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第百回 ディシディア ファイナルファンタジー

一つ、ゲームの話でもしようか。



早いもので、本エッセイもこれで百回目を迎える事になりました。めでたいのはめでたいのですが、一方で百回をそれぞれ別々のゲームをテーマに書いてるのにまだネタが尽きそうにない自分に軽くドン引きしてみたり。

ともあれ記念すべき百回目を飾るのは、こちらもまた記念作品。「ファイナルファンタジー」シリーズ生誕二十周年を記念して作られた、シリーズ歴代のキャラ達が集結したお祭り的なソフト。

そして「ファイナルファンタジー」の名を冠するゲームとしては初となる、対戦格闘ゲーム。「ディシディア ファイナルファンタジー」です。


本作はPSP中期、スクウェアエニックスよりPSPにて発売された対戦格闘ゲームです。格ゲーと言っても「ファイナルファンタジー」らしくRPG要素もあり、アイテムやアクセサリを装備させてキャラを強化したり、レベルを上げて使える技を増やしバトルで使用する技を自由にカスタマイズする事も可能です。

ストーリーは調和の神コスモスと混沌の神カオスが世界の覇権を賭け争う世界。二柱の神は異なる世界からそれぞれ戦士達を召喚し永遠にも近い時を戦い続けていたが、カオスに召喚された戦士が異次元に封印されていた『無限の軍勢』を解き放ち味方につけた事で均衡は崩れ、コスモスに召喚された戦士達は尽きる事なき軍勢の前に次々と倒れていった。コスモス側に残された戦士はたったの十人。残された十人の戦士に、コスモスは最後の希望である『クリスタル』を探し出すよう告げる。果たしてコスモスの戦士達は無事『クリスタル』を手に入れる事が出来るのか、そして世界はどのような運命を辿るのか……というものになっています。

本作では「ファイナルファンタジー10」までのナンバリングの中から一つのナンバリングにつき主人公と敵役が一人ずつ選出され、主人公はコスモスサイド、敵役はカオスサイドに属する形で物語が進行していきます。敵役に選出されているのは大体がそのナンバリングのラスボスですが、他にもっと因縁の強いライバルキャラが設定されているナンバリングにおいてはそのライバルキャラの方が選出されています。

プレイヤーキャラに選ばれなかったキャラ達も各項目のヘルプに多数出演しており、そのキャラ達らしいやり取りで説明されるヘルプは見ているだけで楽しかったりします。もっともヒロインなどの重要キャラは敢えて外してあるようで、出ているのはどちらかと言えばムードメーカー的なキャラが多いのですが。


まず本作の基本操作から説明します。本作のバトルは3Dバトルとなっており、移動はアナログパッドと方向キーのどちらを使うか設定で決める事が出来ます。

本作の特徴は全ての攻撃技が二つのボタンとパッドまたはキー操作で出せるという手軽さで、この辺りの感覚は格ゲーよりはアクションの方に近いです。地上ではニュートラル、敵に向かって移動しながら、敵から離れるように移動しながらの三種、空中ではニュートラル、パッドかキーを上に向けながら、パッドかキーを下に向けながらの三種を更にそれぞれのボタンに振り分けて使っていく事になります。

攻撃は『ブレイブ攻撃』と『HP攻撃』の二種類があり、この二つを上手く使い分けて敵のHPを削り、0にすれば勝利となります。まず本作にはHPの他に『ブレイブ』という数値があり、この数値の分だけHP攻撃でHPにダメージを与える事が出来るようになっています。

ブレイブ攻撃を敵に当てるとHPは減らない代わりに敵の持っているブレイブを奪う事が出来、更に攻撃によってブレイブが0になったキャラは『BREAK』状態となり一定時間の間HP攻撃でダメージを与えられなくなる上、相手のブレイブをブレイブ攻撃で減らす事も出来なくなってしまうのです。更にBREAKさせた側にはボーナスブレイブまで加算されるなど、BREAKした側は一気に敗北のピンチにまで追い込まれます。

溜めたブレイブは一回HP攻撃をヒットさせると一旦0になった後基準値まで戻りますが、この時の再生速度はどれだけブレイブを溜めて攻撃したかに左右され、多くブレイブを溜めたHP攻撃の後ほど再度ブレイブが溜まる時間は遅くなります。これにより相手をBREAKさせボーナスブレイブも得たからといってすぐさまHP攻撃を当てても、その後こちらのブレイブ回復より相手のBREAK状態解除の方が早ければ今度は逆にこちらがBREAKする危険に陥るのでどのタイミングでHP攻撃を当てるか、確実に相手のHPを0に出来るブレイブになるまで待つかそれとも牽制の意味も兼ねてガンガンHP攻撃を当てにいくかは臨機応変に決めていく必要があります。

なおブレイブ攻撃は一部の技を除いてガードが可能ですがHP攻撃はガードが出来ず、回避動作で回避するしかありません。ブレイブ攻撃をガード成功すると相手に隙が生まれたり攻撃そのものを跳ね返せたりする為、ブレイブ攻撃はガード、HP攻撃は回避という使い分けが重要となりますが、筆者レベルのへぼゲーマーだとたまにHP攻撃にガードを暴発させて負けてしまう事もあります……。

攻撃を当てたり当てられたり、ガードに成功したりするとバトルフィールドに『EXフォース』という粒が散乱し、これが多くなるとフィールドのどこかに『EXコア』という青白い塊が出現します。これらを集める事で『EXゲージ』というものが溜まり、EXゲージがMAXになると一定時間強化状態である『EXモード』になる事が出来るのです。

EXモード中は徐々にHPが回復する他、キャラによって攻撃力増加など様々な恩恵が受けられます。更にEXモード中にHP攻撃を当てると、強力な超必殺技『EXバースト』を追加で放つ事が出来るのです。

EXバーストは技を出している最中指定の操作を成功させる事で、更に威力が上がります。放った後はEXモードが自動的に解け、EXゲージも空っぽになってしまいますがそれに見合った威力はあると思います。

但しEXモードによる強化も馬鹿には出来ないので、すぐさまEXバーストを狙うのかそれともEXモードの強化を上手く使うかはこれも臨機応変に。装備しているアイテムやアクセサリとも色々相談してみるといいでしょう。


バトルを重ねキャラのレベルが上がると、様々なアビリティを覚えます。覚えたアビリティはセットする事で攻撃に使う技が変化したり、出来るアクションが増えたりします。

各アビリティにはそれぞれ消費ポイントがあり、付けられるのは消費ポイントの合計がキャラの持っているCPキャパシティを下回る範囲までとなります。CPは一部アクセサリを除いてレベルを上げて増やすしかなく、レベルの低いうちは少ないCPを上手くやりくりしていく必要があります。

各アビリティはバトルによって得られるAPアビリティポイントを一定まで溜めるとマスターする事が出来、マスターしたアビリティは消費ポイントが大幅に低下します。よく使うアビリティは早めにマスターし、いつでも使えるようにしておくと良いでしょう。

またブレイブ攻撃のアビリティの中には、マスターする事でHP攻撃へとそのまま繋がるようになるものもあります。使用可能になるには多くのCPを必要としますが、HP攻撃の欠点の一つである『技が大振りで当てにくい』が解消される形になる為一つくらいは混ぜておくと戦略の幅が拡がるかも?


装備アイテムやアクセサリは、メニューから入れるショップで購入します。本作に消費アイテムの類はなく、購入出来るのは全て装備品となります。

アイテムは装備する事で、各種ステータスが上がります。武器ならば攻撃力、盾や小手など腕に装備する物ならば防御力と装備する部位によって上昇するステータスは変わりますが、種類によってはメインともう一つサブで上がるステータスがあるものがあり、このサブ狙いで装備を選ぶのも選択肢の一つとして存在します。

各アイテムには装備可能レベルがあり、強いものほど必要とされるレベルは高くなっていきます。強いものは当然それだけ値段も高いので、どれを先に買うかは大いに悩まされる事になります。

また一部のアイテムは、購入するのにゴールドだけでなく素材も必要になってきます。大半の素材は後述のデュエルコロシアムで稼がねばならず、最高クラスのアイテムを買えるようになるにはかなりの手間がかかります。

アクセサリは複数装備する事が出来レベル制限もありませんが、代わりにアクセサリのランクによって同じ種類のものを幾つまで装備出来るか決まっています。最高ランクのものは強力な代わりに重複装備は一切不可で(同じランクの違う種類のものなら装備は可能)、強力アクセサリによるごり押しは出来なくなっています。

アクセサリを買うには必ず素材を集めねばならず、こちらはデュエルコロシアムの素材だけではなくバトル時に取った行動により確率で手に入る素材も必要になります。この素材が取れるかははっきり言って運なので、手に入ったらラッキーくらいに考えておかないと精神的に辛い思いをする羽目になります……。

なおアイテムやアクセサリは全キャラ共用で、一つ手に入れればその一つを全員で使い回せます。その代わり一つしか持っていないアイテムやアクセサリを売ったり素材に使ったりすると、それを装備していた全員が装備を剥ぎ取られる事になるのでそこは注意する事。


本作のモードは主に、ストーリーモード、クイックバトル、デュエルコロシアムの三つに分かれています。ここではまず、ストーリーモードから順に説明させて頂きます。

ストーリーモードはコスモスの十人の戦士達を操り、一人一人がそれぞれクリスタルを手に入れるまでの物語を追っていきます。それぞれのストーリーで使えるキャラは固定されており、全てのキャラのストーリーをクリアする事で全員が集結した最終章をプレイする事が出来るようになります。

一つのストーリーは全五ステージに分かれており、ボードゲームのようになっているステージ上をキャラの駒を進めて配置された敵を倒したり宝箱を回収したりしながらゴールである『混沌の烙印』に辿り着けばステージクリアとなります。ステージ間にはムービーが挿入され、物語の移り変わりをこまめに教えてくれます。

キャラの駒は一度動かす毎に、DPデスティニーポイントというものを消費します。DPの消費に移動距離は関係なく、敵や宝箱にコンタクトし移動終了したところで初めて消費が確定します。

このDPは多く残った状態でステージをクリアするほど、クリア後に貰えるボーナスが豪華になっていきます。ボーナスで手に入るのはどれも入手が困難なアイテムばかりで、各ストーリーのクリア率にも関わる為是非とも全てコンプしてしまいたいところです。

DPは、『DPチャンス』を持つ敵を倒す事で回復する事も出来ます。DPチャンスとはいわゆるクエストのようなもので、指定された条件を満たして敵を撃破する事でクエスト達成となり、DPが回復するようになっているのです。

また複数の敵のマスと隣接する形で一方の敵にコンタクトするとチェインが発生し、連戦へと突入します。チェイン中はメニューが一切開けない代わりにDPも消耗しないので、複数のDPチャンス持ちの敵の真っ只中に飛び込みDPをもりもり回復していくのが上位のボーナスを得る上で必須テクニックになってきます。

ステージは一つクリアする毎に評価点がつき、全ステージ終了後にその評価点の合計によって最終的なボーナスをどれだけ得られるが決まります。最終評価はその場限りではなく蓄積されるので、何度もストーリーに挑めばいずれは全てのボーナスがゲット出来るようになっています。

なおステージ中はHPとEXゲージは継続で、そのステージでのバトルの間はずっとダメージやEXゲージの溜まり具合がそのまま残ります。逆にこれを利用する事でバトルが始まってすぐEXモードに持っていく事も出来、ストーリーモードではどのタイミングでEXモードになるかも重要になってきます。

ちなみに各ストーリーには難易度が設定されており、難易度が低い順に遊ぶ事で徐々にゲームシステムにも慣れていけるという設計になっています。特に1の主人公であるウォーリア・オブ・ライトのストーリーは十人の中でも最も難易度が高いので、よく解らないけどナンバリング順にストーリーを潰していこうなどと考えると痛い目を見ます。


クイックバトルはこちらで条件を決めた状態でバトルを一回ずつ遊べるというモードで、キャラの操作に慣れるには最適です。こちらも始めはコスモスの十人しか使えませんが、バトルをすると(勝っても負けてもいい)手に入るPPを集めてキャラを購入する事でカオスサイドのキャラクターも操作可能になります。

設定出来るのは使用キャラ、対戦相手、バトルフィールド、相手のレベル、相手の強さ、相手の行動傾向と多岐に渡り、特に強さは最弱ならレベルが高くても最低限の行動しか取らなくなり、最強ならレベルが低くても凄まじい反応速度で簡単には勝たせてくれなくなるなど設定の肝になる部分であります。始めのうちは最弱相手に肩慣らしし、徐々に強さを吊り上げていくといいでしょう。

またクイックバトルには『APチャンス』があり、最初のHP攻撃を条件を満たした状態で当てる事で勝利の際に貰えるAPが増えるようになっています。APは幾らあっても足りないくらい必要なので、やるなら積極的に狙っていきたいところです。


デュエルコロシアムは使用キャラを一人選び、敵を次々と倒して素材を入手していく上級者モードです。開放もエンディング後と遅く、まさにやり込みの為のモードだと言えます。

使用キャラを選んだら、まずはどのコースを遊ぶか選びます。コースによって敵のレベルや手に入る素材が変わり、強いアイテムに必要な素材ほど敵のレベルが高いコースに行って手に入れる必要があります。

コースを選ぶと、セレクトエリアの中を次々とカードが流れてきます。このカードはバトルが発生し勝つとメダルが貰えるもの、メダルと引き換えに素材が得られるもの、セレクトエリアを増やす、特定のカードが出やすくなるなど補助的な役割を担うものの三種類に分かれ、選んだカード以外はその場で破棄され処理が終わるとまた新しいカードが流れてくるようになっています。

基本はバトルに勝ってメダルを稼ぎ、そのメダルで素材を手に入れる、これだけです。但し肝心の素材はいつ何が流れてくるか全く解らず、欲しい素材がいつまで経っても流れて来ない……という状況にも陥りがちです。

更にもしバトルに負けてしまうとメダルを失うだけでなくセレクトエリアが縮小してしまうので、負け続けるとカードを選べなくなりリザルトするしかなくなります。メダルはリザルト毎に清算され次の挑戦に持ち越す事は出来ないので、メダルが沢山貯まった状態でリザルトするしかなくなると悔しい思いをする事になってしまいます。

また配られたカードが一定枚数に達するとボスカードが現れ、これは普通よりも貰えるメダルが少し増える代わりに選ばなくても破棄されず、そのままセレクトエリアに残り続けます。つまりいつかは選ばなくてはならず、強さも高めに設定されている為苦戦を強いられる事になるでしょう。

なおストーリーモード同様こちらもHPとEXゲージは一度の挑戦中は継続ですが、ストーリーモードとは違いバトル終了毎にHPが少量回復します。もし負けた場合はHPが全快するので、HPが少ない状態で復活しずるずる負け続ける……という事はありません。ご安心を。


さてこの手のゲームと言えば、メインの使用キャラを誰にするかが話題に上りがちですね。筆者の使用キャラは5の主人公、バッツ・クラウザーです。

元々5は「ファイナルファンタジー」シリーズの中で真っ先に本エッセイで取り上げるくらい大好きだったのですが、本作の彼は本編に輪をかけて子供っぽい……じゃないフリーダムなキャラになっておりまして、一発で気に入ってしまいました。肝心の性能の方は他のコスモスサイドのキャラの攻撃をアレンジしたものを使うというトリッキーな性能で、とは言え元の攻撃よりも使いやすくなっているものなんかもあるので総じて扱いやすいキャラだと言えます。

このバッツに8の主人公スコール、9の主人公ジタンを加えた三人組はストーリー上でよく絡む為人気が高く、筆者もこのトリオが大好きで当時はファンアートを漁ったりもしました。よい思い出です。


この後「ディシディア」シリーズは続編を次々と出し、現在もアーケードで稼働中と人気コンテンツに成長しました。スタッフが、そしてシリーズファンが描いた『究極の幻想』は、今も色褪せる事なく続いているのです。



とりあえず、今回はこれにて。

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