表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/239

第十六夜 ゼルダの伝説 夢をみる島

一つ、ゲームの話でもしようか。



さて前回は、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」について語らせて頂きました。今回はその番外編に当たるゲームボーイソフト、ゼルダの伝説シリーズ第四弾「ゼルダの伝説 夢をみる島」を取り上げようかと思います。

長々とした前置きも今回はなしです。早速、いってみましょう。


本作は、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の大ヒットを受けて制作された、ゼルダの伝説シリーズ初のゲームボーイ作品です。前作のエンディング後が舞台となっており、祖国ハイラルを離れ修行の旅に出ていた主人公リンクが航海中嵐に見舞われ、謎の島コホリントに漂着するところから物語は始まります。

前回『ゼルダ姫が出てこないゼルダの伝説』について少しだけ触れましたが、本作のヒロインは漂着したリンクを助けた島の少女、マリンでありゼルダ姫は最後まで出てきません。冒頭に、マリンとゼルダ姫が似ているという話がちらっと出るくらいです。本作はシリーズ初の、『ゼルダ姫が出てこないゼルダの伝説』でもあるのです。

コホリントで目覚めたリンクは不思議なフクロウに導かれ、島を出る唯一の方法であるという『風のさかな』の目を覚ます為、島の各地にあるダンジョンに散らばった八つの『セイレーンの楽器』を集める冒険に出発する事になります。

スーパーファミコンと比べるとボタンも容量も少ないゲームボーイで出た本作ですが、基本的なアクション性は全く損なわれておりません。幾つかのアクションはアイテムを装備して行うものに変更になりましたが、前作をプレイしていれば殆ど違和感なくリンクを動かせるのは凄いところです。

それどころか前作にはなかった新アクション、ジャンプまで引っ提げているというのですから、当時のスタッフの気合いの入れようが解るというものです。ゲームボーイでもスーパーファミコンと変わらぬアクション性を、という意気込みが伝わってくるようです。

謎解きの難易度は、電池の関係であまり長々とプレイ出来ないゲームボーイに合わせてか前作と比べると若干簡単であるように感じます。少なくとも筆者は前作のように、特定箇所で詰まって一週間も先に進めなくなるという事が本作ではありませんでした。

しかし簡単すぎるかと言えばそうではなく、場面によってはかなり頭を使わされる部分も存在します。単純な力押しでは倒せないボス群も健在です。

お遊び要素も手を抜いてはいません。ミニゲームは前作から一新され、また収集要素も前作でのハートのかけらの他に、ヒミツの貝殻というものが増えています。

ヒミツの貝殻はハートのかけら同様島の至る所に隠されており、全部で二十個以上集めてある場所に行くとご褒美が貰えるという仕組みになっています。ご褒美を貰うには貝殻を二十個集めれば事足りますが、折角ですから島にある全部の貝殻を探し集めてみるのもいいのでは?

また本作には『わらしべアイテム』という要素があり、その名の通り次々とアイテムを物々交換していくという仕組みになっています。ミニゲームの景品から始まりリボン、木の棒、中には女物の水着なんていうのも?

単なるお遊び要素かと思いきゃ先に進む為に絶対に必要となるアイテムもあり、なかなか侮れません。次は何と交換するんだろうという、ワクワクを煽る手法も流石です。

忘れてはいけないのが本作を彩るBGM。何とゲームボーイでありながら八つのダンジョン全てBGMが違うという凝りようで、白黒で表現されたダンジョンに個性を与えてくれます。

また中盤になると『風のさかな』が眠る卵の前で目覚めの歌を奏でる事が出来るようになるのですが、これが今手持ちの『セイレーンの楽器』の数によって目覚めの歌のバージョンが異なるという細かい仕様。筆者などはダンジョンをクリアし楽器を手に入れる度に、歌を奏でに行っていたものです。


さて色々とゲームシステムについて述べてきましたが、本作最大の魅力は本作のヒロイン、マリンにあります。マリンは前述の通り島に住む女の子で、いつもは自宅のあるメーベの村で大好きな歌を歌いながら暮らしています。

それまでのヒロインであるゼルダ姫は基本『救出する対象』でありストーリー自体にはあまり関わってこなかったのですが、マリンはうってかわってがっつりストーリーに関わってきます。基本的にメーベの村に行けばいつでも会えるというのも従来とは違う点です。

そして何よりもマリンの魅力を最大限に引き出すのは、期間限定でマリンをあちこちに連れ回せるようになるイベントです。マリンはこちらの取るアクションに様々な反応を返してくれるので、ついつい無駄にアクションをしてしまったりします。中には正統派ヒロインとしてはちょっぴりアレな反応も……?

そんな印象的なマリンだからこそ、迎えるエンディングは……ここでは多くは語りません。もし興味を持たれたら、ご自分の目で確かめてみるのが良いでしょう。

なお、このマリンは筆者だけでなくプレイヤー全体に人気が高かったらしく、次作の「ゼルダの伝説 時のオカリナ」では明らかにマリンを意識したと思われるキャラ、マロンが。更にゼルダの伝説シリーズ初のお祭りゲーとなった「ゼルダ無双」ではDLCでの使用キャラとして抜擢されていたりします。マリンに心奪われたのは、筆者だけではないという事ですね。


余談になりますが、本作では他の任天堂キャラが多数、客演しております。マリンの父、タリンはマリオそっくりだし、他にもルイージ、ヨッシー、ピーチ姫などお馴染みのキャラクター達がチョイ役として出演しているのです。

中には知る人ぞ知るマイナーゲームからの客演もあり、元ネタが全て解る人はかなりの任天堂通と言っても過言ではないでしょう。気になったら、出演作を調べてみるのもいいのでは?



とりあえず、今回はこれにて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ