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第百五十夜 ちびまる子ちゃん はりきり365日の巻

一つ、ゲームの話でもしようか。



以前本エッセイで、「ちびまる子ちゃん」のゲームを取り上げた事がありました。あれは「ちびまる子ちゃん」のゲームの中でも、かなり駄目な方のソフトでした。

で、今回も「ちびまる子ちゃん」のゲームのご紹介なんですが、今回は以前に紹介したのとは違って面白い方のソフトを取り上げようと思います。「ちびまる子ちゃん」のゲーム化は以前のご紹介ソフトを発売したタカラ以外にも様々な会社が行っているという、多くゲームを出している版権ものには珍しく出す会社が統一されていない状態になっておりまして、面白さも出した会社によってピンキリだったりしたのでした。

という訳で今回はタカラ以外から出た「ちびまる子ちゃん」ゲー。「ちびまる子ちゃん はりきり365日の巻」をテーマにお送り致します。


本作はスーパーファミコン初期、エポック社よりスーパーファミコンにて発売されたボードゲームです。エポック社と言えば目立たないけど面白いいぶし銀の「ドラえもん」ゲーを多数出している会社ではありますが、「ちびまる子ちゃん」のゲーム化も手掛けてたんですね。

ボードゲームですのでストーリーは特になく、プレイヤーは赤青黄緑の四色のまる子を駒に一年三百六十五日を模したマスを月ごとに区切った盤面をルーレットで歩数を決めて進み、設定した分だけの月数を遊んで最後に一番得点が多い人が優勝という流れになっております。四人同時プレイが可能ですが別にコントローラーを四人分用意する必要はなく、二つのコントローラーを使い回して全員が遊べる辺りは一度に操作を行う人間は一人きりというボードゲームの特徴を活かした感じですね。

選べるゲームに使う月数は一ヶ月、三ヶ月、六ヶ月、十二ヶ月の四種類。一ヶ月から六ヶ月は開始月を選択出来ますが、十二ヶ月のみ必ず四月からのスタートになります。


さてボードゲームの醍醐味と言えば、普通は他プレイヤーをいかに出し抜くか、いかに他プレイヤーの足を引っ張り自分だけが上手い汁を吸うかだと思います。ボードゲームは友情破壊兵器とはよく言ったものです。

しかし本作には、そんな蹴落とし合いは一切存在しません。マスに止まって起こるイベントの内容もアイテムの効果も全て自分のみに関わるもので、他プレイヤーのプレイには一切関与出来ない形になっています。

この為プレイも後半になるともうある程度順位が確定してくるという欠点もあるにはありますが、ボードゲームはしてみたいけどあまりギスギスするのも嫌だし……という方にはピッタリなんじゃないかと思います。必要なのはルーレットを止める際の動体視力のみ!

ちなみに駆け引き要素が全くない訳ではなく、中間ポイントとなる毎月十五日のお小遣いの日と月終わりのゴールは早く到着した順に貰える得点が多くなるので、形振り構わずゴールを目指すかそれともなるべくマスに多く止まり得点を稼げるよう天に祈るかという二択には常に悩まされる事になります。とは言え一番先にゴールしても得点で一位になれるとは限らず、マスに多く止まったとしてもプラスイベントが起こるかどうかは解らないとそれぞれにデメリットもあるので結局最後は運、という事になりがちですが。


本作では一年間の一日一日がマス目になっている為、現実でイベントのある日は必ずそれにちなんだイベントが起こります。但しこれらのイベント日は、本作発売当時のものである事をご留意下さい。

そして起こるのは、ただのイベントではありません。それぞれのイベントに「ちびまる子ちゃん」らしさをプラスしたイベントなのです。

それぞれのイベント日は現実では祝日だったりして基本的には良い日ですが、実際にその日を過ごしたまる子にとってまでそうであるとは限らず、イベント日なのに得点が減るマイナスイベントが起こる事もあります。本作でのイベントのプラスマイナスの基準は、あくまでまる子がそのイベントで得したか損したかに集約されるのです。

それならイベントのない日は何も起こらないの?とお思いかもしれませんが、そんな事はありません。イベントのない日はランダムで通常イベントが起こるようになっており、その種類もなかなか豊富とボリューミーな事になっています。

かなり細かく設定されているイベント日に加え、何もない日の通常イベント。その全てを見る事は並大抵の努力では効かないと思います。

ちなみに中には、原作でもまずお目にかかれないようなかなりカオスなイベントも……。何で「ちびまる子ちゃん」でこれをやろうと思ったのか、小一時間問い詰めたい。いい意味で。


マスで起こるのは「ちびまる子ちゃん」的イベントだけでなく、決まったマスに止まる事で得点を消費してアイテムを購入したり、逆にいらないアイテムを売り払って得点に替える事も出来ます。強力なアイテムほど売値も買値も高く、ここでも得点をどう扱うかの駆け引きが生まれてきます。

アイテムはイベントでも稀に手に入りますがそれはあまりに不確実。一時的に得点を失ってでもライバルをぶっちぎりたい!という時は買ってみるのも良いし、偶然アイテムを手に入れたけど使わないから得点にしちゃえ、という時は逆に売ってみるのも良いでしょう。

ちなみにコンピューターは一部の月を進むのに必須のアイテム『スパイクシューズ』を該当月以外では必ず売り払います。例えまだ、スパイクシューズが必要な月が後に控えていようとも……。まあ一ターン足止めを食らうとは言え該当月では必ず貰えるアイテムなので、その一ターンを惜しいと思うか、でしょうね。


なおスタッフロールは十二ヶ月で遊ばないと見れないようになっているのですが……これがめちゃくちゃ長丁場。何せ一ターンごとに必ずイベントが挿入されるので、例えタイマン勝負だったとしてもかなりのプレイ時間がかかる事に……。

対人でやる際は、一ヶ月か三ヶ月に留めておくのがいいでしょう。本作にはセーブ機能もない事ですし……。


「ちびまる子ちゃん」らしいほのぼのとした世界観で繰り広げられる、ほのぼのとしたボードゲーム。ゆったりのんびりボードゲームを楽しみたい、そんな方にはお勧めの一作です。



とりあえず、今回はこれにて。

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