第百五十三夜 まじかる☆タルるートくん MAGIC ADVENTURE
一つ、ゲームの話でもしようか。
さて今回のご紹介は「まじかる☆タルるートくん MAGIC ADVENTURE」です。いつもより前置きが短いって? ゲームボーイ版を取り上げた回で言った通り、この漫画に関しては色々心中複雑なんですよ……。
とは言えゲームには罪はない訳で。それでは早速いってみましょう。
本作はスーパーファミコン初期、旧バンダイ、現バンダイナムコエンターテインメントよりスーパーファミコンにて発売された横スクロールアクションゲームです。基本的なシステムは同社より出ているファミコン版に準じており、そちらをプレイ済みならすんなり入っていく事が出来ます。
以下はストーリー。今日は本丸と伊代奈ちゃんのデートの日。タルるートとミモラちゃんも、伊代奈ちゃんとの待ち合わせ場所に向かう本丸についていきます。ところが待ち合わせ場所に着くと、伊代奈ちゃんがライバーにさらわれたというではありませんか。ミモラちゃんの事が大好きなライバーは、ミモラちゃんが恋するタルるートに嫉妬して楽しい時間を邪魔する為に伊代奈ちゃんをさらったに違いありません。タルるートは本丸とミモラちゃんと一緒に、伊代奈ちゃんを救う為ライバーを追いかけます。果たして三人は、無事伊代奈ちゃんを助け出す事が出来るのでしょうか……? といった感じになっています。
タルるートと同じ魔法使い、しかもタルるートを激しく邪魔に思っているという点が重なり、「まじかる☆タルるートくん」のゲームのボスと言うと大体ライバーが駆り出されてる気がします。まあ他にボスに出来そうなキャラがいないのも事実。
まず基本的な操作から。本作では「スーパーマリオワールド」のように全体マップを移動し、途中に立ち塞がるステージを選んで攻略していきます。
各ステージは一度クリアした後も、何回でも再挑戦出来ます。後述の隠しステージに行くにはステージ再挑戦が必須なので、効率のいい周回可能ステージを早めに見つけておきましょう。
また全体マップには「まじかる☆タルるートくん」の登場人物がいたり、プレゼントが置いてあったりします。登場人物達は時にミニゲームを挑んできて勝てばアイテムが貰えたりし、プレゼントもショップでは手に入らないレアアイテムが入っていたりします。
これらは一度接触すると消えてしまうので、特にミニゲームは気合を入れましょう。と言ってもガチで技術が必要なのはトランプゲームのスピードだけで、後は運試しの意味合いが強いですが。
ステージ内ではタルるートを操作し進んでいく事になります。ミモラちゃんについては後述しますが、本丸の方は折角同行してるのに何もしてくれません。おい主人公。
話を戻して、タルるートの攻撃手段は長いベロ。何でこんな攻撃手段なのかはすぐに解ります。
ステージの至る所には、タルるートの好物のたこ焼きが浮いています。このたこ焼きにベロを当てると食べる事が出来、食べたたこ焼きは個数が記録されます。
そう、このたこ焼きを食べるというアクションの為に本作の攻撃手段はベロなのです。実にタルるートらしいと言うか何と言うか……。
但しこのたこ焼き、考えなしに片っ端から食べると痛い目に合います。実はたこ焼きは足場の役目も同時に果たしており、調子に乗って食べ過ぎると即死穴に真っ逆さま、なんて事も……。
そんなこんなで敵を退けつつゴールするとミモラちゃんによるアイテムショップが開かれ、道中で食べたたこ焼きを通貨にアイテムを購入する事が出来ます。購入したアイテムはステージ内で使用出来、様々な良い効果でタルるートを助けてくれます。
但し前述の通りこのショップでは手に入らないレアアイテムも幾つかあり、どのアイテムを使用するかはよく考える必要があります。アイテムには時間経過で効果が解けるものとそのステージ中は効果が永続するものがありますが、どちらにせよミスしてしまえばそこで効果は解けてしまうのでレアアイテムを使ったのにミスしてしまった……という事態は避けたいものです。
そのミスの条件は即死穴に落ちるか敵の攻撃、または敵本体に一度でも触れる事。俗に言うオワタ式という奴です。
このオワタ式がまた厄介で、タルるートの操作性自体は上下左右に攻撃を撃ち分けられるなど悪くないものの敵の配置がいやらしい事が多いのでこれが結構な頻度でミスします。ショップで1upも一緒に売ってるのが不幸中の幸いです。
一応開始前に難易度設定が出来、『おんなのこ』モードで始めれば『おとこのこ』モードに比べ敵はかなり減りますが……。難関とされる迷路面の複雑さは据え置きなので、そちらは自力で頑張るしかありません。
なおステージには稀にアイテムが隠されている事があり、取得するとショップで購入したり全体マップで手に入れたアイテムと同じように使う事が出来ます。中でも一番頻繁に見つかる五芒星シールは、一見何の役にも立たないように思えますが実は……?
全体マップの一番奥にいるライバーに接触するとボス戦です。本作のボスステージは、ボスと戦うのみというシンプルな構成になっています。
ボスを倒すとそのエリアはクリア、次のエリアへの道が開けます。エリアは時に魔法陣で区切られていますが、中にはどうしても行けない魔法陣も……?
さてここからは、筆者も今回本作をテーマに書くに当たって記憶にある情報に間違いがないように事前調査をした際に初めて知った事実をお伝えします。先程どうしても行けないと書いた魔法陣、実は隠しステージへと繋がる魔法陣だったのです。
ではどうすればその隠しステージに行けるのかと言うと、『どのステージでもいいから五芒星シールを累計三百枚集めてからラスボスを倒す』という条件をクリアして初めて行けるようになるのです。一ステージにおける五芒星シールのある数の平均が十にも満たない事を考えると、かなりの無茶振りである事が解ります。
当時隠しステージまで辿り着けたプレイヤーが、果たしてどれだけいたのでしょうか……。始めに友人から借りてプレイして十数年越しに初めて知った、驚愕の事実でした。
ゲームとしては難しいながらも純粋に面白いのですが、原作……いや、原作者のせいで素直に楽しめなくなった自分が憎い。逆に言えば、そういう細かい評判は気にしないアクション好きな方なら十分楽しめると思います。
とりあえず、今回はこれにて。