまたもや付き合わされる事になったアルル。塔の中で待ち受ける『ぷよぷよ地獄』の猛者達を打ち倒し、サタンさまに再び『ばたんきゅ~』と言わせる事が出来るのか? お気楽極楽のーてんき、何が懸かっている訳でもない戦いが今、幕を開けた――。といった感じになっています。

サタンさまには最初は自分の元からカーくん(カーバンクル)を連れ去ったアルルを殺そうとしていたがやがてアルル自身に興味を示すようになったという設定の変遷があり、前作はまだアルルを殺そうとしていた頃、本作はアルルに興味を示すようになった頃の設定がそれぞれ適用されています。その為「ぷよぷよ」シリーズしかプレイしていないプレイヤーは、前作と本作のサタンさまの態度の違いに面食らったりしたものと思います。

まあサタンさまの所業はシリーズが進むにつれて更にアレな事になっていくんですが……。くだらない発想でも実行出来るだけの強大な力の持ち主だからなおタチが悪い。


基本ルールは概ね前作に準じているのですが、本作から追加されたルールも幾つかあります。ここでは、そんな追加ルールの数々をご紹介していきます。

まず本作で追加された目玉ルールと言えば、『相殺』システムです。「ぷよぷよ」シリーズではブロック(以下ぷよ)を消すと相手フィールドにおじゃまぷよを送り込む事が出来るというのは、前回ご説明したと思います。

本作ではおじゃまぷよを送り込まれた時まだ予告ぷよの段階であれば、自分もぷよを消す事で相手におじゃまぷよを送らない代わりにその数を減らす、または帳消しにして逆に自分だけがおじゃまぷよを送り込む事が出来るようになりました。この行為を『相殺』と言います。

この相殺が追加された事により前作までのような『とにかく早く連鎖を組めば勝ち』とはなりにくくなり、連鎖を発動させるタイミングも考えなければならないという戦略性が生まれました。折角連鎖を組んで大量におじゃまぷよを送り込んだのに、直後に相殺され無駄になった、なんて事もよくある話です。

またおじゃまぷよを送り込まれてもとにかく何かしらぷよを消せば数は減らせるので、初心者でも生き残りやすくなりました。前作と比べ、より万人が楽しく対戦出来るゲームになったと言えます。

他にも追加ルールは存在します。本作では、前作ではしても特に何も起こらなかったフィールド上のぷよを全て消す行為『全消し』にボーナスが入るようになりました。

全消しを達成するとまずスコアにボーナスが入り、更に一定時間後相手フィールドにおじゃまぷよ三十個がプレゼントされます。この時のおじゃまぷよは相殺対象であるとは言え、強力な事には変わりません。

達成するのは難しい全消しですが、狙う価値は十分にあります。狙えそうなら狙って、相手に大量のおじゃまぷよを送ってやりましょう。

操作の面では、クイックターンというシステムが追加されました。これは両端がぷよで囲まれた溝の中に操作ぷよを入れた際、回転ボタンを素早く二回押すと操作ぷよの上のぷよと下のぷよが入れ替わるというシステムです。

これによりフィールド上にぷよが積み上がってしまっても降ってくるぷよの色次第では危機を脱する事も可能になり、前作より少し窒息しにくくなりました。何事も諦めない事が肝心だと教えてくれるシステムです。

また細かい事ですが次に降るぷよを予告するネクストぷよの範囲が広がり、次の次のぷよまで確認出来るようになりました。これによって更に連鎖を構築しやすくなり、遊びやすさが上がったと言えます。


上記の基本ルールとは違いますが、本作ではコンピューター戦対人戦問わず対戦に特殊ルールを適用する事が出来ます。特殊ルールを適用すると、おじゃまぷよの種類に以下のものが増えます。


得点ぷよは性質は普通のおじゃまぷよと一緒ですが、消すとスコアが増えるというおじゃまぷよです。スコア狙いの時にはピッタリのおじゃまぷよで、これが出るとちょっと得した気分。

固ぷよは二回他のぷよの消滅に巻き込まないと消えないという、ちょっと手強いおじゃまぷよ。一度消滅に巻き込むと普通のおじゃまぷよに姿を変えますが、消滅するぷよが二個以上隣接していた場合はそのまま一緒に消滅します。


得点ぷよは普通のおじゃまぷよとは一緒に出てきませんが、固ぷよは他の種類のおじゃまぷよと一緒に降ってくる事があります。その場合は一番上の横一列のみが固ぷよとなり、残りはそれ以外のおじゃまぷよとなります。


本作のモード解説。本作のモードは前作より一つ増え『ひとりでぷよぷよ』、『ふたりでぷよぷよ』、『みんなでぷよぷよ』、『とことんぷよぷよ』の四つとなっております。


『ひとりでぷよぷよ』は今回、『やさしいぷよぷよ』と『ふつうのぷよぷよ』の二種類のモードで構成されています。以下に、それぞれの進め方を記していきます。


『やさしいぷよぷよ』は前作の難易度『やさしい』に相当する練習用モード。ぷよの色は三色までで、三人(と、ノーコンティニューで戦えるプラス一人)を順番に相手していく事になります。

お馴染み漫才デモは本編である『ふつうのぷよぷよ』とは異なる独自のものとなっており、順番的にこっちのデモの方が後に作られている為か本編よりこっちのデモの方が面白いような……。まあそこは好みの問題かも。

練習用モードなので基本的には全員あまり強くないんですが、ノーコンティニューで現れる隠しキャラ『のほほ』だけは別格。のほほは手始めに右三列にひたすらぷよを積んでいくという特殊な思考パターンの持ち主なんですが、ぷよの色が三色しかないこのモードの設定と積み方のシナジーが噛み合いすぎて大抵の場合早いうちから大連鎖を連発。

まともに連鎖を組んでも相殺が精一杯で、やがておじゃまぷよの物量に押し切られる……こういう事がガチで頻繁に起こります。ぶっちゃけ本編より強い。

前作の『やさしい』に比べるとノーコンティニューで三人倒すのは割と簡単なので、大半の人がこの腹黒カエルの前にひれ伏す事になります。何でこんなのを練習用モードの最後の相手にした……。

なお三人、もしくはのほほを含めた四人を倒すとエンディングデモが流れて終了。対戦履歴は表示されますが、スタッフロールは流れません。


『ふつうのぷよぷよ』は本作のメインモードで、全部で六階層の塔を一階ずつ攻略していく事になります。対戦可能なキャラは全部で33人と、前作の倍以上となっております。

一つの階には、それぞれ決まった数のキャラが配置されています。プレイヤーはこれらのキャラの中から、ルーレットで対戦相手を決める事になります。

対戦相手が決まったら、いつもの漫才デモの後対戦開始。余談ですがこの漫才デモはオリジナルのアーケード版にはスケジュールの都合で入れられず、家庭用機への移植の際に改めて付けたという経緯があったりします。

対戦に勝利した際、その階で得た累計スコアが規定スコアを上回っていれば次の階へ進めます。逆に規定スコアに届かなかった場合、既に対戦した相手を除いた残りのキャラの中からまた対戦相手をルーレットで決めます。

大抵の場合はその階担当を全員倒し終えるまでにスコアが規定値に達するようにはなっていますが、もし全員倒し終わってもスコアが規定値に達しなかった場合、その階に潜むボスキャラとの延長戦が始まります。そしてボスキャラを倒してもなおスコアが規定値に満たない場合は塔を追い出されゲームオーバー、また最初からやり直しとなります。

とはいえ実際のところ、一番対戦相手が少ない五階以外はボスキャラに会う方が難しかったり……。特に一階は対戦相手が八人もいるので屈指の難しさ。

ちなみに最上階の六階のみはそういった先に進む為の条件はありませんが、こちらはこちらである条件を満たすとラスボスが隠しキャラに変更になります。隠しキャラがラスボスになるとエンディングも専用のものに変化する為、腕に自信があれば是非。


『ふたりでぷよぷよ』は従来の難易度設定の他、対戦ルールを細かく決める事が出来るようになりました。決められるルールはぷよが消える個数の変化、おじゃまぷよの種類の変更などの簡単な部分を変えただけのものから、自分達で細かい設定を弄る事の出来るエディットルールまで実に様々です。

それ以外は『ひとりでぷよぷよ』とルールは一緒。一緒に遊ぶ相手がいる方は、是非このモードで相手と火花を散らしましょう。


『みんなでぷよぷよ』は別売のマルチタップを接続して初めて遊べる対人戦専用モード。マルチタップが接続されていない状態では、モード自体を選べないようになっています。

このモードでは三人から四人までの同時対戦が可能となっており、それぞれのフィールドも小さくなってはいるもののきちんと全員分表示されます。全員で競い合い、一番最後まで生き残ったプレイヤーが勝者となります。

一人のプレイヤーがぷよを消すと、他の全員に同じ数だけおじゃまぷよが送られます。相殺は自分の元へ送られてきたおじゃまぷよのみ可能で、他プレイヤーを助けるような事にはなりません。

ただマルチタップと人数分のジョイスティックが必要とあって、遊ぶ為の敷居が少々高いのが難点。裏技を使えばコンピューターとの対戦も一応可能にはなっていますが……。


『とことんぷよぷよ』は前作からの変更点はあまりありませんが、数少ない変更点としては、難易度ではなくオプションで二種類のお助けキャラの有無を選べるようになった点と同じくオプションでおじゃまぷよを降らせるか選べるようになった点が挙げられるでしょうか。おじゃまぷよを降らせるようにした場合、ランダムな数のおじゃまぷよが定期的に降ってくるようになります。

カーバンクルとおじゃまぷよを同時にオンにし、おじゃまぷよの上にカーバンクルを乗せるとそのおじゃまぷよは普通のぷよに変わり、他のおじゃまぷよも次々普通のぷよに変えてくれます。おじゃまぷよ有りでプレイするなら、カーバンクルはオンにしておいた方がお得かも?


ここからは「す~ぱ~ぷよぷよ通リミックス」(以下「リミックス」)での追加要素のお話。本作から僅か四ヶ月後に発売された「リミックス」ではありますが、かなり多くの要素が追加されています。


まず『ひとりでぷよぷよ』モードに大きく手が加えられ、全33人のキャラと順番に戦っていく『通モード』が追加されました。更に『やさしいぷよぷよ』モードが更に三つのモードに分かれて戦う人数が大幅に増え、各モードごとにエンディングが用意される(最後の『そつぎょう』のエンディングは本作の『やさしいぷよぷよ』のものと一緒)という大盤振る舞い。

但し『やさしいぷよぷよ』モードに追加されたエンディングは一枚絵のみだし、漫才デモの追加の方は一切ないので期待されすぎませんよう。たかが四ヶ月、されど四ヶ月。

『ふたりでぷよぷよ』モードは各難易度の調整と『大会モード』が追加されたとの事ですが……基本ぼっちの筆者はこのモードをあまり遊ばないのでよく解りません。すみません。

『みんなでぷよぷよ』は正式にコンピューターを相手に遊べるようになり、一人でもプレイが可能になりました。更にコンピューターの思考パターンも選択可能で、弱い思考パターンばかり選んで無双するも良し、強い思考パターンで固めて腕試しするも良しと色んな遊び方が出来るようになっています。

『とことんぷよぷよ』は『おてほん』が加わり、連鎖の組み方をレクチャーしてくれるようになりました。初心者はまずこれを見て、連鎖の基礎を学ぶのがいいかも。

そして細かい事ですが音源が一から作り直され、よりオリジナルであるアーケード版に近い音になりました。実際に両者を聞き比べてみると、かなり音が違ってビックリする。


正直開発期間が短かかったのに、よくもまあここまで追加要素を加えてきたものだと感心させられます。流石に漫才デモなど時間のかかる部分は無理だったとはいえ、これで価格は本作より下がったんだから凄い。


その後の「ぷよぷよ」シリーズの土台になっていくだけあり、完成度はかなり高いと言える本作。しかしそれ故に、シリーズはこの後更なる進化を模索するのに苦労していく事となるのです……。



とりあえず、今回はこれにて。

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