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第百四十二夜 ロックマン4 新たなる野望!!

一つ、ゲームの話でもしようか。



漫画であれ、アニメであれ、ゲームであれ……作品が長寿になるにつれて必ず付きまとってくる問題があります。マンネリ対策です。

始めは新鮮だったあんな展開、こんな展開。けれどそれも何度も続くと、だんだんワンパターンに思えるようになって飽きてきて……。創作の世界でのあるあるですね。

それでも同じ事を積み重ねる事で、『ワンパターン』が『お約束』へと進化する場合もあります。しかしそれが許されるのは本当に面白い作品のみで、大抵はマンネリを打破する為のテコ入れが途中で行われる事になります。

今回のテーマ「ロックマン4 新たなる野望!!」も、そんなテコ入れが行われた作品の一つです。果たしてこの作品では、如何なるテコ入れが行われたのでしょうか。


本作はファミコン全盛期、カプコンよりファミコンにて発売された横スクロールアクションゲームです。前作「ロックマン3」より更にアクションが洗練され、遊びやすくなりました。

以下はストーリー。過去三度に渡り、Dr.ワイリーの世界征服の野望を阻止してきたロックマン。その後Dr.ワイリーの行方は知れなくなり、世界に平和が戻ってきたと思われた……。しかし今度は、謎の科学者Dr.コサックが八体の戦闘用ロボットと共にロックマンに挑戦状を叩き付けたのだ。ロックマンの新たなる戦いが、今幕を開ける――。といった感じになっています。

あらすじにある通り、今回の敵はDr.コサック。いつものDr.ワイリーではありません。ではDr.ワイリーはどこで何をしているのかと言うと……これはここで言うより、実際にプレイしてお確かめ下さい。


前作からの大きな変更点と言えばやはり、溜め撃ちが出来るようになった事でしょう。正確には「ロックマン2」でも一部特殊武器の溜め撃ちが出来たのですが、ノーマル武器で可能になったのは本作が初めてです。

方法は一度ショットを撃った後そのままBボタンを押し続け、ロックマンを包む光と音が大きくなったらボタンを離しショット。通常ショットの倍以上の威力があるので、ステージボスなど耐久力のある敵に有効です。

この溜め撃ち導入のお陰でノーマル状態でもボスを突破しやすくなり、難易度は大きく低下しました。ボスによっては、弱点武器よりロックバスターを使った方が楽に倒せるなんて事も……。

特殊武器のファラオショットも溜め撃ち対象の武器であり、こちらは溜めている最中ロックマンの頭上にエネルギー球が浮かび、放つ以外にも溜めている最中の球を敵に当てる事でも攻撃出来る一粒で二度美味しい武器になっています。後半ステージのボスにはこのファラオショットが弱点というものも多く、色んな意味で重宝する武器でもあります。

移動お助けキャララッシュに続く第二のお助けキャラ、エディーが登場したのも本作からです。武器と同じように装備して使用するラッシュと違い、エディーはステージの途中に出てきてランダムでアイテムをプレゼントしてくれるというアイテムキャリアーの役割を担っています。

運が良ければE缶や1upといった貴重なアイテムが手に入りますが、ライフが満タンの時にライフ回復を出すなどその時必要のないアイテムをよこされる事もしばしば……。役に立つアイテムを残してくれたらラッキー、くらいに思っておきましょう。

また本作ではラッシュ以外にも、移動に役立つ特殊武器が隠しで存在します。隠し武器は取ってもクリアにはならず、取るとそのステージの中間地点からリスタートする事になります。

『バルーン』は「ロックマン2」のアイテム1号と同じ性能で、発射するとその場でゆっくりと上昇していく足場を生み出し、攻撃は一切出来ません。『ワイヤー』は天井に引っ掛けられるワイヤーを発射し天井まで移動する事が可能になり、発射したワイヤーを敵に当てる事で僅かながらダメージを与える事が出来ます。

どちらも上手く使えばラッシュのエネルギーを節約出来るので、是非とも手に入れておきたいところです。特にワイヤーは意外な形で使えたりも……。

これら隠し武器の導入に従ってか、本作より初代「ロックマン」以来となる一度クリアしたステージへの再挑戦が再び可能となりました。但し初代「ロックマン」とは違い一度倒したボスは二度と復活せず、そのステージのボス部屋へと辿り着いたところで即ステージ離脱となります。

E缶も幾らでも取り直せてラッキー、と思いきゃそこまで上手い話はなく、本作からはその代わりにE缶所持数がパスワード記録出来なくなっています。E缶が欲しければ一から地道に集めろ、という事ですね……。

ステージは前作の追加ステージが正式に後半ステージの一つとして独立。後半ステージその一、後半ステージその二と分割して挑むようになりました。

これで困ったのが、前作は追加ステージを一つクリアするごとにパスワードが取れたのが、本作から8ボスステージをクリアしたところまでしかパスワード記録が出来なくなってしまった点。即ち後半ステージを全て中断なしで駆け抜ける必要があり(ゲームオーバー後のコンティニューは可)、ゲームを遊べる時間の少ないプレイヤーには少し辛くなっています。

スライディングや進行に応じて三種の変形が出来るようになるラッシュなど、前作で好評だった部分はそのまま。これらアクションやお助けキャラを駆使し、各ステージを乗り越えていきましょう。


余談ですが本シリーズ、昔は序盤に出てくる八体のボスのデザインを大々的に公募しており、採用者はスタッフロールなどに名前が載る他装丁が通常版とは違う特別なソフトなど豪華賞品も用意されていました。子供時代、自分のデザインをゲームに登場させたい!とこれに応募した人もいるのではないでしょうか。

その中には「アイシールド21」、「WANPAN-MAN」などの作画で知られる漫画家、村田雄介氏も含まれており、何と本作と次回作の二回もデザインを採用されています(更に余談ですが村田氏のご友人も二度デザインの採用経験のある人らしい)。昔から持っている人というのは持っているものなんですねえ……。


結果的にマンネリを打破出来たのか……はさておき、よりユーザーが楽しめる作品を、という意気込みは随所から感じられ、そしてそれは確かな面白さへと繋がっていきました。まだまだ続く「ロックマン」の系譜、本作はその過渡期と言えるのかもしれません。



とりあえず、今回はこれにて。

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