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第十四夜 魔界塔士Sa・Ga

一つ、ゲームの話でもしようか。



突然ですが、皆様、俺っ子は好きですか。

筆者は大好きです。自小説にはまだ登場させた事はないのですが、女の子でありながら乱暴な言葉遣い、しかし内にはちゃんと女の子らしさも秘めている……とか大好物です。いわゆる萌えです。

話が逸れました。そんな俺っ子、世間的にはどちらかというとニッチな需要だと言えます。俺っ子が出る有名な作品と言われても、すぐには出てきません。

けれど、今より二十年以上昔に、そんな俺っ子好きを満足させてくれるゲームがあったのです。

それが今回取り上げる「魔界塔士Sa・Ga」です。


本作はファイナルファンタジーシリーズで有名な旧スクウェア、現スクウェアエニックスから発売された、ゲームボーイ作品としては初となるRPGです。プレイヤーは冒険者の一人としてギルドで仲間を募り、世界にそびえる巨大な塔の頂上にあるという楽園を目指して冒険します。

本作の特徴は、多彩な世界観。純粋なファンタジーかと思いきゃ武器に銃火器があったり、防具にパワードスーツがあったり。塔を上り訪れる世界も浮島を使って海原を巡る海洋世界、グライダーで空を飛び回る天空世界、バイクで荒廃した廃墟を走り回る都市世界など多岐に渡ります。

成長システムも独特なものとなっており、何と本作にはレベルという概念が存在しません。プレイヤーが選べるキャラには人間、エスパー、モンスターがいるのですが、人間は店売りのアイテムで、エスパーは戦闘後ランダムに、モンスターは敵を倒した時に一定確率で落ちる肉を食べ別のモンスターに突然変異する事で、それぞれ成長を行うのです。このうちモンスターだけは今の種族と落ちた肉の組み合わせ次第では逆に弱体化してしまう事もあり、慎重な選別が必要となります。

武器に使用回数制限があるのも本作の特徴の一つです。武器にはそれぞれ使用出来る回数が決められており、複数を攻撃出来るなど性能のいいものほど使用出来る回数が少ない傾向にあります。残り回数が0になった武器は消滅してしまい、事前に新しい武器を買って一緒に装備しておくなどしないと攻撃手段を失う事になってしまいます。本作では戦闘中の装備の付け替えが出来ないので、尚更です。

また死んだ際の処理も独特です。本作では死亡から復活出来る回数が決められており、それを使い切ってしまうと、高額な回数復活アイテムを使わない限り復活は出来なくなります。一方死んだ仲間の席にギルドで新しく雇った仲間を入れる事は可能なので、今まで苦楽を共にしてきた仲間と頑張るか、思い切って新しい仲間を入れて楽しくやるか、という選択を強いられる事になります。ちなみに仲間が生きている時は仲間の入れ替えは出来ず、また主人公に選んだキャラは死んでも入れ替えは出来ません。


と、ここまではいつも通りゲームシステムの特徴を述べて来ましたが、本作の真骨頂はその独特の台詞回しにあります。詳細はネタバレになってしまうので伏せますが、一見乱暴ながら味のあるテキストは多くの人々の印象に強く残りました。

スクウェア産のRPGの例に漏れず、プレイヤーの分身たる主人公も台詞を喋ります。勿論一人称は俺です。そう、例え主人公にしたのが女の子であっても。

つまり、本作こそ大々的に俺っ子を楽しめるゲームなのです! 性別でテキストを変える容量の余裕がなかった時代の事とは言え、性別を自由に選べるシステムでこれとはなかなか思い切った事をしたものです。

当時の筆者が主人公に選んだのも、いつも女の子でした。女の子の方が初期装備がいいという攻略的な理由もあったのですが、女ながらに乱暴な言葉遣いで並み居る強敵達とやり合うその姿が当時の筆者に強い印象を残したのは間違いありません。

俺っ子に飢えている皆様、是非一度プレイしてみては如何でしょうか?


余談ですが本作、初期出荷ソフトにはバグが多い事で有名です。人間やエスパーがモンスターに突然変異して戻らなくなってしまうという困ったバグから、本来一つしか手に入らない筈の高性能防具が何個も手に入るお得なバグまでその種類は様々です。

今から現物を手に入れる際は、ソフトが初期出荷のものか確かめておくとより楽しめるかもしれません。ただし、バッテリーバックアップの電池切れには気を付けて。



とりあえず、今回はこれにて。

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