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第百八夜 ドラキュラ伝説

一つ、ゲームの話でもしようか。



「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」。発売まで、あと一ヶ月ちょっととなりましたね。

筆者はNintendoSwitchを持っていないのですが、これだけの為に買ってもいいというくらい期待しています。もっともその為の資金は全くないのですが。

さてこの「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」、売りは何と言っても既存新規を合わせた膨大な参戦キャラ数です。新旧、そして自社他社問わず集められたあんなキャラやこんなキャラをこの手で動かせると思うと、やってもないうちからワクワクしてきます。

そんな「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」の新規他社参戦枠に、「悪魔城ドラキュラ」シリーズがあります。これはかつてコナミの看板の一つだったシリーズで、初期は骨太高難度アクション、中期から後期はやり込み要素豊富な探索型アクションとして数多くの作品が世に送り出されました。

今回ご紹介致しますのは、筆者が唯一持っている「悪魔城ドラキュラ」シリーズ。シリーズ初期に出ながら、シリーズの中では異端児的なゲーム性とシステムを持つ作品。「ドラキュラ伝説」です。


本作はゲームボーイ初期、コナミよりゲームボーイにて発売された横スクロールアクションです。ゲームボーイ初期のソフトながら背景はなかなか綺麗に描き込まれており、当時のコナミの技術力の高さを思わせます。

以下はストーリー。「悪魔城ドラキュラ」の主人公、シモン・ベルモンドと魔王ドラキュラの戦いから時は遡り、ドラキュラが魔王と呼ばれる前の時代。まだ人間だったドラキュラは、魔界より怪物達を召喚し自らもまた魔王になろうとしていた。シモンの祖先であるベルモンド一族の戦士クリストファー・ベルモンドは、そんなドラキュラの野望を阻止する為単身ドラキュラの住まう城へと向かう。ベルモンド一族と魔王ドラキュラの長い長い戦いの歴史が、今幕を開けようとしていた――。といった感じになっています。

但しこれは発売された当時のストーリーで、その後ベルモンド一族とドラキュラの因縁の始まりと題された作品は幾つも発売される事になります。現在の正史ではPS2ソフト「Castlevania」が最古の時代とされているようで、本作がドラキュラとの最初の戦いではなくなっています。


さてここからは、本家「悪魔城ドラキュラ」と本作との違いに触れていきたいと思います。まずボリューム。「悪魔城ドラキュラ」は全六ステージでしたが本作は全四ステージとなっています。

しかし「悪魔城ドラキュラ」が当時としては容量の大きいディスクシステムで出ていた事、そして本作が発売された当時のゲームボーイのスペックを考えると四ステージに減った事は順当と言えます。一ステージ毎のボリュームはけして劣ってはいないので、寧ろよく四ステージ入れられたなという感じです。

次に操作性。筆者は「悪魔城ドラキュラ」をプレイしていないので判断は付けづらいですが、両方触った方の感想だと本作の方が挙動が重いという意見が多いようです。そこは元々のマシンスペックの差という奴なのでしょうか。

最後にシステム。この項目が一番違いが多いです。

まず道中に備え付けられている蝋燭を壊すと出てくる水晶を取って武器である鞭を強化する、ここは従来通りです。本作の鞭は最大までパワーアップさせると火の玉を飛ばして遠距離攻撃が出来るようになるなど、ここだけ聞けば歴代の中でもかなり高性能な鞭であるように思えるのですが……。

問題は本作の鞭、一度ダメージを受けるとパワーアップ段階が一つ前に戻ってしまうのです。ダメージによってライフが減るだけではなく攻撃の威力まで下がってしまうので、一度のダメージがピンチに直結しやすくただでさえ高い難易度を更に上げています。

更に「悪魔城ドラキュラ」シリーズと言えばブーメランのように飛んでいく十字架や着弾点で燃え上がり一定時間継続ダメージを与える聖水といった豊富なサブウェポンの数々が魅力ですが、本作にはそうしたサブウェポンの類が一切なく鞭一本で戦い抜かねばなりません。これが前述のダメージによる鞭グレードダウンの仕様と重なって、更なる難易度上昇を引き起こしているのです。

その代わりなのか、従来は隠しアイテムである回復アイテムは本作では普通に道中の蝋燭から手に入ります。その形状が肉ではなくハートなのは、画面がモノクロのゲームボーイでも解りやすくする為とサブウェポンが撤廃された為でしょう。従来のシリーズではハートは、サブウェポンを使う為の燃料という扱いだったので。

また十字架も取る事で一定時間無敵になるアイテムとして登場します。難易度の厳しい本作に無敵アイテムの追加は嬉しいですが、本当に出てきて欲しい場面では一切出てこないのはまあ、お約束というべきか……。

そして本作、本家よりも高度なアクションを要求される場面が多い。本当に多い。

それを象徴しているのが本作の移動手段である縄で、従来の移動手段である階段が多少の不自由さはあるものの途中で攻撃も出来るし足を踏み外す事もない設計なのに対し、本作の縄は途中攻撃も出来ないしある程度上に登ってから飛び降りないと距離が足りずに今登ってきた穴にそのまま落ちてしまいます。

しかもその場合下の階層に逆戻り……なんて親切な設計にはなっちゃいません。縄を使わない階層の移動は問答無用でミスになるのです。

それ以外にもジャンプを多用する場面は多々あり、早くは一面からギリギリの距離の連続ジャンプを要求される羽目になります。この時はまだ敵も少なく落ちてもやり直しが効きますが、二面以降からは敵もガンガン出るし落ちたらそのまま奈落に落ちて死にます。

その真骨頂となるのが三面で、ここでは中盤以降一撃死の床や壁が迫ってくる中動きのいやらしい敵を潜り抜けギリギリの連続ジャンプを成功させ続けなければいけないという、「悪魔城ドラキュラ」シリーズ全体で比較しても屈指の鬼畜難易度となる道中をクリアしなければならないのです。筆者にはこの三面が壁となり、未だに四面を自力で見た事がありません……。


「悪魔城ドラキュラ」シリーズに含まれてはいますが正直そのシステムはかなりの変更がなされており、シリーズ経験者ほど戸惑う作りになっている気がします。続編「ドラキュラ伝説2」は従来のシリーズにシステムを近付けながらも本作独自のシステムも残した形となっており、こちらは評価が高めなようです。



とりあえず、今回はこれにて。

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