第百二十八夜 みんなのたあ坊のなかよし大作戦
一つ、ゲームの話でもしようか。
皆様、サンリオのキャラと言ったらどれが好きですか? 筆者はぐでたまです。あのだらだらゆるーい感じがたまりません。
『私はサンエックス派!』という方もいるかもしれませんが、今回はサンリオキャラのゲーム紹介となります。暫しの間、お付き合い下さいませ。
さてサンリオと言えば、数多くの可愛らしいキャラクターで有名です。それだけではなく近年ではぐでたまのようなゆるキャラ路線や、「SHOW BY ROCK!」のような萌えキャラ路線も手掛けるなど、マルチな方面に商品を展開しています。
そんなサンリオのキャラクターの一つに、「みんなのたあ坊」があります。人間の男の子たあ坊と仲良しの動物達との日常の一コマを描いたもので、筆者が子供の頃はなかなか人気がありました。
ファミコン最盛期、サンリオもまた自社のキャラクターでゲームを作る事を考え始めます。その対象キャラの中には、たあ坊の名前もありました。
かくしてたあ坊は、ファミコンでゲーム化される事になったのです。タイトルは「みんなのたあ坊のなかよし大作戦」。可愛いキャラによる可愛いゲーム、となればいいのですが、さて……?
本作はスーパーファミコン発売の年、キャラクターソフトよりファミコンにて発売されたパズルゲームです。アクション要素もあり、プレイヤーはたあ坊を操りおばけ達に捕まらないよう逃げ回りながらパズルを解いていく事になります。
ストーリーらしいストーリーは特になく、おばけの塔にパネルにされて閉じ込められた仲良しの動物達をパズルを解いて助けだそう!とそんな感じです。まあこの手のキャラクターものゲームに大したストーリーがないのは、今も昔も変わりませんね。
ゲームモードは『ペアーズ』と『ローターズ』の二種類に分かれており、それぞれに25のステージが用意されています。どちらも二人プレイに対応しており、二人プレイの場合は残機もスコアもシェアする協力モードか残機とスコアがそれぞれ別々の対戦モードかどちらかのモードを選ぶ事になります。
ペアーズはいわゆる神経衰弱で、ステージに置かれているパネルをめくり同じ絵柄を揃えるとパネルが消え、スコアが増えます。ステージ内の全てのパネルを制限時間内に消去すればステージクリア、次のステージへ進めます。
パネルは二枚までしか表にしておく事が出来ず、二枚表になっている状態で次のパネルをめくるとめくったのが古い方から順に裏に戻っていきます。この為どこに何の絵柄があったかきちんと覚えておかないと、同じパネルばかり延々とめくるような事になってしまいます。
またパネルの中には『た』の文字が書かれた旗の絵柄があり、これだけは揃ってみるまで何の絵柄とペアになるのか解らないというジョーカー的なパネルになっています。とは言え各パネルの絵柄をきちんと把握しておけばペアになる絵柄は十分推理可能なので、あまり難しく考えなくても大丈夫です。
ステージによっては通路がブロックで塞がれめくりに行けないパネルがある、なんて事もあります。そんな時活用するのがステージ上下の四隅にあるワープゾーンで、これを使ってブロックで塞がれた反対側に行き、パネルをめくればいいのです。
もう一つのローターズと比べるとルールも易しめで、取っ付きやすいのがペアーズ最大の魅力。気軽にパズルを楽しみたい!という方には、こちらの方が向いていると思われます。
ローターズはざっくり言うと絵合わせで、こちらはステージに置かれているパネルを押して絵柄をスライドさせ、同じ絵柄を縦横斜めのどれか一列に揃える事が目的となります。絵柄が揃った列はチューリップパネルに変わりスコアが増え、ステージ内の全てのパネルを制限時間内にチューリップパネルにするとステージクリア、次のステージへ進めます。
各パネルは押すと押した方向にパネルの絵柄が一つスライドし、端にあった絵柄がたあ坊の一番手前にやってきます。逆に動かすには逆方向からパネルを押すしかなく、その場で押したり引いたりといった事は出来ません。
チューリップパネルはその場から動かず、本来の絵柄もチューリップパネルの下に隠れる形で移動する事になりますが代わりに万能パネルとなり、どの絵柄と組み合わせても絵合わせが成立します。この特性を利用しないと数が揃わない絵柄もあり、パズルの戦略性を高めています。
一度絵合わせが成立してチューリップパネルにした絵柄も押してチューリップパネルの下から出す事で再利用出来ますが、絵合わせが成立した絵柄は確率でおばけの絵柄に変わる事があり、そうなるともう再利用は出来なくなる上このおばけの絵柄を直接押してしまうとおばけに触れるのと同じくミスになってしまいます。チューリップパネルの下にある状態なら直接押しても大丈夫なので、おばけの絵柄が出てきたとしても慌てない事。
おばけの絵柄が出る確率はステージが進むごとに上がっていき、最後の方のステージでは一度合わせた絵柄は必ずおばけ化してしまうようになります。直接押さなければ大丈夫と思っても、おばけの絵柄は三枚を一列に揃えると敵の方のおばけの移動スピードが上がってしまうので闇雲にパネルをシャッフルするのは危険な行為だと言えます。
そこで利用する事になるのが連鎖です。本作で言う連鎖とは一回の移動で複数の列の絵合わせが成立するようあらかじめ絵柄を整えておく事を指し、かなり綿密な位置調整が必要となりますが成功すれば一気にパネルがチューリップパネル化し、スコアの倍率も跳ね上がっていきます。
おばけの絵柄はチューリップパネルさえ間に挟んでおけば三枚揃う事はないので、ならさっさと場をチューリップパネルで埋め尽くしてしまおうという訳です。ただ上手くハマるようにするには、相当頭を使う必要がありますが……。
歯応えのあるパズルを求めている人にはこちら、ローターズがお勧め。サンリオ好きな子供向けと侮るなかれ、大人がやってもかなり難しいパズルとなっております。
本作が二人プレイ対応である事はお話ししましたが、対戦モードを選んだ場合のみ、相手にボールを投げて妨害を行う事が出来ます。ボールを当てられた方は少しの間身動きが取れなくなるので、おばけが近付いてきているところにわざとボールを当てて動きを止め、おばけの餌食にする……といった友情破壊プレイも可能です。サンリオなのに……。
ちなみにこのボール、おばけにも当てられるしちゃんと動きも止まりますが、おばけはボールを当てる度に移動速度が速くなっていくのでおばけに投げるのは程々に。緊急回避用ならいいかもしれませんが……。
最後に本作に出てくる特殊パネル一覧をご紹介します。これらを上手く使いこなせばオールクリアも出来る!……かも?
時計は制限時間を回復してくれます。ステージによってはこれを次々と揃えないとすぐにタイムアップ、なんて事も……。
薬はおばけの動きを鈍くしてくれます。そのステージにいる間はずっと有効ですが、おばけにボールを当てたりローターズでおばけの絵柄を揃えたりするとまた速くなるので注意!
ストップウォッチは制限時間減少とおばけの動きを一定時間止めてくれます。この隙にどんどん絵柄を揃えてしまいましょう。
杖はたあ坊が一定時間無敵になります。おばけを倒す事は出来ませんが、おばけに触れたりローターズでおばけの絵柄を押してもミスにならなくなります。
ハートは1up。対戦モードではこれの取り合いに?
巻物はペアーズ限定パネルで、少しの間だけ残ったパネルの中身を全て見せてくれます。その効果上一番最後に揃えてしまうとちょっと損した気分に……。
妖精はローターズ限定パネルで、おばけの絵柄に変わってしまったパネルを全て元の絵柄に戻してくれます。この時チューリップパネルの下も一斉に確認出来るので、覚えておくと後の絵柄が揃えやすくなるかも。
子供向けのイメージに反して意外と大人でも遊べる事が多いサンリオのゲームですが、本作もそんなゲームの一つだと思います。ただ出荷数が少なかったのか中古屋などで見かける事は本当に稀で、いつも以上にお勧めしにくいのが現状だったりします……。
とりあえず、今回はこれにて。




